医学部の奨学金にはこんなものがあります!私大の学費もなんとかできる?
大学によっては卒業までの6年間で4,000万円もの学費が必要になる医学部。
もし通う場合、生活費等も含めると大変な金額になりますね。医学部に通う学生の中には奨学金を利用している人も多くいます。
ここでは、医学部生向けの奨学金について紹介します。
医学部の大学生が使える奨学金の種類とは
医学部の大学生が使える奨学金には、このような種類があります。
- ・自治体などが実施している奨学金
- ・大病院が実施している奨学金
- ・進学先の大学が実施している奨学金
- ・日本学生支援機構の奨学金
これ以外の選択肢としては、教育ローン(学資ローン)があります。
私立大の医学部に奨学金だけで通えるほどはもらえない可能性
医学部生も借りられる奨学金にはさまざまなものがありますが、私立の医科大学の学費は高い大学で4,000万円近くになります。
奨学金だけで通うのは難しいと考えておいた方がいいでしょう。
医学部なのに学校の事情で学費が無料になる3大学
学校の事情で学費無料で医学部に通える大学が3つあります。
- ・自治医科大学
- ・産業医科大学
- ・防衛医科大学
自治医科大学
自治医科大学は、修学資金貸与制度があります。修学資金貸与制度は大学卒業後に学校が指定する公立病院などに医師として勤務することで返還が免除される貸与制度です。(一定期間勤める必要があります)
関連サイト:自治医科大学 修学資金・奨学資金
産業医科大学
産業医科大学にも修学資金貸与制度があります。これも卒業後、指定された期間産業医等の職務に就けば、全額が返還免除になります。
関連サイト:産業医科大学 修学資金貸与制度
防衛医科大学
防衛医科大学は、そもそも学生の身分が防衛省職員(特別職国家公務員)になります。在校中は、学生手当が支給されますし、入校の際の入学金及び授業料等は徴収されません。
関連サイト:防衛医科大学校 学生の身分・償還金
条件を満たす必要があるものの、この3大学に合格すれば学費のことは他の医学部に比べて気にしなくてよさそうです。
医学部で使える奨学金:自治体などが実施している奨学金
医学部で使える奨学金の中で自治体などが実施している奨学金について紹介します。
「地域枠」とも言われており、卒業後は規定された年数を奨学金を受けた自治体のある地域で働くことが条件になっています。また、地域枠の応募は自治体が指定した条件を満たす必要があります。
東京都の条件は、
次の1から3までの要件をすべて満たす方が対象です。
1 出願時に、次のいずれかの要件を満たす者
ア 東京都内に住所を有し、かつ高等学校等を卒業した者(卒業見込みを含む。)
イ 都内の高等学校等を卒業した者(卒業見込みを含む。)
2 各大学が実施する「東京都地域枠入学試験」に合格したとき、当該大学への入学を確約できる者
※ 合格したときは入学を辞退できません。
3 医師免許取得後、小児医療、周産期医療、救急医療、へき地医療のいずれかの領域で、東京都が指定する医療機関において9年間(初期臨床研修期間を含む。)以上の期間、医師として従事しようとする意志を有すること。
(引用:東京都福祉保健局 特別貸与奨学金)
となっています。
合格後は入学辞退できず、医師免許取得後は9年間キャリアを拘束されることになります。
医学部奨学金の地域枠の調べ方
医学部奨学金の地域枠は、Google検索などで「都道府県名 地域枠」と入力すると都道府県の公式ページが出てきます。
入学情報雑誌や医学部情報サイトにその年の一覧が出ていることが多いので、そちらを参考にしてもいいでしょう。
医学部で使える奨学金:大病院が実施している奨学金
民間の大病院などが実施している奨学金も医学部の大学生が利用できる奨学金です。
有名なものに
- ・民医連奨学金
- ・各地のJA(農業協同組合)
- ・徳洲会奨学金
の奨学金があります。
民医連奨学金
岩手民医連の奨学金を例に出すと、
盛岡医療生協が指定・承認する事業所で研修し、就労した場合(出向先との覚書などにより、生協を退職した場合を含む)その年数(月数)に相当する貸付金の返還は免除されます。
