メイクアップブランド「アディクション」の商品開発を手掛けるコーセーの先輩社員に、仕事の魅力を聞いた!

編集部:ぜんや

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「将来の“なりたい自分”がまだわからない」という悩みを抱えるみなさんに、いろんな企業で活躍する先輩たちの姿を通してロールモデルを見つけてもらう企画「#先輩ロールモデル」。

今回は、【コーセー】で働く先輩社会人にインタビュー。アイメイク・リップメイク・ベースメイク製品の開発を担当している先輩社員に、仕事内容や学生時代に取り組んだことについてお話を伺いました!

プロフィール:長田 凜乃さん
2018年度入社

アイメイク・リップメイク・ベースメイク製品の開発を担当。色やテクスチャーなどの品質設計や、実際に製品の作り込みを行い、お客さまに「欲しい!」と思っていただけるようなメイクアイテムを追求している。
社会人編

――自己紹介をお願いします。

株式会社コーセーの長田と申します。2018年に入社して現在6年目です。入社から3年間は、大阪・京都・滋賀エリアの百貨店営業を担当していました。現在は商品開発部 メイクアップ商品開発課というチームに所属しており、主にメイクアップブランド「アディクション」のアイメイク・リップメイク・ベースメイクの商品開発を担当しています。担当ブランド以外にも、数年先の市場を見据えた商品の開発なども行っています。

――担当されている商品開発のお仕事の流れなど、詳しく教えていただいてもよろしいでしょうか?

商品開発部は、トレンド・市場状況を鑑みて商品の細かな品質設計や色選定を行い、その後研究所と一緒に“商品の作り込み”を進めていく、モノづくりに所属する部署です。

“商品の作り込み”についてもう少し詳しく説明すると、研究所が作った商品のサンプルを評価して、品質目標とすり合わせながら目指している品質の製品を完成させていく仕事です。商品開発部が依頼した細かい品質や色を具現化するため、研究所が様々なサンプルを制作するので、どんな商品(サンプル)だったらお客さまにより受け入れていただけるのか、ご期待を超えることができるのか、トライ&エラーを繰り返しながら品質を突き詰めていきます。

私は、主にメイクアップブランド「アディクション」の作り込みを担当しています。「アディクション」は、シーズンによって商品のテイストが変わる世界観重視のブランドで、世界で活躍する著名なメイクアップアーティストのKANAKO氏がディレクターを務めています。なので、プロのアーティストが求めるクオリティや技術を、お客さまにとって使いやすく、かつ「クール!」「かわいい!」と思っていただける品質に落とし込むことが、私にとって最大の使命です。

ブランドの商品開発以外にも、数年先を見据えた商品の開発を行うのも大事な役割です。お客さまの動向調査や市場調査、ファッションコレクションやSNSの情報などから、数年先のトレンドを予測して、「今後、こういったものが求められるのでは?」といった先を見越した商品の開発を進めています。

これらの業務を行うためには、常に市場の動向を追い、お客さまの嗜好や商品行動、市場でどんな品質や色、設計が求められているかを把握し考えることが必要です。常日頃から、他社の素晴らしい商品をチェックして、「今、市場ではこんなものが評価されている」といった情報を社内で共有することもしているので、コーセーの中でも「化粧品のことを一番理解しているプロ」であることが求められていると思います。

――今のお話を聞いていて、いろんな業務に携わったり、研究所の方などいろんな方と会話する機会があるのかなって思ったのですが、そういった中で業務に求められるスキルや向いている人の特徴があれば教えていただけますか?

おっしゃる通り、たくさんの方と関わる部署なので、自分の役割をしっかりと理解して遂行できることは大切です。それにプラスで求められるのは、化粧品への興味や好奇心を忘れないことだと思います。常に商品と向き合っている部署なので、化粧品に対してこだわりや愛情を持ち続けられることが本当に大事なことだと感じています。

また、品質評価や管理業務など非常に神経を使う業務も行うので、割とハードな側面もある仕事です。そういったところも含めて、「化粧品に携わることが楽しい!」と思える人が向いていると感じます。

