『ちびまる子ちゃん』のブラックキャラ。地の底に突き落とす永沢君のせりふ5選
『ちびまる子ちゃん』に登場する永沢君は、決して口数の多いキャラではありません。しかし、時々登場しては一言でクラスメートを打ちのめします。彼はクラスメートのテンションを一気に下げてしまう恐ろしいキャラなのです。今回は、そんな永沢君のせりふを紹介します。
■何でそんなこと言っちゃうの? 永沢君のブラックな一言
●「みんなはいいよな……火事にならなかったんだから……」
⇒単行本10巻 その66「永沢君の家 火事になる」の巻
クラスメートの丸尾君の発案で行われることになった「永沢君をはげます会」。この会は、学級委員の丸尾君がクラスメート全員に声を掛け無理やり開いたものです。教室に集められたクラスメートたちは気まずいながらも、一人ずつ永沢君に励ましの言葉を掛けていきます。
全員に順番が回り、最後に丸尾君が「少しは元気になりましたか?」と永沢君に聞きました。すると永沢君は「みんなはいいよな……火事にならなかったんだから……」とポツリとつぶやきます。それを聞いたクラスメートの顔は蒼白(そうはく)に。みんな一気にテンションが下がってしまいました。
●「キミ字が下手だなァ。英語よりお習字通った方がいいんじゃないかな」
⇒単行本9巻 その57「まる子、花輪クンに英会話を習う」の巻
永沢君を含む数人のクラスメートは、英語を話せる花輪クンに英会話を教わります。みんなに「エクスキューズミー」という英文を教える花輪クン。すぐに他のクラスメートはその英文を覚えるのですが、永沢君だけ全然覚えられません。永沢君の覚えの悪さに、とうとう丸尾君が「足手まとい」という言葉を本人に向かって言ってしまいます。
その言葉を聞いて泣き出す永沢君。場の空気が不穏になり、花輪クンは「今日はここまでにしよう」とレッスンを切り上げます。レッスンの最後に花輪クンは、みんなに手書きで作ってきた宿題のプリントを配ります。そして永沢君にもプリントが配られたとき、彼は急に冷静になってこう言います。
「キミ字が下手だなァ。英語よりお習字通った方がいいんじゃないかな」。花輪クンの親切心を、ズバッと切り捨てた永沢君の一言です。
●「たしかこの前フグの毒で死んだ人がいたよね」
⇒単行本11巻 その75「まる子、鍋モノさわぎ」の巻
まる子ちゃんは、教室でたまちゃんと「今日のうちの晩御飯は『フグ鍋』だ」と話していました。その話を近くで聞いていたのが、永沢君と藤木君です。
「藤木君、たしかこの前フグの毒で死んだ人がいたよね」「うん、新聞にのってたね」。この二人の会話を聞いて、まる子は「毒!! 死!!」とうろたえます。陰気な二人の連係プレーが、まる子に大きなダメージを与えました。
●「ひょっとしてキミ、今のメンバーじゃたよりないと思ったんじゃないのかい?」
⇒単行本10巻 その71「まる子、きもだめしに出かける」の巻
クラスメートのはまじが肝試しを企画します。まる子もこの肝試しに参加することになるのですが、集まった男子のメンツを見て不安になります。はまじ、永沢君、藤木君など、まる子からすれば「頼りない」メンツばかりです。
そこでまる子ははまじに「もう少し参加者を増やした方がいいんじゃない?」と提案します。それを耳にした永沢君がまる子のそばに来て、「ひょっとしてキミ、今のメンバーじゃたよりないと思ったんじゃないのかい?」と意地悪に詰め寄ります。心を見透かされたまる子は焦ってごまかそうとするのですが……。永沢君の怖さが出ていますね。
●「キミはさっさとひきょうを直して、みんなにつぐなうべきだね」
⇒単行本14巻 その111「藤木のひきょうを直す会」の巻
永沢君は、クラスメートの小杉君が転んでケガをしたとき、藤木君が逃げたと言うのです。「先生を捜しに行ったけどなかなか見つからなかっただけだ」と、藤木君は説明しますが、永沢君は言い訳だと信じません。その二人のやりとりを見ていたまる子も「きもだめしのときに私を置いて逃げた!」と藤木君に文句を言います。
まる子は「藤木のひきょうを直す会」を作って、藤木君を改心させた方がいいと言い出す始末。永沢君も会を作ることに賛成と、その話に乗っかるのです。藤木君は「自分がひきょうなばっかりにみんなに面倒をかけて……」と落ち込みます。その藤木君に永沢君が一言。
「キミはさっさとひきょうを直して、みんなにつぐなうべきだね」。いくら藤木君がひきょうだからといっても、これは言い過ぎですよね(笑)。
いかがでしたか? 永沢君はけっこうひどいことを言っていますよね。しかし、あのブラックな言葉は『ちびまる子ちゃん』という作品の大事な味付けでもあります。永沢君は暗いですが、非常に魅力的なキャラクターではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)