(引用:岩手民医連 各奨学金制度のご案内)
となっており、一定期間の勤務により返還が免除されます。
民医連奨学金の奨学金は、各都道府県の民医連奨学金が窓口になっています。
民医連の奨学金については、民医連の「全国都道府県に奨学金制度があります。」から検索可能です。
関連サイト:民医連 全国都道府県に奨学金制度があります。
JAの医学部生向けの奨学金
JA秋田厚生連の奨学金の例に出すと、
卒業後に直ちに本会の運営する病院へ一定期間以上勤務すると、返還が免除される一般奨学金があります
(引用:JA秋田厚生連 奨学金制度の概要)
となっており、一定期間勤務により返還が免除される奨学金が用意されているようです。
JAで医学部生向けの奨学金を実施していることで有名な地域は、
があります。
この他のJAの医学部生向けの奨学金については、各地のJAに問い合わせてみてください。地域のJAは、JAグループHPのトップから検索できます。
関連サイト:JAグループ トップ
徳洲会奨学金
徳洲会奨学金は、卒業後に徳洲会グループ病院への入職を希望する人向けに貸与される奨学金です。
この奨学金も一定の条件を満たすと返還が免除されます。
関連サイト:徳洲会グループ 奨学金制度
医学部で使える奨学金:進学先の大学が実施している奨学金
医学部を持つ大学は、独自の奨学金を実施しています。
例えば、金沢医科大学では
学校推薦型選抜(指定地域)及び一般選抜(前期)合格者で成績優秀な方の中から審査を行い、授業料相当額(330万円×6年間=1,980万円)を貸与する制度です。
(引用:金沢医科大学 学納金・奨学金制度)
を持っています。
この制度で貸与された奨学金は
直ちに本学に勤務し、その勤務期間が通算して5年間に達したときは返還債務の全額を免除
(引用:金沢医科大学 学納金・奨学金制度)
されます。
金沢医科大学に限らず、大学独自の奨学金も他の多くの奨学金と同じく一定の条件を満たすことで返還義務が免除されることが多いです。
医学部で使える奨学金:日本学生支援機構の奨学金
大学生の奨学金として最も利用されているのは、日本学生支援機構のものです。
- ・返済不要の給付型:給付型奨学金
- ・無利子の貸与型:第一種奨学金
- ・有利子の貸与型:第二種奨学金
のタイプがあります。
有利子の貸与型の第二種奨学金の場合、私立大学の医学部・歯学部は月額の上限12万円に4万円の増額が可能です。同じく私立大学の薬・獣医学部は2万円の増額が可能となっています。
ただし、世帯年収に制限があるため、借りられるかどうかシミュレーションしてみた方がいいでしょう。
関連サイト:独立行政法人 日本学生支援機構 奨学金貸与・返還シミュレーション
医学部で使える奨学金の一覧はどう探す?
医学部で使える奨学金には、運営団体や奨学金の金額までさまざまなものがありますが、自分が進学予定の大学ではどの奨学金が使えるかわからないと困りますよね。
そんなときは、進学予定(受験予定)の大学のホームページを検索してみてください。
各大学は、金銭的な問題で医学部進学を挫折することがないように、利用できる奨学金の一覧ページを持っています。
例えば、札幌医科大学では「奨学金について」のページ内で
- ・日本学生支援機構奨学金
- ・北海道立看護学院等看護職員課程修学資金
- ・札幌市奨学金
- ・札幌医科大学小野和子奨学金
を紹介しており、その他の奨学金についても
大学に募集通知のあるものは、学務・学生支援係で閲覧することができます。
(引用:札幌医科大学 奨学金について)
と、案内しています。
国の教育ローンや銀行の教育ローンにも詳しいPDFが用意されていますよ。
医学部進学を考えているなら奨学金のことはしっかり調べよう
国立大学の医学部の場合、学費は6年間で約350万円ですが、私立はその6倍以上。かなり裕福な家庭ならともかく、やはり奨学金は欠かせません。
もし、将来医学部で学びたいなら、こうした奨学金制度があることを知っておくべきでしょう。