――今までお仕事されてきた中で、一番印象に残っているお仕事のエピソードがあれば教えてください。

私が、商品開発部に来て初めて担当した「アディクション」のファンデーションが市場でも高評価をいただけたことが、一番印象に残っていることです。
このファンデーションは、「プロがメイクアップしたかのようなハリツヤのある仕上がり」だけど、「一般のお客さまが日頃から使いやすいテクスチャー」であるという、対極の品質を同時に求めなければならないところが大変難しい点でした。

品質の条件を決めていく段階で、KANAKO氏や商品企画のメンバーと細部をすり合わせました。例えば、一言で「ハリツヤ感」と言っても、どんな「ハリツヤ感」であればお客さまから受け入れられるか、などといった細かい品質の目標設定までも、です。

その後、研究所に作成してもらったサンプルの伸び広がりや仕上がり、化粧もちの微妙な違いを言語化・点数化し、研究所と100回を超えるやり取りをしながら細かな調整を繰り返すことで、最終的にはベストだと思えるものができました。ドキドキしながら発売日を迎えたのですが、SNSなどでもお客さまの評価が上々でとても感動しました。

――もともと営業をされていたとのことですが、営業で学んだことが今の商品開発に生かされてるなって思うことがあったりしますか?

営業は、当社のビューティコンサルタントや化粧品担当の従業員様といった店頭でお客さまと接する方々にプロモーションや販促企画を伝えなくてはいけないので、明確に企画意図や商品について理解していただけるような話し方を心掛けていました。そういった伝え方の心がけは、今の業務でも役に立っていると思います。

――印象に残ったお仕事を教えていただいたんですが、反対にこれは難しかったな、苦労したなっていうお仕事のエピソードがあれば教えてください。

Z世代の嗜好を探る市場調査と商品の考案を行ったときです。美容学校や大学のゼミにうかがって、ターゲットである学生の皆さんにインタビューをしたのですが、メイクの嗜好や目指す姿が多岐にわたっていて、共通項をつかむことに苦労しました。

心掛けたことは、ちょっとした発言の中からその真意を深掘りするために、納得するまでとにかく繰り返し質問すること。化粧品に求めることや化粧品を使うことでどんな自分になりたいか根底にある想いなどを突き詰めて聞くことで、回答の先に広がるニーズを掴むことができ、説得力のある商品の考案につなげることができたかなと思います。

――長田さんがお仕事をされていく中で、こだわりや、ここだけは譲れないっていうようなことがあれば教えてください。

プロフィールの座右の銘に「本質を探る」と書かせていただいたのですが、仕事をする上で迷ったときは、その商品を作る目的は何なのか、その商品に対しお客さまはどう思うかといった本質に立ち戻るようにしています。仕事をする上で、どうしても限られたスケジュール・条件の中で判断を下さないといけない局面が出てきますが、お客さまのことを常に考えることを忘れないようにしています。

――様々な化粧品会社がある中で、コーセーならではの強みを教えていただいてもよろしいですか?

一つ目は、挑戦者としての姿勢がモノづくりにも反映されているところです。
様々な会社が、特色を持った素晴らしい化粧品をたくさん生み出している中で、自社の強みと弱みを明確化し、常にレベルアップを図ろうとする姿勢を持ち続けていると思います。

二つ目は、少数精鋭の組織で、部署同士のつながりが強固であるところです。例えば、当社が世界で存在感のある企業へと成長するために掲げている3G(グローバル・ジェンダー・ジェネレーション)というキーワードがあるのですが、社員一人ひとりに浸透しており、どんな部署の方でも、3Gに沿ったモノづくり・お客さまづくりを意識して活動しています。少数先鋭で会社全体のつながりが強固だからこそ、こういった意識の徹底が図ることができると感じています。

三つ目は、ブランドごとの世界観が確立されているところです。代表ブランドである「コスメデコルテ」をはじめ「アディクション」「ジルスチュアート」「ヴィセ」「ファシオ」「雪肌精」など、どのブランドも、それぞれそのブランドでしか表現できない世界観を持っていて、その世界観を確立しながら成長しているところが強みだと思います。

――実際にコーセーで働いてみて、どのような人が働いているのか、社内の雰囲気を教えていただいてもよろしいですか?

