木戸大聖「事務所に所属したくてもできない一番つらかった時期」#18歳のころ

編集部:あこ

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著名人の方々に、自身の18歳のころを振り返っていただく連載企画“18歳のころ”。大人と子供の狭間でもある18歳は、未成年から成年年齢に変わる歳でもあり、多くの人が高校を卒業して新しい道を歩むタイミングでもあります。憧れのあの人の18歳のころを知ることで、これからの人生を送る上でのヒントを見つけられるかもしれません。

今回は映画『きみの色』で声優に初挑戦した木戸大聖さんが登場。夢に向かってとても忙しく過ごしていたという18歳の頃を振り返っていただきました。

▼磯村勇斗さん、木全翔也さん、杉野遥亮さんが登場!
学生の君に伝えたい3つのこと

木戸大聖の18歳のころ

――18歳の頃を振り返って、印象に残っていることはありますか?

大学1年のときは、お芝居のレッスンに毎週通っていました。お芝居を始めたてで、もう右も左もわからないで一から学んでいた時期でしたね。週2回くらいのレッスンとワークショップに行っているだけだったので、もう一個熱中できるものを作りたかったのと、もともと部活をがっつりやってきたのでまたスポーツをしたくなって、部活でラクロスを始めて、その2つを両立していました。

――すごく忙しかったでしょうね。

忙しかったです。ラクロスはめちゃくちゃ朝が早くて始発で行くのが普通で、それが大変でしたね。サッカー部や野球部が日中のいい時間に練習場所を使うので、肩身が狭い中やっていました(笑)。でもだんだんともっともっとお芝居というか、お仕事をしていきたいという気持ちが強くなって1年ちょっとくらいで辞めさせてもらって、お芝居一本に絞りました。

――20歳で成人してから、大人になったなと感じたことはありますか?

いろんなチケットが大人料金になっていくこと(笑)。小さいことかもしれないですけど、学割って絶対にきくものだと思っていたじゃないですか。あと10代って言えないんだなというのにも寂しさを感じて、成人になったのを実感しました。

――当時の自分に何か言葉をかけるとしたら、どういったことを伝えたいですか。

今思い返しても事務所に所属したくてもできない18、19歳の2年間というのは、正直一番きつかった時期で。そこに確約されたゴールはないし、どうなるかもわからない中、とりあえず突き進むしかないという先の見えない不安はすごくあったんですけど、下積みや悔しい思いを経験できたのはよかったなと思っているんです。そして今こうやってお仕事をやらせてもらっているからこそ、「大丈夫だから、今はキツいだろうけど頑張って」と言ってあげたいですね。

18歳は失敗が許されて、それが糧になる年齢

――木戸さんから18歳の読者へ、エールをお願いします!

今回の映画『きみの色』のテーマでもある好きなことを追いかける上で、そこに引っかかってくる悩みや葛藤は誰しもあるけども、やらない後悔をするくらいだったらやって失敗してもいいから、とりあえず行動してみるのが大事だと思います。人生は一度きりだし、究極ですけど、死ぬ直前に今の年齢を思い返したときに「あれをやっておけばよかったな」じゃなくて「あれをやってよかったな」と思える最後がいいと思うんですよね。18歳はまだ失敗が許されるし、それが糧になる年頃だと思うので、気になることがあるんだったら行動してみてくださいと伝えたいです。

山田監督の最新作ということで前向きに挑戦した

――8月30日に木戸さんが声で出演された映画『きみの色』が公開されます。今作が声優初挑戦となりますが、出演の経緯を教えてください。

オーディションだったんですよね。これまで一度も挑戦したことのないジャンルのお仕事だったし、山田(尚子)監督の作品は過去にも観ていた中で、その最新作のオーディションを自分にも受ける権利があるんだと思ってワクワクしたので、すごく前向きに挑戦させてもらいました。受かったときはすごく嬉しかったです。

