現代でも食べたい! 江戸時代の料理本に登場するうまそうな料理5選

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現在の和食の基本は江戸時代に生まれたといわれます。万能調味料の「しょうゆ」や、清酒の大量生産は江戸時代に始まっていますし、そば、すしなど今や和食の代表格として世界中から注目される料理のルーツの多くは江戸時代にあります。また江戸時代は料理本がヒットした時代でもありました。今回は、江戸時代の料理本の中からおいしそうなものをピックアップしてご紹介します。

●狸汁

出典:『蒟蒻(こんにゃく)百珍』

現代の日本ではなかなか食べられないですが、江戸時代では「たぬき汁」はわりとポピュラーなメニューだったようです。たぬきの肉は煮て、乱切りにして(原文では「乱にちぎり」)ゴマ油で揚げます。この肉、大根おろし、またおからなどを具にみそ汁を作り、セリを切ってはらりと入れ食べます。煮てからゴマ油で揚げるので、臭みは落とすことができるのでしょう。一度食べてみたいものです。

●松たけ塩づけ

出典:『料理献立抄』

石突きを切り捨てて、残った部分をさっと湯通しします。かごに塩を敷き、その上に松葉を置いて、よく滴を切ったマツタケを並べていきます。マツタケが埋まるように塩を盛り、これを繰り返してマツタケの塩漬けを作ります。現在はマツタケは貴重なものとなっていますが、江戸時代はたくさん採れました。塩漬けマツタケは乙な味がしそうです!

●かびたん飯

出典:『素人包丁』

タイを三枚におろして刺し身を作ります。頭と骨はよく焼いて薬研(やげん:漢方薬などを作るときに使用する道具)で砕いてみそ汁に混ぜます。炊きたてのご飯を茶わんに盛って、刺し身をその上に載せ、熱々のみそ汁を注ぎます。薬味に、トウガラシ、浅草のり、陳皮、ネギなどを添えて食べます。「魚飯の中でこれほど美味なるものはなし」だそうです。汁かけご飯ですが、とてもおいしそうです。

●かまぼこ豆腐

出典:『豆腐百珍続編』

くるみの実をしばらく湯に漬けて渋皮を取ります。これをよくすりつぶします。豆腐の水分をよく取ってから、豆腐7分、くるみ3分の割合でよく混ぜてすり合わせます。このすり身を、かまぼこの製造と同様に、杉板にくっつけて蒸します。蒸した後は少し焼いて、できたら板から切って食べます。くるみの風味が感じられておいしそうです。

●茄子鴫焼(しぎやき)

出典:『料理秘伝記』

なすを皮ごと輪切りにします。これを油焼きしてトウガラシみそを付けて食べます。「なすのしぎ焼き」は今でも食べられているメニューですが、「しぎ焼き」のルーツは室町時代にまでさかのぼれるそうです。お酒が進みそうな一皿ですね。トウガラシみそではなく、しょうゆを掛けても「よし」となっています。

江戸時代には、料理に関する本がたくさん出版されました。豆腐料理ばっかりを集めた『豆腐百珍』などは現在でも有名ですね。中には本当に作ったのかなぁ、というものもありますが、一般庶民が料理のレシピに注目し、それを楽しんだ時代だったことは確かです。江戸時代に生まれたレシピの多くは現在までつながっているのです。

(高橋モータース@dcp)

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