若い世代も知っておくべき! 天才漫画家の定番「ではない」おすすめ作品7選

編集部:はまみ
2016/04/22
学生トレンド
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手塚治虫先生、大友克洋先生などなど、天才と呼ばれる漫画家さんがいらっしゃいます。代表作として挙がる作品は『ブラック・ジャック』だったり『AKIRA』だったりしますが、実はタイトル名が挙がりにくいけれども傑作、という作品があったりします。そこで今回は、定番ではないお薦め作品をピックアップしてご紹介します。


●『気分はもう戦争』原作:矢作俊彦/作画:大友克洋

大友克洋先生の作品では『AKIRA』があまりにも有名ですが、原作を矢作俊彦先生が担当した『気分はもう戦争』を忘れることはできません。本作は、突然始まった中ソ戦争をめぐって日本人がどたばたする姿を短編の連作で描いたもの。

70年代終わりから80年代にかけての日本の雰囲気が見事に捉えられ、物語はあくまでもコメディー調なのですが、大友先生のリアルな絵が素晴らしく、面白くて格好いい作品となっています。矢作先生のハードボイルドな感じが全編に満ちているのもすごい点です。

中国大陸で、ハチマキ(右翼)、ボウイ(アメリカ人)、めがね(左翼)の三人組が義勇軍となって繰り広げる大戦闘とその結末など、見どころも多数あります。大友先生、矢作先生自身も作中キャラクターとして登場します。そのゲスい感じもいいですよ(笑)!

●『アラバスター』手塚治虫

金メダルを獲得したアスリート、ジェームズ・ブロックは黒人であることを理由に女優スーザン・ロスに捨てられ、また彼女の偽証のせいで犯罪者になってしまいます。刑務所の中で知り合った博士から「生物を透明にする光線銃」を譲り受けたジェームズは、自分に試してみます。

しかし、あまりの痛みに途中でやめたため皮膚だけが消えた恐ろしい姿になってしまいます。この光線銃は、すっかり透明になるまで当てるとその生物を殺してしまうものだったのです。ジェームズはアラバスターと名乗り、世界の「美」に復讐(ふくしゅう)するべく戦いを開始します……。

手塚先生によれば「僕がものすごいスランプのときに描いたんです。スランプっていうか……最低のときに描いたんです。もちろん読者には受けませんでしたしね。陰湿だっていわれました(後略)」とのことですが、この物語には、世界一般の価値観をひっくり返そうとする狂った主人公、それでも最後に残る希望という、人間の根源に関わる部分が見事に描かれています。

手塚先生ご自身の評価が低いため、あまり名作として挙がる作品ではありませんが、強烈な印象を残す一作です。
*……『アラバスター』の執筆は「虫プロ」が倒産するなど手塚先生にとって多難な時期に行われました。

●『真田剣流』白土三平

『カムイ伝』『忍者武芸帳』などを代表作とする白土三平先生ですが、「階級闘争」を前面に出す作品以外にも名作が多数あります。忍者同士がその秘術を尽くして戦うエンターテインメント作品も多いのです。『真田剣流』はそのような作品の中の一作。

本作は、まず主人公が美少女(しかも脚がきれい!)という点で白土先生の作品群の中でも珍しい存在です。主人公・桔梗は祖父を謎の怪人・暗夜軒に「丑三つの術」によって殺されてしまいます。桔梗は真田氏に仕える真田忍群の助けも借りて、暗夜軒を追うのですが……。

「丑三つの術」にかかり、暗夜軒によってわら人形にクギ打たれた人物は確実に死ぬのです。丑三つの術の正体とは!? その謎をめぐって、流麗な描線で全編に素晴らしいアクションシーンが展開されます。エンターテインメント作品として、また一種のミステリー作品として一級の名作です。

●『闇の土鬼』横山光輝

現在では『三国志』をはじめとする中国史漫画がその代表作とされる横山光輝先生ですが、一方の代表作『バビル2世』のような、少年の闘争に次ぐ闘争の物語は先生の真骨頂でもあります。大ヒットした『伊賀の影丸』でも忍者同士の絶え間ない闘争が描かれました。

