「問い続けること」が、成功への近道。課題に対して疑問を投げかけてみよう!『プレゼン思考』#Z世代pickブック
こんにちは! Z世代ブックピッカーの松宮しずくです。
「正しい(本質的な)課題設定」と「目指すべきゴール設定」の両方を、よりカンタンに行う思考法、気になりませんか?
今回は、1万回以上のプレゼンをしてきた広告業界のプロ・小西利行氏の著書『プレゼン思考』(かんき出版)の「ビジネスの「ゴール」を決める 新時代の「ビジョン」を提案しよう」より抜粋してお届けします。
「問い続けること」が、成功への近道
前章で、「安易なゴール設定が、ビジネスをダメにする」「いきなりアイデアを探すのではなく、本質的なゴールを見つけることから始めるのが、良いアイデアを考える最良の道筋」だと述べました。
では、「安易なゴール」を避け、目指すべき「本質的なゴール」を設定するには、どう考えればいいのでしょうか?
この答えのひとつとして、前章では、「本当にその未来に生きていたいか?」と問い続ける方法をお話ししました。まさに、良質な「問い」を生むことが、本質的なゴールへの近道だからです。たとえば、スタートアップ企業ではとにかく「つくりながら問う」ことで安易なゴールに縛られないようにしています。机上の議論に終始せず、研究し、つくり、検証し、失敗し、悩み、壊し、またつくる。それを繰り返すことで、最初は見えなかった「本質的なゴール」を探るわけです。
ちなみに、最近よく耳にする「デザイン思考」も概ねこのスタイルを指します。観察、課題設定、プロトタイピング、検証を繰り返すことで、本質的なゴールに向けた開発を、「つくりながら」していくからです。
ただし、デザイン思考はなかなか扱いが難しく、うまく成果が出せない企業も多いと言われています。おそらくその理由は、観察や検証から導く「課題設定」がうまくできず、結果的に間違ったゴールへ向けたプロトタイピングを繰り返し、疲弊してしまうからだと思います。そこで僕は、難しいと言われる「正しい(本質的な)課題設定」と「目指すべきゴール設定」の両方を、よりカンタンに行う思考法を考え出しました。
その思考法が、「そもそも思考」です。
当たり前を疑い、目先の答えにしがみつかず、たとえ結論に近づいたと思っても、「そもそもさあ……」と問いを続け、あえて、ふりだしに戻ってみる思考法です。僕は、本質的な問いを生む様々な「思考法」を試し、この「そもそも思考」に行き着きました。そしてそれから25年もの間、実際に多くの仕事で使い、多くのCMや商品開発、さらに、プレミアムフライデーやホテル開発など、評価の高い実績をいくつもあげることができました。
先ほど、良質な「問い」を生むことが大切だと話しましたが、その方法こそが、この「そもそも思考」です。「そもそもこの商品がなぜあるのか?」「そもそもなぜ売れてないのか?」「そもそもこの解決策で良いのか?」と考えるだけで、安易なゴールへの呪縛を抜け、良質な問いが続けられます。正直、周りの関係者にはちょっと邪魔くさい思考法ですが(笑)、結論を急ぎたくなる気持ちを抑え「そもそも思考」をすれば、視野が広くなり、より本質的なゴールが見つかるようになります。
僕は、クライアントや上司などからオリエンを聞く場でも、報告を聞く場でも、「そもそも、皆さんは何を目指していますか?」という質問をします。さらに「そもそもなぜその商品をつくったのか?」「そもそもその商品は人を幸せにするか?」などを繰り返し、繰り返し聞きます。相手はおそらく「邪魔くさいな」と思っているでしょうし、「そんなことを聞いて意味あ生むことが大切だと話しましたが、その方法こそが、この「そもるの?」という反応もあります。でも僕は怯ひるまず聞き続けます。なぜならこの問いこそが本質的な課題とゴールを見つけ出す方法であり、後で説明する「ビジョン」の設定にとって大切な考え方だからです。そして、この邪魔くさい回り道が、結果的には成功への最短ルートを見つける方法になるのです。
安易なゴールは蜜の味がします。先人がつくったコースを歩いたり、上司から言われたように走ったりすれば責任が発生しないし、何よりラクです。きっと多くの人がその蜜に惹かれ、その道を行きたいと思うでしょう。でも、今は一歩先すら予測できない時代。安易な思考からは何も生まれないことは明白です。
まさに、「そもそも私たちはなぜ存在するのか?」「そもそも私たちは何を目指すのか?」「そもそもこの商品でどんな地球をつくるのか?」。そんな哲学のような自問自答を繰り返すことでしか、本当のゴールを見つけられない時代になったのです。
Z世代ブックピッカーの書籍レビュー
ポイントが簡潔にまとめられていてプレゼン初心者の私にとっても、分かりやすかったです!想像しやすい具体例がたくさん用いられていて読みやすい一冊となっています。所々にあるかわいらしい絵もお気に入りです!
基礎から応用まで掲載されているのでこれからプレゼンをする方、これまでたくさんプレゼンを経験してきた方など…全ての人におすすめできる一冊です!

『プレゼン思考』
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