失敗しない家の購入! 不動産のプロに聞いた、今から家を購入するなら何に注意すべき?
「家を買うのは人生最大の買い物」といわれたりしますが、今まさに家を購入しようと物件をいろいろ見ている人もいらっしゃるのではないでしょうか。現在、不動産価格は上昇していて、これは東京オリンピックまで続くのでは? と予測されています。今家を買うとしたらどんな点に注意すべきでしょうか?
中堅不動産デベロッパーの営業マンにお話を伺いました。
■住宅ローンの金利は最低水準! 物件価格は上昇している!
――今、住宅の購入を考えている人にアドバイスが欲しいのですが。
一括現金払いで家を購入できる人は少ないですよね。多くの人が住宅ローンを組んで家を購入します。
1.住宅ローンの金利状況
2.物件の価格状況
について考えてみましょう。まず「住宅ローンの金利状況」です。現在「住宅ローンの金利水準が史上最低レベル」となっています。銀行が優遇税率の利率を競っている状況がありまして、実質金利が非常に低いのです。
例えば、変動金利で「2.475%」となっていても、銀行によっては優遇金利が「1.7%」とかですから、実質金利はわずかに「0.775%」となります。これは金利水準で過去最低クラスです。先のことは分かりませんが、以降は金利が上がると考える人が多いでしょうから、住宅ローン金利から見れば今は買うのに適した状況といえるでしょう。
――なぜここまで住宅ローンの金利が安いのでしょうか?
ずばり言えば、銀行による顧客の囲い込みです。変動金利の安いうちに顧客を囲い込んでしまおうという意図があるのだと思います。
――「物件の価格状況」はどうなのでしょうか?
これは二極化しています。いい物件は高くなっています。その一方で売れ残る物件も出ていて、この場合にはデベロッパーが値段を下げて泣く泣く安く売ったりすることもあります。
――売れ残る物件とはどんなものですか?
駅遠、地形が悪いとか、ですね。
――その売れ残る物件を買うというのはどうなのでしょうか?
一つの選択肢だとは思いますが、売れ残るのにはやはりそれなりの理由がありますからね。家を購入するのは「家族」のためだと思うのです。家族がどこで妥協できるのか、あるいはどこが妥協できないのかをはっきりしておくことが大事です。
買いたい人の気持ちを全て満足させる家に出会えればそれがベストですが、そういう家を入手できる人はまれではないでしょうか。やはり、皆さんどこかで妥協していると思います。
ですから、家を購入する際には、どんな条件で選ぶか、そのプライオリティーを明確にしておくことをお勧めします。
■中古物件の購入を考えるときに注意することは!?
――中古物件の購入を考える人もいらっしゃると思います。その際の注意点とはどのようなものですか?
デベロッパーの立場からすると、「新築物件」と「中古物件」の最も大きな違いは「保証があるか、ないか」なんですよ。ですから「保証の有無」については注意してください。新築の場合には、売り主に瑕疵担保(かしたんぽ)責任が10年あり、住宅設備にもそれぞれ保証期間が設けられています。
つまり、10年間は、買い主が知らないところで、その物件に瑕疵(かし)があった場合には売り主が責任を取らないといけません。例えば、使った建材が適正なものでなかったとか、雨漏りがする、とかですね。
そういった瑕疵があった場合は「売り主の責任」でそれをリカバリーしないといけません。10年間の瑕疵担保責任は、不動産が大きな買い物であるために設けられている、いわばフェイルセーフ機構なのですが、新築物件の場合これが大きな安心材料です。
――なるほど。
最近は住宅のリノベーションブームですが、売り主が宅建業者の場合は2年間の瑕疵担保責任が付きます。しかし、それ以外では、売り主の瑕疵担保責任を免責にしている場合が多いです。ですので、購入しようと思う中古物件の瑕疵担保責任、つまり保証について確認してください。購入してから「雨漏りする」なんてことがあり得ますから。
*……普通は売買契約で売り主の瑕疵担保責任の期間を定める。
――他に注意することはありますか?
「住宅ローン控除」を利用できるかを十分確認することです。住宅ローンを利用して住宅を購入した場合には、税金を安くすることができますが、それには条件があります。特に「中古住宅」の場合には、建物の築年数等の制限がありますので、後で「しまった!」なんてことがないようにしてください。
――ありがとうございました。
住宅ローンの金利水準は最低レベルながらも、いい物件の価格は上昇傾向という悩ましい状況のようです。また、新築物件の公開件数が少ないという状況でもあります。あなたは、今家を購入したいと考えていますか? どんな物件なら買ってもいいと思いますか?
(高橋モータース@dcp)