AI時代の到来?! ◯年後には人間の仕事が現在の約半分に……【学生記者】
こんにちは。早稲田大学3年の吉山です。最近、松尾豊氏の「人工知能は人間を超えるか」がAmazonランキングでベストセラーになっていたり、AI(人工知能)が話題に登ることが多くなりましたよね。AIと聞くと、自分はiPhoneに搭載されているSiriがパッと頭に浮かびます。天気アプリを開かなくても、スマートフォンに「今日の天気は?」と話しかけるだけですぐに天気がわかって便利ですよね。
Siri以外にも、カメラで人物を写すと顔を認識したり、人間と将棋を指すことができたりと身近な部分でさまざまなAIが使われています。
僕が生まれた1996年には、チェスの世界チャンピオンであるカスパロフが「ディープブルー」というチェス専用のコンピュータに負け、チェスにおいて人間よりもコンピュータがすぐれていることを証明しました。コンピュータは大量の過去の対局データベースと、尋常ではない計算スピードで人間を頭脳戦で打ち負かしたのです。
正確かつ迅速なメカニズムによってヒトより早く多くのものを処理できるため、オックスフォード大教授が2013年に「このままだと10-20年後には人間の職業の43%がAIに取って代わられる」と発表したことで大きな議論を巻き起こしています。
今回はそんな将来確実に私たちにとって身近で大きな存在となる「AI」について考えてみました。
■人工知能のメカニズム
人工知能というのは、ヒトの思考パターンをモデルに、認知・行動などを「自分で考えて」処理させるためのものです。最近では、様々な部分で使用されるようになりました。例えば、「これはイヌだ」「ライオンだ」ということを理解したり、人間を相手にチェスや将棋で対戦したりします。
「これはイヌだ」とAIに判断させるのも簡単なことではありません。どのようにして人間は「これはイヌだ」ということがわかるのか、その仕組みを解明し、それをプログラムにインプットして初めて、イヌであることがわかるAIが誕生します。
では、我々はどのようにイヌを認識しているのか? 難しいところです。考えられるのは、「ワンと鳴く」「しっぽがある」 とか、そう言った特徴を捉えて、それを「抽象化」することによって例えばチワワでもゴールデンレトリーバーであっても、「イヌである」という判断を下すというやり方です。
この「抽象化」したデータをコンピュータに入力すれば、それを基にして機械はそれがイヌかそうではないかの判断ができます。10数年前まではコンピュータが自ら「抽象化」するということは非常に困難な話でした。しかし最近、その「抽象化」を自ら行い、自分で学ぶ(ディープラーニング)AIが登場し、AIの認識の制度を爆発的に上げることに成功しました。
■人工知能が職業を奪う?
冒頭で書いた、「現在の職業の約半分がAIに取って代わる」というのは本当なのでしょうか? 実際に定型的な作業は近年AIによって行われることも多く、会計士や税理士などの需要は年々減少していると言われています。しかしながら、実際には人と人とのコミュニケーションに重きを置いた職業が多いので、個人的にはそう言った仕事が機械によって行われるとなると、物寂しい感じがしてしまいます……。
しかし、「仕事がAIに奪われる」というのは悲しむべきことではありません。自動車の発展によって、馬の調教師の需要は減り、耕運機によって耕作の仕事の量が激減したのも事実。AIの発展もそのような技術革新と本質は同じです。仕事が機械化されることによって、ヒトは他の仕事に時間を割くことができ、より便利で住みよい社会を作る一つのきっかけになると考えています。
■まとめ
人工知能は人間の脳の神秘を解き明かす一つのきっかけになります。そして、職業を彼らに奪われるというよりも、我々の生活や仕事を効率化してくれる、といったほうが適切でしょう。人類の課題はそれらをどう使い、どのように暮らし、働くのかを模索していくことです。今後のAIの発展や実用化に期待ですね!
文:吉山慶