仕事で勝つチームに必要なものとは? レーシングチーム×自動車会社×自動車学校のプロジェクト「KONDO RACING×日産メカニックチャレンジ」に迫る【お仕事図鑑】

編集部:ベッシー

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「KONDO RACING×日産メカニックチャレンジ」近藤真彦監督

今回は戦うお仕事!“カーレース”という仕事の裏側に潜入!

2022年11月6日、スーパーGT300クラスの年間シリーズチャンピオンとなった、チーム「KONDO RACING」の近藤真彦監督(以下近藤監督)と、タッグを組む人材育成プログラム「日産メカニックチャレンジ」に参加する日産自動車大学校の学生たちに、レース当日お話を伺いました!

「KONDO RACING×日産メカニックチャレンジ」の概要&結果を出すチーム運営の秘訣とは?

チーム「KONDO RACING」は、長年レースキャリアも積んできた近藤監督が率いるレーシングチーム。
市販車をベースにしたチューニングカーの日本最高峰レースであるスーパーGT(すごくざっくり説明です)には、GT500クラス、GT300クラスの両方に参加しており、一昨年2020年シリーズでもGT300クラスのチャンピオンになっています。
そんなレース業界トップチームのひとつと言える存在。

「日産メカニックチャレンジ」は、レースに関わる若い世代を育てたいという近藤監督が、レーサー時代から縁の深かった日産自動車に話を持ちかけ、2012年に日産自動車大学校(主に高卒以上の学生が所属する専門学校)と連携し始まったプログラム。

このプロジェクトについては、近藤監督曰く「(自動車学校に通う学生たちっていう)原石の山があって、ただ勉強させて就職させて世に出してしまうのがすごくもったいない。若い子たちにとって、技術に磨きをかける現場にはレース場ってすごくいい場所だって思っていたので、一緒にレース参加してみませんかって話をして」活動していくことになったとのこと。

しっかりと結果も出して軌道に乗せた後、今では日産販売会社のスタッフも加わり、「KONDO RACING×日産販売会社×日産自動車大学校」の3者協力プロジェクトとして運営されています。

「最初の頃はやっぱり「なにレース場に若いピカピカのつなぎを着た学生連れてきてんだ」ってよそのチームからはそんな見られ方をしていたんですけど、年を積み重ね成績も出てきて、本物だなって思ってもらえるようになってきたんですよね。」

他のメーカーの社長さんからも「おまえんとこどうやってやってんだ? すごくいいプロジェクトらしいな」相談されることもあるそう。

うまくいくようになった理由を伺うと「(何年もやってきて)担当しているプロのメカニックたちが慣れてきたんですよ。若者たちの扱いに。」と。

「彼らは彼らで真剣に走らせなきゃいけないメカニックの仕事をしながら、若者たちの教育もすごく熱心にやってくれている。最初は作業のジャマになるっていう目で見ていたウチのメカニックたちが、本当に育っていってくれて、今では学校卒業して「KONDO RACING」に就職した子もいるんですよ。」

このプロジェクトの参加スケジュールについて補足しておくと、年間数回開催されているスーパーGTの各ラウンド、スーパー耐久のラウンドごとに、日産自動車大学校の学生に公募を出し、レースが開催される3日間がひとつの活動単位となる短期間のプログラム。

参加した学生や日産販売会社のスタッフさんが、学校や会社に戻り、参加したことで得られた経験や気づきを仲間たちに共有する。
その言葉に触発されたメンバーが「次はオレが!」という気持ちを持って参加する。
その好ループがつながり、今の「KONDO RACING×日産メカニックチャレンジ」の充実した体制を作っています。

今期もシリーズチャンピオンに手がかかる順位につけている近藤監督に、強さの秘密は?学生がチームにとってどのような役割を果たしていますか?と聞くと、

「チームのメンタルに余裕ができてきているね。親心っていうか、横にファミリーがいるみたいなそういう気持ちで見守っているから、ギスギスと自分の眼の前の仕事だけにやって、失敗しちゃいけないって(追い込みすぎに)ならず、チーム内が温かくなってきているよね。」

