君はもう瀬戸内を味わったか? 離島で過ごす休日のすすめ〜小佐木島編〜【学生記者】
こんにちは、広島大学の星野楽です。大学生のみなさんは日常生活の中で、心にモヤモヤしたものを抱えた経験はありませんか? 私は現在大学3年生で、徐々に卒論や就職が現実味を帯びてきており、不安や焦りを感じずにはいられません。「この現実から解放されたい」「どこか遠くへ逃げたい」……こうした気持ちが解消される場所、それが瀬戸内海に散らばる離島です。
ちょっと日常から抜け出したいあなたへ、休みの日にふらりと気軽に行ける離島と、その魅力を紹介する「離島な休日」。今回は瀬戸内海芸予諸島のひとつである小左木島に上陸です。
魅力1.短い船旅
三原港から小佐木島へのわずか15分の船旅は、昭和の匂い漂う高速船が私たちを運んでくれます。運賃は片道380円、船内の女性スタッフに手渡しする仕組みも今ではめずらしい体験です。窓際の本棚には、短い間でパラパラめくれる漫画本がいくつか置いてあり、誰でも気軽に手に取ることができます。浜風に涼みながら大きなタンク船や漁船を海の上から眺めて、特別な休日をスタートさせましょう! ちなみに高速船は午前中3便、午後1便の1日計4便しかないため、乗り遅れには十分ご注意を。
魅力2.島を散歩してリフレッシュ
島は一周約3キロです。急な坂道もなく気持ちいい散歩ができます。小佐木島の港周辺には民家が10軒ほど立っていますが、そこを離れると田畑や木々ばかりになってしまいます。この人口が5人ほどの小さな島の魅力の一つは、そこで暮らす方々と気軽にお話ができることです。島は高齢化率100%で、おじいさん、おばあさんしか住んでいません。散歩途中に「こんにちは。どっから来たん?」と優しく尋ねられると、幼少期を思い出すような懐かしい気持ちになれます。
横に海が見える道を30分ほど歩いて、島の空気や波の音を存分に吸い込めば、日ごろのストレスや心のモヤモヤは次第に浄化されていくでしょう。港に戻れば、さっき話したおばあさんがジュースを片手に待ってくれているかもしれませんよ。
魅力3.きれいな海と隠れた灯台
三つ目の魅力は、細い脇道を登って行った先に、ようやく発見できる背の低い石造りの灯台です。港の反対側に位置する灯台は明治中期に建設された歴史あるもので、今でも現役で使われています。夜になると不動レンズの中で暖かく光る電球が瀬戸内海を臨み、あと少しで終わる1日を振り返るひとときにぴったりです。ただし、船の時間を気にしないと、島から帰れなくなりますよ。
終わりに
小佐木島は、自動販売機もコンビニもない、一見不便に思える島かもしれません。しかしそこには、大学生活で味わうことのできない静かさやそこで暮らす人との会話、なにもしない時間であふれています。晴れた休日、部屋にこもってストレスと戦うぐらいなら、ふらっと離島へ足を運ぶのはいかがでしょうか。瀬戸内の島々が、あなたの上陸を待っています。
<大学生のまずこれステップ>
1. 船の時間をチェック
2. JR三原駅から徒歩5分、三原港へ
3. お昼ご飯でも買って、高速フェリー瀬戸田行きで出航!
文・星野楽