Kevin's English Roomが“春からの君に伝えたいこと”「わからないなりに“とりあえずやってみる”という感覚は大事」
人生の先輩である著名人の方々から、春から新生活、新しい学年が始まる大学生のみなさんに、エールを送る「春からの君に伝えたいこと」。
今回のゲストは、3月31日に公開されるアクションファンタジー映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』で吹替に初挑戦した人気インフルエンサー、Kevin's English Room(ケビン、かけ、やま)のみなさんです。
YouTuber、TikTokerとして活動している動画クリエイター(YouTubeのチャンネル登録者数は190万人超え!)でもあり、「掛山ケビ志郎」として音楽活動も行っている彼らに、新生活に向けて頑張る学生のみなさんへエールを送っていただきました。
▼杉野遥亮さん、もーりーしゅーとさん、莉子さんが登場!
学生の君に伝えたい3つのこと
Kevin's English Roomが<春からの君に伝えたいこと>
1.新歓や体験入部はめんどうでも行っておいた方いい
ーー 春から新生活を迎える学生がやっておいた方がいいと思うことはありますか?
ケビン:新大学生かぁ。う〜ん……(と考え込んで)。
かけ:俺たちロクな大学生じゃなかったから(笑)。
ケビン:本当に。偉そうなこと言える立場じゃないよね。
ーー みなさんはどんな大学生だったんですか?
かけ:僕は「なるべく楽に卒業するにはどうしたらいいんだろう」っていう、よく言えば効率重視な……(笑)。
やま:(笑)。でも、計画を立てていたってことですもんね。
ケビン:確かに、すごくいい言い方をすればそうかも。
やま:大学の4年間って意外とイメージできないけど、やっぱりいかに効率よく単位をとって、効率よく卒業するかって考えていると意外とスムーズにいくじゃん。それがないと、いなくなっちゃったりとか……(笑)。
ケビン:“学生がやっておいた方がいいと思うこと”なんですけど、これどうでしょう? 大学生活って友達や知り合いがいるって結構大事になってくると思うんですけど、最初がいちばん友達を作りやすい時期だと思うんですね。なので、サークルの新歓とか、体験入部とか、ちょっとめんどくさくても頑張って行っておいた方が、のちのち「あそこで頑張っておいてよかったな」って思える時が来るかもしれないですね。もうコミュニティができちゃってたりすると、新たに入りづらくなったりすると思うので、最初が肝心ということで。
2.大学時代は物事を深める時間に
ーー 学生のうちに観たり聞いたりしてほしいモノはありますか?
かけ:具体的なコンテンツとかではないんですけど、僕の場合、なにかひとつのことに特化する活動みたいなことがあったんですけど、それはあってよかったなと思いますね。僕の場合はサークルの活動だったんですけど。
ーーアカペラのサークルですよね。みなさんが出会われたという。
かけ:そうですね。アカペラを頑張ったわけではないんですけど、そのサークルの仲間たちといろんな経験をしていったところがよかったかな、と思うので。
やま:「アカペラは頑張ってないけど」って……(笑)。
全員:(笑)。
やま:何をやってたんだ(笑)。
かけ:アカペラは全然頑張ってなくて、アカペラの練習ではなく、練習するはずだった時間に友達と遊んでる、みたいな感じだったんですけど(笑)。でも、それを経て、イベントの企画だったり、それ以外の活動に繋がっていったりしたんです。そのコミュニティの中の活動を頑張った感じがあったので、それは自分の経験的にはよかったなと思いました。大学時代が、広く浅くというよりは、なにかこう深める時間だったというか。
3.わからないなりに“とりあえずやってみる”
ーー ご自身が何か新しいことを始めるときに、「やっておいてよかったな」と感じること、または心がけていることなどはありますか?
やま:やっぱり、いろいろ考えて、できる準備はした方がいいと思うんですけど、結局のところはわからないじゃないですか。新しいことを始めるときに、周りにどんな人がいるかもわからないし、どんな経験ができるかもわからないから、なるべく考えすぎないでというか、とりあえずやってみるとか、とりあえずその輪の中に入ってみるとか、わからないなりに“とりあえずやってみる”っていう感覚は大事にしてるかな。というか、それしかないんですけど(笑)。準備が活きることは絶対にあると思うんですけど、僕の場合、あんまり予想も当たらないし、準備していっても基本的にハズれるんで(笑)。準備をしていくことは準備していくけど、それはそれとして、あんまり作り込みすぎない感じでいるぐらいがちょうどいいのかなって思います。
恥ずかしさとドキドキする気持ちの間の初めての感情を経験した
ーー 最初に本作の吹替のオファーがあったときはどう思いましたか?