短い期間で様々な方と協力し商品を作っていかなければならないので、周囲に助けを求められるし、かつ周囲の声に耳を傾けられる人が多いです。
化粧品が好きだったり、好奇心旺盛でハングリー精神がある社員が多く、そういった人の方がより活躍している印象です。経験を積めば積むほど、自分のやり方や考え方が凝り固まってしまいがちだと思いますが、コーセーで活躍している方々は、常にオープンな雰囲気で、ディスカッションをしながら、こっちのサンプルの方がいいかな?このプロモーションの方がいいかな?と、色々な人の声を取り入れつつより良いものを作ろうとしている方が多いと感じます。

学生時代編

――どのような学生時代を過ごしていたか教えてください。

とにかく色々な国を旅行していた学生時代でした。国際系のサークルに入っていたこともあり、留学生の友達が多かったので、友達に会いに行く感覚で30カ国ほど旅行しました。お金がない中、頑張っていたと思います。(笑)自分の知らない初めての土地・世界に足を踏み入れることにとてもワクワクして、旅行が大好きでした。

――学生時代に1番、これだけは頑張ったというエピソードがあれば教えていただいてもよろしいですか?

一年間、アジア人の少ないアメリカ南部の地域へ留学に行ったことです。人種的にマイノリティで、かつ日本やアジアに対する興味・知識が少ない環境で日常生活を送る経験が初めてだったので、人間関係の部分でかなり苦労しました。

自分のアイデンティティを悔いる瞬間もあったのですが、イベントや授業などを通して、現地の学生や他国の留学生と友達になることができ、自然とお互いの考え方や文化を受け入れ、楽しめるようになりました。

みんなでそれぞれの出身国の料理を作って持ち寄ってパーティーをした思い出を、今でも色濃く覚えています。今思い返すと、「自分を受け入れてもらう」のではなく、「相手に興味を持って理解すること」で乗り越えられた経験だった、と思います。

――コーセーに入社した決め手や理由を教えてください。

一つ目が、ジャパニーズコスメの良さをもっと世界中に届けたい、と思ったからです。コーセーは、独自の世界観を確立したクオリティの高いブランドが多い印象があったので入社を決めました。

二つ目が、これが決め手として結構大きかったんですけど、自分でキャリアを組み立てられる会社だと思ったからです。実際に、商品開発部に関しても、人材を募集している部署へ立候補できる「公募制度」を活用し異動しました。私が就活している時に面接してくれた先輩も、こういった制度を使って、自分の希望の部署に異動している方が多かったです。働いていく中でやりたいことや興味が移ることは大いに考えられることなので、自分自身でキャリアを組み立て志望できる制度、そして実際にそれを活用している人が多いという点が、とても魅力的に映りました。

――学生生活や就活前にやっておいて良かったなと思っていることがもしあれば教えていただいてもよろしいでしょうか?

とにかく自分の可能性を狭めずに、今興味を持っていることに挑戦できる環境に身を置いたほうがいいと思います。興味をもつ分野は、授業やバイト、インターン、サークル、趣味など、どんなものでも大丈夫です。社会人になると好きなことに挑戦できる場面が減ってくるので、今のうちに本当に興味があることや得意なことに色々とトライして、存分に迷ってみてください。

――最後に長田さんから大学生に向けてのメッセージをお願いします。

就活の時期ってとても不安で、毎日「何かやらなきゃ」と追われているような時期だと思います。でも、そんな中でも本当に自分がやりたい事を追い求められるのは今しかないと思うので、いろんな可能性を自分自身で試してみて、就活を進めることが大事だと思います。

化粧品業界は、「女性が多い」「化粧品を愛してやまない人が多い」といったイメージがあると思いますが、実際はそうとも限らず、「ちょっと興味を持った」ということをきっかけにして入社を決める社員も多いです。少しでも興味がある方は、ぜひ会社の情報などをチェックしてみてください!


取材:清水 碧
編集:学生の窓口編集部
取材協力:株式会社コーセー

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活字中毒の中年編集者です。暇さえあれば本やウェブコンテンツを読み漁っています。 文章や言葉で読者を楽しませたり、悩みに寄り添い勇気づけられるよう、日々悪戦苦闘しながら言葉を紡いでいます。

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