本作では、間引かれる運命にあった赤子(土鬼)がその強靱(きょうじん)な生命力によって生き残り、裏の武芸を極めるべく武芸者として成長していく様が描かれます。七節棍という特殊な武器を自在に使い、霞のつぶて、含み針など必殺の武芸を極めていきます。

幾たびも死線を越えるたびにさらに強くなり、暗殺技を振るう「血風党」の長・無明斎を追い詰め、「まるで稲妻のようだ」と武芸者・柳生十兵衛をも震撼(しんかん)させる存在にまでなった土鬼が最後に得たものは……。闘争の中で成長していくストイックな武芸者・土鬼の格好良さにしびれる作品です。

●『モジャ公』藤子・F・不二雄

『ドラえもん』『新オバケのQ太郎』など名作多数の藤子・F・不二雄先生ですが、『モジャ公』は先生の最高傑作ともいわれる作品です。アニメ化もされていますが、アニメと原作漫画は全く異なっていて、漫画の方は冒険また冒険、その上ハードSFといってもいい完成度の高い物語です。

つまらない日常生活に飽き飽きした主人公・天野空夫は、家で母親に叱られている最中に突然現れたモジャ公(宇宙生物)、ドンモ(ロボット)と共に宇宙へ家出します。死ぬことがなくなった星で自殺ショーをやらされそうになったり、狼男が暮らす星で食べられそうになったり……と、このへっぽこトリオの波瀾(はらん)万丈の冒険が続きます。

白眉は、かつては高度な文明があった星「シャングリラ」の冒険譚です。生物など死に絶えて空気も水もないはずの星なのに、そこを訪れた探検隊からは「天国だ」という報告があり、それ以降連絡が途絶するのです。なぜ? 何が起こっているのか? という謎にこのトリオが挑まされます。本作は藤子・F・不二雄先生の想像力が縦横無尽に発揮された名作です。

●『ススムちゃん大ショック』永井豪

漫画史に残る超傑作『デビルマン』、『手天童子』『あばしり一家』など、永井豪先生には代表作がたくさんあります。また、永井先生といえば『マジンガーZ』など世界的な大ヒット作となったアニメの原作者としても知られています。

しかしそれら長編傑作漫画、アニメ原作漫画の他に、短編漫画の傑作を描いていらっしゃるのを見逃すことはできません。『ススムちゃん大ショック』は、『真夜中の戦士』などと並ぶ永井先生の傑作短編作品の一つです。

ある日、突然大人たちが子どもを殺し始めます。ススムちゃんは友だちと一緒に子どもたちが次々に殺される町を逃げ回ります。恐ろしい事件が起こっているのにニュースではそのことが全く報道されないのです……。子どものころに読むとトラウマになるほどショッキングな傑作です。

●『人造人間キカイダー』石ノ森章太郎

石ノ森章太郎先生といえば、やはり代表作は『サイボーグ009』ということになるでしょう。また、先生は『仮面ライダー』『秘密戦隊ゴレンジャー』といった子ども向け特撮番組の原作者の面があり、実際に先生名義の同名漫画作品があります。

『人造人間キカイダー』も特撮番組になっていますが、この原作漫画は悲しい結末を迎えたことでも知られる一種のカルト作品です。途中までは、ロボットとして生まれたキカイダーが悪の組織の繰り出す悪者ロボットをやっつける特撮番組の原作にふさわしい展開なのですが……。

キカイダーに付けられた善悪を判断する「良心回路」という装置がこの物語の結末をある意味ねじ曲げるのです。主人公のロボット・キカイダーは人間になりたい、と思うのですが、果たして人間になることは幸せなのか? という問いへ話は向かうのです。子ども向け特撮番組の原作とは思えない深みにハマった物語です。

天才漫画家と呼ばれる先生方の定番以外のお薦め漫画を7選してみましたが、いかがだったでしょうか? 中には入手が困難になっているものもありますが、どれも傑作です。もし興味を持った作品があればぜひご一読ください。

Photo(C)FreeDigitalPhotos

(高橋モータース@dcp)

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