かけ:「え、ウソでしょ?」みたいな感じでしたね。
やま:「え、オレら?」っていう。ビックリしたというのが素直な感想ですね。
ーーでもやってみようと思ったのはなぜですか?
ケビン:まあ、「面白そうだったから」っていうことですかね。
やま:そうだね、やったことのないことだったし。
ーー 吹替への初挑戦はいかがでしたか?
ケビン:実際に映画で流れる一言ひと言って一瞬だと思うんですけど、その一言にものすごい時間をかけて、いろんなパターンで録ったりして、「こんなふうに言ったらどう?」「こんなふうに言ったらどう?」っていうのを繰り返す、っていうすごい努力が裏にはあったんだなって感じましたね。
かけ:もちろん録音したときもすごくいろんなアドバイスをいただきながらやって、大変ながらも楽しかったなっていう感じだったんですけど、今日初めて完成版を観させていただいて、やっぱりドキドキ感というか「うわ、今から自分の声が流れちゃう!」みたいな気持ちになって。恥ずかしさとドキドキする気持ちの間の初めての感情を経験して「なんかすごいな、こういう気持ちになるんだ」と思いました。
ーー 実際スクリーンから自分の声が聞こえてきた時はどんなふうに感じたんですか?
かけ:「あぁ、聞きたくない!」ってなりました(笑)。他の2人の声はすごいなじんでるなって思ったんですけど、やっぱ自分の声だと「うわ〜っ!」となりました。
ケビン:それはみんなそうかも。自分の声は「うわーっ!」ってなるけど2人は別にいいじゃん、みたいな。なじんでたじゃん、って。
やま:僕の場合はセリフが多かったし……ある意味ですけど(笑)。何かを演じたりすることもほとんど初めてだったので、それがすごく面白くて楽しかったですね。自分が画面に映っているわけではないけど、画面に出てくる死体にどう合わせるか、みたいな。
ーー やまさんは死体イエス役ですが、他のお2人はどんな役柄だったんですか?
ケビン:僕はジャーナサンっていう役で。主人公の2人が刑務所から出られるか出られないか、その運命を左右する鳥人間役です。
かけ:僕は、そのときにいた陪審員のひとりでドラゴン人間のノリジウス役ですね。
ーーみなさんすごく自然になじんでいらっしゃって、まったく違和感がなかったです。
ケビン:そう言っていただけると嬉しいです。
かけ:でも、僕は「僕だ」って思いました。
コメディ要素が強くて面白い冒険作品
ーー初めて本作を観た時の率直な感想は?
ケビン:結構満足度が高かったですね。あと、もともと思っていた印象よりコメディ要素が強くて面白かったです。
かけ:自然に笑っちゃうシーンが結構多いと思うんですよね。ストーリーはすごく王道の冒険ものみたいな感じなのに笑えるシーンがたくさんあるので、観ていてすごく楽しかったです。
やま:死体のイエスのシーンとかね(笑)。
かけ:そうだね。でもあそこはやまちゃんのことで頭がいっぱいだったから、逆に笑えなかったけど(笑)。
やま:でもホントに、観終わったあと爽やかな気持ちになるというか、よかったなって思える映画だなって思いましたし、観ていて楽しかったです。
ーー 特に苦労したところなどはありましたか?
ケビン:演出の依田孝利さんにすごく丁寧に指導していただいたんですよ。で、「もっと鳥っぽくやってみよう」って言われて。
全員:(爆笑)。
ケビン:「どうやってやるの?」って思いながらもやったんですけど、いろいろとアドバイスしていただけたので、それに沿って「じゃあ、ちょっとこんなふうにやってみます」って言いながら、調整しながらやっていった感じですね。
ーー試行錯誤しながら……。
ケビン:そうですね。もっと動物感が出るように……。
やま:“鳥の役作り”ってなんだろう(笑)?
