オトナのあるあるネタ満載?! 絶対読んでおきたいおすすめ青年漫画ランキング! 2ページ目
稲豊市立稲豊中学校、部員6人の卓球部。実力はあるのですが、部長・副部長以外のメンバーは強烈な個性の持ち主で、いつも事件を巻き起こしています。まともに卓球を練習することはほとんど無く、いつも下品な行為で女子から嫌われている主人公・前野。前野と同じくカップルを嫌い、『死ね死ね団』を結成する前野の親友・井沢ひろみ。無口な坊主頭のチビで、チーム一下劣な田中。アメリカ人とのハーフで、常識を備えている心優しい田辺も、歩く生物兵器の「ワキガ王子」で… …。
古谷実といえば、最も有名なのが映画化もされた『ヒミズ』ではないかと思います。主人公の置かれた過酷な境遇、閉塞感、バイオレンスな描写、思春期の少年少女の心理を鮮やかに描き出す、といった特徴が挙げられる作品です。しかし『ヒミズ』は古谷実の作品の中でもかなり特異な位置づけの作品。基本的には、思春期の少年少女の心理描写、偶像劇であり、そこにギャグを絡めていくというスタイル。数ある作品の中でも、純粋なギャグ漫画はこの『行け!稲中卓球部』のみ。彼の原点とも言える作品です。
デビュー作である本作も、前半は「モテない男子たちの閉塞感とそれに対する抵抗」と「ギャグ」が二本の柱となっていますが、後半は思春期特有の恋愛にまつわる心理描写が光ります。相当おバカなギャグ漫画でありながら、学生時代を懐かしめる名作です。
作者:古谷実
出版社:講談社
掲載誌:週刊ヤングマガジン
連載開始:1993年14号
巻数:全13巻
■第6位 働かないふたり
対人関係が苦手で、おっとりした「働かない」妹、春子。頭も良くて、友達もいるエリートニート・なぜか「働かない」兄、守。二人のゆるーい毎日。ニートだからこそできる「毎日スウェット」「ゲーム合宿」「夜食にオムライス」「映画合宿」などなど…大きな声では言えないけれど、ちょっとうらやましいエピソードが盛りだくさんです。
大人気のweb漫画。後に単行本としても出版されました。兄弟姉妹がいる人は思わず「あったあった」と昔を懐かしむことができる漫画です。長い時間を一緒に過ごすからこそ、本当にくだらないことで笑えたり、友情にも似た助け合いの心があったり…という、仲の良い兄妹の「あるある」が描かれています。遠慮のない、本当に仲の良い兄妹がリアルに描かれています。
2015年の12月に第100回が掲載されましたが、昔を振り返ると少しずつ春子が成長している様子が描かれているので、強いて主人公を決めるなら彼女なのかも。ズボラで不器用、対人恐怖症だけど思いやりのある妹、頭が良くて優しいお兄ちゃん。新しい「理想の兄妹像」が描かれています。過去の連載作品の一部が「くらげバンチ(http://www.kurage-bunch.com/)」で読めます。
作者:吉田覚
出版社:新潮社
掲載誌:くらげバンチ(元ブログ掲載作品)
巻数:現在単行本は6巻
■第5位 ボーイズ・オン・ザ・ラン
うだつのあがらない青年田西敏之は、零細玩具メーカーの平社員。27歳の現在に至るまで女性と交際したことはない素人童貞。先輩から引き継いだ仕事も満足にこなせない、なにかに打ち込んだこともない彼でしたが、あこがれの後輩・植田ちはるには淡い恋心を寄せていた。ある日、会社の飲み会でちはるとの距離を縮めた田西。かねてより交流のあった業界最大手のエリート営業マン・青山との協力もあって交際の一歩手前までこぎつけるものの、あることがきっかけでちはるは田西のもとを去ってしまいます。しばらくして再開したちはるは、なんとあの青山と交際していました。青山にもてあそばれ、ぼろぼろになってしまったちはる。田西は一念発起し、ちはるも望まない「決闘」を青山に申し込みます。
2010年には銀杏BOYZ峯田和伸主演で映画化され、2012年には関ジャニ∞丸山隆平主演でテレビドラマ化された人気作品。ダメダメで平凡な主人公が一念発起する……というパターンは、最近の漫画にもよくありますが、この作品非常にシビア。うだつのあがらない平凡なサラリーマンがちょっと努力をつんだだけでエリートに敵うはずもなく、見ていて苦しいほど鮮やかな敗北を喫します。それでも走り出した田西は止まりません。それはきっと田西がまだ少年の心を失わずにいるからなのでしょう。田西はどこへ走って行くのか、そして走りきることができるのか。非常にヘビーな描写も多いですが、読後の爽快感は保証します!
作者:花沢健吾
出版社:新潮社
掲載誌:ビッグコミックスピリッツ(小学館)
連載開始:2005年
巻数:全10巻