――作品について、魅力を感じた部分を教えてください。

(鈴川紗由さん演じる)トツ子、(高石あかりさん演じる※高ははじごだか)きみ、(木戸さん演じる)ルイがそれぞれ持っている好きなことをやりたい気持ちと、この年齢ならではの現実的な悩みに葛藤する部分は共感するし、面白いなと思いました。そして台本を読んだときには想像もつかなかった山田監督ならではの色彩豊かな感じや、牛尾(憲輔)さんが作った音楽のテンポ感はこの映画のとても大きな魅力で、見どころかなと思います。トツ子から見えたきみちゃんの青やルイくんの緑って台本では言葉しか書かれてなかったけど、その一言で表現するにはもったいないくらいキレイな色でしたし、最後のライブのシーンは本当にキャッチーでテンポ感がいい、口ずさんでしまうような素敵な音楽が使われていて。それも山田監督のこだわりで、すごくカッコいい音楽ということではなく、あくまでこの3人が作った歌として作られていて、それがすごくかわいらしいんです。そこはもうぜひ劇場で、大きなスクリーンで観てもらいたいですね。

――作中で登場した楽曲の中で、木戸さんはどの曲がお気に入りですか?

「水金地火木土天アーメン」かな、やっぱり。最初台本で読んだときに歌詞がよくわかんなくて(笑)、曲を聞いたらこんなにキャッチーだったんだ!と思いました。

監督から実写化したような3人と言ってもらえたことが自信につながった

――今回演じたルイはどんな人物だと思われますか?

非常に優しくて物静かではあるけども、音楽が大好きで、好きなことにはどんどんハマっていって。そういうふんわりした感じがトツ子やきみちゃんからしたら居心地がいいんだろうなと思います。

――ルイの声については、どんなリクエストがあったのでしょうか?

もともとオーディションの段階で監督が「ゴールデンレトリバーのような、ちょっと優しい大型犬のイメージで」ということをおっしゃっていて、それが自分の中で「ああ、なるほどな」と思えたというか。例えた表現を使っているんですけど、僕にとってはわかりやすくて、自分の中にある大型犬のイメージを出して演じましたね。

――収録の中で印象的なことはありますか?

3人が夜にお互いに悩んでいることを話すシーンがあるんですけど、そのしっとりした感じを出すためにあえて実際に座ってみたり、部屋の照明をちょっと暗くしたり、現場の雰囲気をなるべく作中に近い状態で収録するという試みをしましたね。みんなそれぞれ役者をやってきている分、体でそういう状態を作ったり、五感で感じられるほうがやりやすい部分はありました。

――もともと山田監督の作品はご覧になっていたとおっしゃっていましたが、どういったイメージを持っていましたか?

『聲の形』はこのオーディションを受ける前から観ていて、その後に『平家物語』や『けいおん!』を観させていただいたんですけど、みんな葛藤していたり、悩みを持っている中にかわいさがあるというのはどの作品を観ていても印象的でした。監督と初めてお会いしたときに監督自身がすごくかわいらしい方だなと思ったので、そこが作品と繋がるというか、納得する部分がありましたね。監督はとにかく僕ら3人のことを「本当にトツ子、きみ、ルイが実写化したかのような」と言ってくださっていて、そこで選んでもらえたことにしっかり自信を持ってやろうと思えましたし、そんなにありがたい言葉はないなと思います。

――完成した作品をご覧になった感想を教えてください。

普段ドラマや映画の初号を観たりするし、だいぶもう慣れてきたと思っていたんですけど、今回はもう全然違いましたね。「ヤバい、自分のシーン来る」みたいに思ったり、劇場に自分の声が響き渡っていると考えるともう体温がどんどん上がって、汗をかいていました(笑)。

不安と緊張を感じることは正常だと考えるようにしている

――今回作中の3人から学びを得たことはありますか?

やらなかったり、言わなかった後悔や気持ち悪さはずっとモヤモヤして残るけど、言ってみたり、やってみたりして失敗したりすることは絶対に何か生きてくるということですね。そして自分が今やりたいお仕事、好きなお仕事をやらせてもらっている中で、やっぱり悩みはあって、当たり前のことだけど、それをちゃんと吐き出すようにしようと思ったというか。それは年を重ねるごとにどんどんできなくなっていくところで、でも今回の3人の年齢の頃ってもっともっと素直に感情を出していたな、言いたいことを言っていたなと思うんです。ですから、大人にはなっていくんだけども、正直になるところは正直になったほうがいいなと改めて思いました。

――では『きみの色』は木戸さんにとってどんな作品になりましたか?