「(逆に)学生はそのレースそのレース目一杯なんで、すごい疲れていると思うよ。」

近藤監督から伺った話の中からは、しっかりと学校で教育されていて、力不足であったり現場でのコミュニケーションに不安がある子がまずいないことと、ピリッとしていてやるべきことをわかってきている子たちだから、プロのメカニックもちゃんと育ててやろうって気持ちで迎えられている意図が伝わってきました。

「日産メカニックチャレンジ」学生がこなす多様な仕事の現場とは?

「日産メカニックチャレンジ」スーパーGT300最終戦に参加した学生にも話を聞いてみました。

学生が担当する仕事は三つ部門に分かれていて、ひとつはピットに入ってメカニックサポートを行うテクニカル部門
もうひとつは、レースのゲストとして会場に訪れる関係者対応を担当するホスピタリティ
最後は、記事や写真、動画などで活動を外に伝える広報部門、というように分かれていて、各回の公募の際にどの部門で活動したいか希望を出し、レース期間中はその仕事を担当する形で運営されています。

一人目に紹介するのはテクニカル部門を担当する、3年の石川さん。

「自分が実際に行っている仕事はタイヤ交換で使うタイヤを運んできたりピットの準備であったり、ボディを拭いたり磨いたり、基本的にはチームメカニックさんのお手伝いです。」

石川さんは、スーパー耐久での日産メカニックチャレンジには何度か参加していて、スーパーGTは今回が初めて。「(加えて)今回は最終戦ということもあって、むちゃくちゃ緊張感が漂っています。」と、現場の雰囲気を伝えてくれました。

プロのメカニックさんたちの仕事ぶりで何か感じるものはありますか?と伺うと

「チームワークをかなり勉強させていただいています。レース前の金曜日はチームのみなさん楽しそうに車を作り上げていっているんですが、予選が始まってからのメリハリの切り替え、集中して取り組む姿、突然起こるトラブルの対応などを見させていただいて、メカチャレには本当にいい経験させてもらってるなって思っています。」

石川さんは将来、実験開発の仕事を目指しているそうで、チーム作りやコミュニケーションの取り方に、目指す仕事との親和性を感じているようでした。

ちなみに、ピットで教えてもらった豆知識があるか伺ったところ、レースタイヤはエアーに窒素を注入してタイヤ内の水分を限りなくゼロに近づけるそうです。
普通の空気だけだとレース中の熱膨張でタイヤの内圧が変わってしまい走りに影響が出てしまうとのこと。

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続いて、二人目に紹介するのはホスピタリティエリアを担当する3年の大澤さん。

ホスピタリティエリアは訪れるゲストや関係者への対応が主要なお仕事。
会社の役員クラスの方やスポンサーのトップクラスの方へ直接応対をすることもある現場で、先程のピットとはまた違った緊張感が発生する現場です。

「驚きの連続ですね。学校では基本的に整備の勉強をしているので、こういったマネジメント業務について学ぶことはほとんどなく、学校ではできない経験になっています。今回で3回目のホスピタリティ担当で、先輩たちから話を聞いたり、過去の経験をもとにシミュレーションして参加しますけど、毎回予定通りにならないのでいつも大変です。」

今回はこれまでの経験上、特に盛り上がっていたらしく、会場に入れていないお客様の対応にも頭を悩ませている、と、大変さを楽しんでいるような苦笑が漏れていました。

また、将来の仕事の展望について、今回の担当のように人を相手にする仕事か、整備のように車を相手にする仕事か? と聞いてみると

「今、悩み中なんですよね。とりあえずこれから会社説明会をいろいろ回りながら考えたいと思っています。」

どうやら、車を触るのが好きで入学したものの、電気自動車やセンシング技術の発展など、コンピューター制御の勉強が増えてきていて、想像できていなかった業界の変化のスピードに戸惑っているようでした。

