【SDGs未来都市とは?】SDGs未来都市が目指すものや、実際の取り組み事例をまとめてご紹介

「SDGs未来都市」――その言葉の響きからは何やら近未来のような都市を想像してしまいますが、一体どんな都市なのでしょう。実はこのSDGs未来都市、既に日本各地に点在しているんです。果たしてどのような取り組みが行われているのでしょうか。SDGs未来都市とは?そのメリットや実際の取り組み事例について解説していきます。
SDGs未来都市とは?
「SDGs未来都市」とは、「地方創生」をテーマにSDGsの達成に向けた新たな取り組みを推進する地方自治体のこと。内閣府が各自治体の提案をもとに選定しています。
日本各地には高齢化や人口減少などさまざまな事情があり、遠くまでいかないと医療が受けられない、近くに学校がないといった問題を抱えるところが多く存在します。
このような中で注目されるのが「誰もが生きやすい世の中を作るには」という観点から生まれたSDGs。このSDGsの考えを取り入れて新たな価値を創造し、将来にわたって持続可能なまちづくりを目指していく。そんな取り組みを推進する地方自治体が「SDGs未来都市」なのです。
語句説明:そもそもSDGsとは
「SDGs(エスディージーズ)」とは“Sustainable Development Goals”の略で、「持続可能な開発目標」と訳されています。「持続可能」というのは、私たちにとっても未来の世代にとってもより良い世界が持続できる、という意味。「今だけ良ければいい、後のことは考えない」だと、地球の未来は明るいものにはならない、ということですね。

(画像引用:外務省「持続可能な開発目標(SDGs)と日本の取組」)
SDGsは2015年9月の国連サミットにおいて、2030年までに国際的に目指すべき開発目標として定められました。例えば「貧困をなくそう」「すべての人に健康と福祉を」といった17のゴールと169のターゲットが設けられています。
SDGs未来都市が目指すもの
SDGs未来都市が目指すものについてご紹介します。
*SDGs未来都市が目指すもの*
・地域が抱える問題の解決
・地域活性化
SDGs未来都市では今までになかった新しいサービスができたり、新たな連携が生まれたりすることで、これまで抱えていた問題を解決に導きます。地域の活性化にも役立ち、持続可能なまちづくりにつながることが期待できます。今まで無理だと思っていた「より豊かな生活」が実現できるかもしれませんね。
後述もしますがSDGsでの地方創生には自治体と民間企業とのコラボが欠かせません。自治体も民間企業もSDGsに取り組むことでイメージアップを期待するのは当然のことでしょう。
ただしSDGsには2030年までの最終目標が定められていることも事実。目標達成のために本当に必要なことは何か、国や世界レベルでの対策が求められているのかもしれません。
SDGs未来都市の取り組み事例
(画像引用:地方創生「地方創生SDGs・環境未来都市構想」)
これまでに選定されたSDGs未来都市はとても沢山あります。上図は内閣官房・内閣府総合サイト『地方創生』からお借りした「SDGs未来都市所在地」の一覧です。数が多いため少し見づらくなっていますが、全国各地に点在していることがお分かりいただけるでしょう。
ここではSDGs未来都市の中でも特に優れた新しい取り組み「自治体SDGsモデル事業」にも選定された10都市について、一覧にまとめました。
*令和3年度のSDGs未来都市(自治体SDGsモデル事業含む)*
都市名 | 提案タイトル |
---|---|
北海道上士幌町 | 「だれもが生涯活躍・環境と調和したビジネス展開」プロジェクト |
千葉県市原市 | SDGsのシンボルとなるまちへの挑戦 |
東京都墨田区 | 「働きがい」を「生きがい」と「暮らし」につなげるデザイン〜プロトタイプが実装できるまち |
新潟県妙高市 | 生命地域妙高プロジェクト〜Beyond 2030 SDGs ゼロカーボンへの挑戦〜 |
岐阜県岐阜市 | ぎふシビックプライドとWell-beingに満ちたSDGs未来都市 |
岐阜県美濃加茂市 | 新たな価値を生み出す里山 リ・デザイン「ローカルSDGs みのかも」 |
京都府京都市 | 千年の都・京都発!SDGsとレジリエンスの融合 しなやかに強く、持続可能な魅力あふれる都市を目指して |
愛媛県西条市 | 豊かな自然と共生し「ヒト」と「活動」が好循環するまち西条創生事業 |
熊本県山都町 | 有機農業で持続可能なまちづくり |
沖縄県 | 誰一人取り残さない持続可能な「沖縄らしさ」の実現〜SDGs推進による沖縄の継承と変革への挑戦〜 |
具体的にどのような取り組みがなされているのか、いくつかピックアップして見てみましょう。
デジタル技術を駆使してスマートタウンへ
1つ目は北海道上士幌町の令和3年度モデル事業から。上士幌町では住民の利便性を向上させるため、なんと高齢者にはタブレット、全世代向けにはAIチャットボットを導入。またMaaSと呼ばれる移動サービスも導入してスマートタウンを構築。これらが新たなビジネスを生むことにもつながっているようです。
有機農業を推進!
2つ目は熊本県山都町の令和3年度モデル事業から。山都町では化学合成農薬・化学肥料に依存しない有機農業を推進。スマート有機農業の実証、農産物のブランド化で販路拡大、などが盛り込まれました。豊かな自然の中で将来にわたって持続可能なまちづくりを目指します。
自治体×民間で加速する地方創生SDGs
SDGs未来都市を推進していく上で欠かせないのが自治体×民間のコラボ。内閣府では「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」を設けて官民のマッチングを支援しています。
このプラットフォームでは、
・ウェブサイトやメールマガジン等での情報発信
・会員同士が共通のテーマのもと活動を行う「分科会活動」
・官民での連携をサポートする「マッチング支援」
などが行われています。
まとめ
今回はSDGs未来都市とは何か、そのメリットや実際の取り組み事例などについて解説してきました。
SDGs未来都市とは、「地方創生」をテーマにSDGsに取り組む地方自治体のこと。
そしてSDGsとは“Sustainable Development Goals”つまり「持続可能な開発目標」のことです。
SDGsは世界的に取り組むべき目標として注目されています。日本としても今回の地方創生をはじめとしたさまざまな取り組みを通してSDGsに貢献していきたいですね。
(マイナビ学生の窓口)