僕は役者としてどの仕事もすべてが繋がっていくし、糧になるという考え方をしているので、今後もいろんなジャンルのお仕事をやっていきたいと思っている中で、今回の初めての声優業というのは、特に山田監督は人物の感情の変化やちょっとした表情だったり、観ている人の五感に訴えかけてくるところを大事にされているので、これを経てこれからドラマや映画、舞台をやり続けていくときに非常に生かしていけるなと思いました。今回は声で表現しなきゃいけない中で「自分ってこういう声の表情が出るんだな」という気づきもあったりしたので、また一個役者として成長させてもらえた大きな作品ですね。

――そういった初めての挑戦をする前はワクワクしますか?

もちろんワクワクはベースとしてあるんですけど、自分もアニメを観てきている中で「声優さんたちってすごいな」と思っているから、それを自分ができるのかなということや山田監督なり、スタッフさんたちが時間をかけて作り上げてきたものに、僕らが声という形で魂を吹き込むとなったときの責任感もすごく感じたので「ここでダメにしちゃいけないな」という思いもあったんです。なので、どっちかというと始まる前は不安のほうが大きかったかもしれないです。

――そういった不安や緊張感はいいものに変えようと考えるのか、または事前にできるだけ払拭しようと考えますか?

新しい作品に入れば絶対に不安と緊張はあるので、最近は自分がそう思うことは正常だと考えるようにしています。逆に言ったら、満足しちゃって不安や緊張がなかったりするほうがすごく危険だなとも思っているんですよね。だからあえてなくそうとするんじゃなくて、これはいい状態なんだと思い込むようにしています。

――この作品のキーワードのひとつが「色」ですが、木戸さんは色という言葉を聞いて何が思い浮かびますか?

僕は「自分が何色だと思いますか?」と聞かれたときに「赤が好きだから赤系」だったり、「性格的に赤色」みたいなことは言ったりするんですけど、人それぞれいろんな色を持っているなと思っている部分はあって、それが僕の捉え方だと感情的なところに繋がるなと思っているんですよね。だから台本をもらったときに、そのシーンのイメージで蛍光ペンを引く色を変えたりしていて。あと(人が色で見える)トツ子に近いもので言ったら、新しい役に挑戦するときに「この子って何色だろう」と考えて自分の思う色でセリフに色を塗ることはやっていたりするので、色はもちろん個性でもあり、感情でもあるなと思っています。

木戸大聖さんから学生のみなさんに手書きのメッセージ!

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PROFILE

木戸大聖

1996年12月10日生まれ。福岡県出身。「僕たちがやりました」(17)で俳優デビュー。主な出演作に『大怪獣のあとしまつ』『メイヘムガールズ』(22)、『先生!口裂け女です!』(主演/23)、ドラマ「僕たちの校内放送」(主演/23)、「ゆりあ先生の赤い糸」(23)、「9ボーダー」(24)などがある。現在はドラマ「海のはじまり」に出演している。

映画『きみの色』2024年8月30日(金) 全国東宝系公開

わたしが惹かれるのは、あなたの「色」。
高校生のトツ子は、人が「色」で見える。嬉しい色、楽しい色、穏やかな色。
そして、自分の好きな色。
そんなある日、同じ学校に通っていた美しい色を放つ少女・きみと、音楽好きの少年・ルイと古書店で出会う。
周りに合わせ過ぎたり、ひとりで傷ついたり、自分を偽ったり―
勝手に退学したことを、家族に打ち明けられないきみ。
母親からの将来の期待に反して、隠れて音楽活動をしているルイ。
そして、自分の色だけは見ることができないトツ子。
それぞれが誰にも言えない悩みを抱えていた。
よかったらバンドに、入りませんか?
バンドの練習場所は離島の古教会。音楽で心を通わせていく三人のあいだに、友情とほのかな恋のような感情が生まれ始める。
わたしたちの色、わたしたちの音
やがて訪れる学園祭、初めてのライブ。
観客の前で見せた三人それぞれの「色」とは

https://kiminoiro.jp/

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取材・文/東海林その子
撮影/三橋優美子

編集部:あこ

編集部:あこ

食べることと寝ることが大好き。休みの日は家にこもって、ひたすら映画やドラマを見たり、漫画や雑誌を読むのが幸せ。

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