【海外の大学生事情】アメリカの大学生が選挙のボランティアを一生懸命行うのはなぜ?
2016年にはアメリカの大統領選挙が行われます。すでに一部の有力候補が舌戦を始めていますね。さて、この選挙ですが、アメリカと日本の大きな違いはボランティアの参加だといわれます。アメリカではボランティアによって選挙が支えられ、そこには大学生も多く参加しているのです!
日本の選挙では、選挙事務所でアルバイトを雇って電話かけをさせたり、演説会の会場手配などを行います。また仕事でなくても「付き合い」でその選挙事務所で働く人が多いのが現状です。
しかし、アメリカの選挙では多くのボランティアが参加します。アメリカの選挙事務所には多くのボランティアが自主的に訪れ、事務所員の指示に従っててきぱきと仕事をこなします。驚くのは、自分の仕事が終わってから事務所を訪れる人、退職した人のほか、自分の仕事を休んでボランティアに参加する人までいることです。
この選挙のボランティアの中には大学生が多くいます。これはなぜでしょうか? 理由は以下のようなものです。
●ボランティアに対する意識が高い
●選挙に積極的に参加するという意識が高い
●大学の単位になる
まず、アメリカでは「ボランティアに参加すること」に意義を見いだす人が多いのです。これは子供のころからそのような教育を受けていることが背景にあります。子供のころからさまざまなチャリティー、ボランティア活動に参加しているため、「よし、やってみよう」という意識が高いのです。
次に、そのボランティア精神に「自分たちの代表を選ぶイベントだから」という目的意識が加わり、その参加意欲を高めるのです。アメリカでも政治に無関心な層は多いですが、こと大統領選ともなれば、「そこに参加したい」「自分たちの努力を成果にしたい」という人が多くボランティアに身を投じるのです。
最後の「大学の単位になる」は、説明が必要ですね。これは大学にもよるのですが、選挙ボランティアで活動を行いリポートを提出すると、それで単位がもらえるという場合が多いのです。大学生にとっては、単位取得にもなるし、選挙にも参加できるしの一石二鳥というわけです。
選挙活動を身をもって経験することは学生の教育になると考えているのですね。これは日本にはない視点ではないでしょうか。
また「政治に興味があり、将来政界で働きたいといった動機がある」大学生はもちろん積極的に選挙ボランティアを行います。アメリカでは「こんにちは。私にも何か手伝わせてください」といって選挙事務所に行くことができる「気安さ」もあります。選挙に参加することの意識の高さが、ボランティア事情にも表れているのですね。
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(高橋モータース@dcp)