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最後に紹介するのは、広報部門を担当する4年生の成田さん。なんと1年生のときから広報部門に参加していて、今回で5回目とのこと。

「主な仕事は、学校のHPに乗せる写真の撮影や、動画制作、インタビューなどです。広報チームの最終的な目標として、学校から出させていただくレポートを作るのが目標で、現場では整備士さんとかにインタビューしたり、監督さんにインタビューしたり、基本的にお話を聞いて内容をまとめるのと、現場の写真を撮るのが基本的な中身ですね。」

ちょうどこのインタビューの前に、近藤監督へのインタビューを進めていた成田さん。日産メカニックチャレンジでの大変なことについて伺うと、「90%は予定どおりにいかない」と。

(近藤監督にインタビューする広報チームのメンバー。奥に成田さん)

現場に来てからインタビュー時間の調整など行い、いざ予定を立てても全く予定通りにいかない中で、臨機応変に対応する力がついたと語ってくれました。

インタビューに同席していた後輩メンバーの方からも「スケジュール調整だったり、インタビュー調整は、成田先輩はトップだなって思います」と尊敬の眼差しを向けられると、はにかむ一面も。

4年生ということで卒業後のことについて伺うと、日産のテストコース「GRANDRIVE」で行う試乗会などの企画・運営部署への配属が決まっているそう。
このプロジェクトで広報部門をずっと担当していたことが、本当にやりたい仕事への気づきにつながったようです。

これからも応援したくなる「KONDO RAGING×日産メカニックチャレンジ」

近藤監督はじめ、多数のメンバーによる抜群のチームワークで2022年のスーパーGT300シリーズチャンピオンを勝ち取った「KONDO RAGING×日産メカニックチャレンジ」。

学生のだれに聞いても現場では“予定通りにいかないこと”の大変さが語られ、そして、その“予定通りにいかない”を受け入れ、張り詰めた緊張感のなかで、それを楽しめる余裕を生み出せるチームワークこそがこのチームの強さなのだと、改めて近藤監督の言葉に込められた意味を感じました。

最後にもう一度記載しますが、この「日産メカニックチャレンジ」は、何度か参加する学生もいるものの、その活動自体はレース活動が行われる3日間だけ。
毎回メンバーも変わってその都度ヨーイドンで作られるチームです。
そのチームで年間チャンピオン。
控えめにいってもすごい。
近藤監督にそんないいチームを作るにあたって、学生と接するときに意識していることはあるのか聞くと、特にない、と言いつつも。

「学生のインタビューに答えるときなんかは、LIVEの、生の現場で起こっていることを聞きなさいと。今日こんな事件あったよね、こんなブレーキトラブルあったよね、こんなドライバーのトラブルあったよねって。そっちを聞きなさい。(机で考えてきた)セオリー通りにやってちゃダメだ!!ってね。」と笑って話してくれました。

(貴重なチームカーの中の監督ルームでインタビュー)

「予定外に翻弄される学生」「LIVEを楽しめ」という近藤監督。

「ぼくは教育者じゃないんだけど、とにかくウチのチーム全体がすごく温かい目で学生を受け入れて頑張ってますんで応援してください。」

冬が近づく栃木の風に冷たさを感じながらも、心温まるインタビューをさせていただきました。

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文・写真:学生の窓口編集部 ベッシー
取材協力:KONDO RACING日産自動車大学校

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編集部:ベッシー

編集部:ベッシー

昔ながらの大学生活でイメージされるような大学生活を謳歌し、就職活動はちゃんとやらず、社会人のスタートではつまづき、いろんな会社を転職しながらキャリアビルド。学生や若い人のチャレンジを応援したい、頑張れる場を提供したいという想いを持って編集部で活動中。伝えたいメッセージは「自分で考え、自分で動き、人にはどんどん頼りましょう」

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