かけ:僕もいろいろアドバイスしていただいたんですけど、僕がやったのはドラゴン人間だったので、低くて太い声を出さなきゃいけなかったんですね。なので、やってみて「もうちょっと太い感じで」って言われたんですけど、僕、もともと結構声が高いというか、響きが軽いタイプで、重い声が思ったより出なくて。何回も「あ、なんか違うな」みたいな感じで、頑張って重い声を出しました。
ーー 試行錯誤して、重い声を出せたんですね。
かけ:そうですね。でも、完成作を観て「もうちょっと重い方がよかったな」って(笑)。そんな反省点もありつつ、でも的確に指示してくださって導いていただいたという感じでした。
ーー やまさんはいかがですか? 死体の役作りは……。
やま:そうですね。やっぱり役作りが肝心なんで。
かけ:確かに。前日から寝っ転がってたもんね。
やま:何も食べなかったしね(笑)。いやいや、ウソですけど。僕は声優さんではないので、いろいろ教えてもらいながら、わからないなりに工夫をしたって感じなんですけど、僕はセリフが「はい」しかないんですよ。
ーーそれって逆に難しそうですね。
やま:そうですね。だから、声の種類というか、どんな「はい」がいいか、みたいなのがあるじゃないですか。それを「こんな感じですかね?」って言いながらやった感じでした。そしたら「それはそれでいいね」みたいなことを言われて。それは……褒められてる?って(笑)。予定とはちょっと違ったのかなって思ったり。
ケビン:でも、何パターンかやって、結局「それはそれでいいね」って言われたものが採用されてたよね。
やま:うん。
ーーまたやってみたいですか?
全員:(口々に)機会があれば(笑)。
ケビン:なかなかないですからね。
ーー 次にやってみたい役はありますか?
やま:オレは決まってるな。
ケビン:なに?
やま:実写版・死体。
ケビン・かけ:(爆笑)。
ケビン:僕は『フルハウス』(アメリカのテレビドラマ)みたいなシチュエーション・コメディの吹き替えをやってみたいです。もちろん英語でもやってみたいですけど、吹き替えでやるんだったら、そういうコメディー系の映画……、『テッド』とか、『ハングオーバー!』シリーズとか、そういうコメディ系のものをやってみたいな、楽しそうだなって思います。
かけ:僕はアニメとかマンガが好きなので、マンガのアニメバージョンとか、映画バージョンとか、あとはゲームの声のSE(サウンド・エフェクト=効果音)にもちょっと興味あります。たとえば、バトル系のゲームでやられたときの「ウッ!」とか(笑)。
ケビン:マニアックだな(笑)。
Kevin's English Roomの三人から学生のみなさんに手書きのメッセージ!
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PROFILE
Kevin's English Room
アメリカ生まれバイリンガルの「ケビン」、チャンネルの企画ネタを担当するIQ140の「かけ」、英語に加えフランス語も話せるトリリンガルの「やま」からなる3人組ユニット。英語や海外文化に関する動画をメインで発信している。現在YouTubeチャンネル「Kevin's English Room / 掛山ケビ志郎」の登録者数は193万人(2023年3月15日現在)を超えている。
『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』3月31日(金)全国公開
様々な種族、モンスターが生息する世界、フォーゴトン・レルム。盗賊のエドガン(クリス・パイン/吹替・武内駿輔)と彼の相棒である戦士のホルガ(ミシェル・ロドリゲス/吹替・甲斐田裕子)は、闇の組織に仕える超ヴィランたちに殺されたエドガンの妻を生き返らせるため、さらわれた娘を助けるために旅にでる。そんな二つの目的を遂げるためには、特殊能力を持った仲間と、運命を握るアイテムが必要とわかる。そこで、二人は名家出身の魔法使いサイモン(ジャスティス・スミス/吹替・木村昴)と自然の化身のドリック(ソフィア・リリス/吹替・南沙良)、そしてある秘密を知る聖騎士のゼンク(レゲ=ジャン・ペイジ/吹替・中村悠一)とパーティを組むことに。
決してヒーローではないアウトローたちが全世界を脅かす超ヴィランの陰謀に対峙することになる。
取材・文/東海林その子
撮影/三橋優美子