街角でぶつかって始まる恋。実際に体験した漫画・ドラマのベタな展開「書店で本を取る手が重なる」「バナナの皮で転倒」
転校性が幼なじみで恋が始まる。会議の日におばあさんを助けたために大遅刻、ところがおばあさんはその会社の会長だった……。こんなベタな展開、漫画やドラマですらもうなかなか使われないぐらいですよね。しかし、使い古されたそのシチュエーションが現実に起きたらどうでしょう? そこで社会人男女に「漫画・ドラマのようなベタな展開が現実で起こったことがありますか?」という質問をしてみました。
■漫画・ドラマのようなベタ展開が現実で起こったことがありますか?
はい……54人(23.0%)
いいえ……180人(77.0%)
8割近くの人が「いいえ」と答えました。漫画などではベタでもリアルでは起こらないという不思議な現象。では作者たちはどこからあんなシチュエーションを持ってきたのでしょうか……。それもまたファンタジー?いやいや、2割の人は「はい」と答えています。ということで、「はい」と答えた経験者の貴重な体験談を見ていきましょう。
■恋の予感……?
・「電車で壁ドン」(男性/28歳/医療・福祉)
・「会社の人と帰っているときに頭をポンポンされた」(女性/21歳/自動車関連)
・「書店で同じ本を取ろうとした」(女性/24歳/食品・飲料)
・「放課後、中学の校門で他の生徒がいるのに大声で告白された」(女性/20歳/医薬品・化粧品)
・「口の横に付いたごはんつぶを女子がとってくれた」(男性/37歳/機械・精密機器)
いずれもテレビを通して何度も観たシチュエーション。「壁ドン」「頭ポンポン」は、受ける女性側の気持ちで話がガラリと変わってしまいます。最後の「ごはんをとってくれた」人は、そのあとのごはんの行方が気になります。
■類まれなるおっちょこちょい
・「バナナの皮を踏んですべって転んだ」(女性/37歳/商社・卸)
・「学校に遅刻した日に先生も遅刻してきたこと。怒られずにすんだ」(男性/30歳/学校・教育関連)
・「ランドセルを忘れて登校」(男性/25歳/団体・公益法人・官公庁)
・「自転車に乗って脇見をしていたらドブに落ちた」(男性/50歳以上/建設・土木)
漫画・ドラマなら主役を引き立てる脇役が演じそうなシチュエーションばかり。「自転車でドブに落ちた」人は、まさか手にざるそばの器を高く積んでいたわけではないですよね?
■まさかの一攫千金?!
・「宝くじに当たった」(男性/50歳以上/その他)
・「知らない遠い親戚が亡くなって大金の遺産が突然自分の口座に振り込まれた」(女性/36歳/医療・福祉)
・「ベタな遺産相続のごたごたが我が家で起こった」(女性/31歳/その他)
一攫千金はベタだろうが、何だろうがうらやまし過ぎます。「遠い親戚の遺産相続」は晴天の霹靂。嬉しいんだか、悲しいんだか戸惑いますね。一方、同じ相続でも「ごたごた」は漫画などではサスペンスに発展しますが、そうなっていないことを祈ります。
■これぞ漫画
・「教室の扉で、入ってくる女子と出ていく自分が鉢合わせしてぶつかってしまった」(男性/50歳以上/電機)
・「目の前で女性の水着が取れた」(男性/34歳/情報・IT)
・「電車の中で将棋倒しになり、前のかわいい女性の口紅がシャツについた」(男性/49歳/通信)
・「パンをくわえた女子学生を見た」(男性/35歳/団体・公益法人・官公庁)
ベタ中のベタ、しかしこれも現実で起こったこと。もはや使い古されて創作で使うのもためらわれるシチュエーションですが、いずれもリアルで体験したなら「漫画かよ!」とつっこみたい欲求にかられますね。
さて、いずれ劣らぬベタっぷりに、こんなことが現実に起こるのか、と感動すら覚える調査となりました。珍しいこと、斬新な出来事もいいですが、どこかで見たシチュエーションを実際、経験するのは作り話っぽくなくて、温かみがあります。筆者の私を含め未経験の人たちは、いつベタが落ちているか分からないので、敏感にアンテナを立てておきたいものです。
文 佐藤充
調査機関:2015年10月
アンケート:学生の窓口調べ
集計対象件数:社会人234件