社会人になったら知っておきたい、マネープランの基本

更新:2016/01/28

お金の知識

社会人になったら知っておきたい、マネープランの基本

社会人ともなれば、自分の収入だけで生活していくのが基本。一人暮らし、実家住まいを問わず、自分でお金をやりくりするスキルを身に付けていく必要があります。お金で困らないために、新社会人のうちから知っておきたい「お金に対する考え方」を、ファイナンシャルプランナーの森江加代さんに伺いました。

まず、新社会人にありがちな「お金の失敗パターン」を挙げてもらいました。

・収入に対して家賃が高すぎる
・なんとなく、お金を無計画に使ってしまう
・クレジットカードを作り過ぎてしまう
・必要のない生命保険に加入してしまう

こんな失敗をしないためには、どんなことに気を付ければいいのでしょうか?

【予算立てと記録の習慣を身に付ける】
限られた収入でやりくりしていくために、「絶対にやってほしい」と森江さんがオススメするのは、毎月の使い道ごとに予算を立てること。家賃や光熱費など毎月必ず発生する固定費を収入から差し引いた上で、食費、交際費、被服費、携帯電話代、趣味や習い事......など、項目ごとに予算を立てて、その範囲に収まるように努力します。項目ごとに分けてみると、収入に対する家賃の占める割合もよく分かり、家賃が高過ぎるかどうかの判断もしやすくなります。

現実的な予算を立てるためには、日々使ったお金を記録しておくことも必要です。「家計簿というほど細かいものでなくてかまいません。手帳にメモする程度でいいので、今日1日でどれくらいお金を使ったのか、確認する習慣をつけましょう」(森江さん)

実際に書き出してみると、コンビニで買うお菓子や雑誌などほんのちょっとのつもりの出費が、意外に大きな支出になっているのに気が付くこともあります。「知らないうちになくなっている使途不明金は減らすこと。そういう無駄遣いを省いて、その分自分が本当にお金をかけたいところに使う。そういうメリハリのあるお金の使い方をすることが、やりくりが長続きするコツです」(同)

【クレジットカードは収入の範囲で使う】
やりくりの基本は「収入の範囲で生活をすること」。そんなの当たり前!と思うでしょうが、落とし穴になりがちなのが「クレジットカード」。手元にお金がなくてもお買い物ができて便利な半面、本来ないお金を自分のもののように錯覚してしまうため、もろ刃の剣でもあります。

「後から支払いに追われて、何枚もカードを使ってしまう、キャッシングに手を出すなど、悪循環に陥るケースも多いです。使うときには、クレジットカードで使った分は後で返さなければならないという意識を、しっかり持って下さい」(同)

【少しでもいいから、強制的に貯金をする】
安心して生活をしていくためには、ある程度の蓄えが必要。とはいえ、余ったお金を回そうと思っても、なかなか貯金はできません。月の予算を立てるときに、金額を決めて先に貯金してしまうのがベスト。「財形貯蓄など天引きで貯金できる制度が会社にあれば、ぜひ利用しましょう。ない場合には、給与が振り込まれる日に合わせて自動で引き落とされる定期預金がオススメです。とにかく、自分のところに入る前に、簡単には引き出して使えない状態にしておくことです」(同)

金額自体は数千円でもかまわないので、とにかく「強制的に貯金する習慣」を、新社会人のうちからつけておくことがポイントだそうです。

貯金のモチベーションを上げるには、目標を持つのが効果的。「海外旅行や車など、やりたいことや欲しいものがあったら、いつまでにいくら必要なのかを計算して、そのための貯金をしましょう。早い時期から計画的な貯金習慣を身に付けることは、将来的に結婚資金やマイホームをためるときにも役立ちます」(同)

【お金について情報収集する】
最初に挙げた失敗パターンにあった生命保険もそうですが、お金に関することを、内容がよく分からないままに安易に契約してしまうのはNG。独身なのに高額の死亡保険が必要なのか?など、中身をよく確認してみると、不要なお金を払っているケースは多いものです。

「最近はインターネットでも簡単に情報収集できるので、その都度、自分できちんと内容を理解して、納得した上で契約するようにしましょう」(同)

【スキルアップで収入を増やす】

以上のように、まず新社会人のうちから目指したいのは、貯金のための習慣づくりとお金の勉強。さらに、「収入を増やす」という考え方にも注目です。

「節約するのにも限界があります。新社会人の皆さんは、これから先いくらでもキャリアアップしていける可能性があるのですから、自分の収入を上げるために努力をすることを考えてほしいと思います。自分の会社で収入を上げていくには、どういう能力を身に付け、どんな仕事をすればいいのかを考える。そのための本を読んだり、資格を取ったり、良質な人脈を作ったりといったことにも、少しずつ意識を向けられるようになるといいですね」(同)
資格のための勉強などにはお金がかかります。でも、そうした未来への先行投資のためのお金は惜しまない方がいいというのが、森江さんのアドバイス。まずは、基本的なお金の使い方・ため方を身に付けると同時に、自分なりのキャリアプランを描く。そして、キャリアを磨くために必要なお金を計画的に準備し、そこで得たスキルを収入アップに結びつけていければ理想的。お金に苦労しない社会人になるために、少しずつ実践していきませんか?

取材協力:ファイナンシャルプランナー 森江加代氏

http://profile.allabout.co.jp/pf/morie/

文●永井祐子(エフスタイル)

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