【イベントレポート】新素材「LIMEX(ライメックス)」が世界の資源と雇用を救う? ユニコーン企業TBMにインタビュー!#大学生の社会見学

編集部:ゆう

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さまざまな企業や商品、サービスの「気になる」にフォーカスをあて、そこに携わるキーマンへ公開取材を行う「#大学生の社会見学」。

11月5日(木)に実施した第1回では、プラスチックや紙の代替となる新素材「LIMEX(ライメックス)」を開発、製造、販売する株式会社TBMに、「【SDGs会社見学】 ユニコーン企業TBMが語るエコロジーとエコノミーの両立とは」と題して公開取材を実施しました。

ゲスト 株式会社TBM

坂本陽平さん

経営企画本部マネージャー。マッキンゼー・アンド・カンパニー、リクルートなどを経験。NPO法人にて従事していた際に、南スーダンで井戸づくりに携わり、水資源のない場所で産業を興したいという思いを抱き、その思いを実現できると感じTBMに入社。

村上悠紀子さん

コーポレート・コミュニケーション本部所属。文部科学省が展開する、トビタテ留学ジャパン6期生。2018年、TBMにインターンシップとして参加し、大学卒業後に正式ジョイン。現在は人事として中途・新卒採用、組織開発等を担当。

株式会社TBM 公式HP

リクルートサイト

TBM の組織とカルチャーを知る「Times Bridge Media」

インタビュアー  東洋大学TIPS

2018年に設立された新しい学生団体。「SDGs×ダイバーシティ×学生の成長」をテーマにイベントの開催や情報発信、アイデアコンテストへの参加、勉強会などを主催している。

■参加メンバー

三浦央稀さん(4年生)
山本亜美さん(2年生)
井上響さん(3年生)

東洋大学TIPS 公式HP

東洋大学TIPS Twitter@TOYO_TIPS

企業価値、推定1218億円。ユニコーン企業「TBM」ってどんな会社?

村上:TBMは経営の根幹をサステナビリティとし、「過去を活かして未来を創る。100年後でも持続可能な循環型イノベーション」をビジョンに掲げている会社です。2019年、日本経済新聞の「NEXT ユニコーン調査」では、推計企業価値「1218億円」で2位にランクインし、ユニコーン企業として紹介されています。

新素材LIMEXはプラスチック代替製品や紙代替製品を製造するための材料となり、原材料の調達から製造、廃棄という商品のライフサイクル全体を通して、天然資源およびエネルギーの使用を減少することが可能です。

導入事例を少し紹介します。プラスチック代替製品でいうと、7月からのレジ袋有料化に伴い、ヨドバシカメラや羽田空港内のレジ袋として導入いただいていたり、新型コロナウイルスの感染拡大によりマスクの需要が高まったことから、LIMEX製マスクケースも様々なところで導入いただいています。

先日発売された「エル・ジャポン」12月号では、LIMEX製マスクケースが付録として付いていますので、ぜひ手にとってみてください。紙代替製品でいうと、耐水性、耐久性に優れている特性を活かして吉野家やプロントなどの飲食店のメニュー表等に使用されています。

それでは、今後私たちが目指す「資源循環、アップサイクル」について簡単に説明します。LIMEX製品は、使用済みの製品のリサイクルだけでなく、紙代替製品を原材料へと戻し、さらに高い次元の製品であるプラスチック代替製品へ作り変えることのできるアップサイクルが可能です。

この仕組みにより、有限な資源を繰り返し使うことができるという特長があります。最近の事例でいうと、デニーズでは使用済みのLIMEX製メニュー表をトレーに再製品化して使うなど、資源循環の取り組みが増えています。

坂本:LIMEXだけでなく、今年7月には「CirculeX(サーキュレックス)」という再生材料を50%含んだ新素材をローンチしました。いかに資源循環を促進させ、永く資源を有効活用できるかに主眼を置いています。

また、CIrculeX製品の第一弾として、ゴミ袋を発表しました。ゴミ袋の場合、最後は燃やすことになりますが、使用済のペットボトルキャップなど再生素材を使っているので、再生材料を使用しない従来の海外製品と比較して、CO2排出量を約45%削減できる見込みです。

TBMは世界からも注目されていて、サウジアラビアやモンゴル、中国の河南省などからも「LIMEXを使いたい」「LIMEXを作りたい」とお声がけいただき、プロジェクトを推進しています。私たちは、「エコロジー」と「エコノミー」の両立を実現し、日本発グローバルでサステナビリティのトッププレーヤーになりたいと考えております。

いざ公開取材!なんでプラスチックや紙をLIMEXで代替するのか?

三浦:初歩的なことから伺いますが、なぜプラスチックや紙をLIMEXで代替しないといけないのでしょう? これほど世界から必要とされている理由を教えてください。

坂本:今後、人口増加や途上国の経済活動が活発になると共に、プラスチックや紙の生産量は増えていくと予想されています。現在、人類による自然資源の消費量が、地球が持つ1年分の資源再生産量とCO2吸収量の1.75倍となっています。

つまり、既に人類は地球の資源を未来から前借りして生活しているということになります。そんな中で、LIMEXのように、枯渇資源の使用量を減らし、アップサイクルやCirculeXを活用し資源循環を促進していくことが求められていると思います。

三浦:「枯渇資源の使用量を減らす」ということですが、石灰石は埋蔵量が豊富とは言え、いつかは枯渇します。これについてはどうお考えですか?

坂本:LIMEXは「使って、捨てる」のではなく、「使って(使用)、集めて(回収)、つくる(再製品化)」というアップサイクルの循環により、限りない資源を最大限有効活用することに挑戦しています。

三浦:なるほど、非常によく分かりました。これは学生としての興味もあり、お伺いするのですが、LIMEXへと代替したことによる環境負荷の削減量が「見える化」できたら面白いと感じたのですがいかがでしょうか?

村上:実はすでに、コーポレートHPの中で「LIMEX ACTION」というページを公開しています。その中では、LIMEXの普及によって守ることができた水や木、プラスチックの量を「見える化」しています。

通常、CSRなどの部門は、300名規模の組織になって設置されることが多いですが、本社機能100名以下のTBMでは既に2名のサスティナビリティ専任者をおいています。このチームが率先して、LIMEXによって環境や社会へどのようなインパクトを与えているのか、今後与えられるのかを可視化してくれています。

山本:今回のテーマでもある”SDGs会社見学”の趣旨に沿って質問させていただきます。SDGsの17の目標の中には「8.働きがいも経済成長も」という目標が含まれていますが、LIMEXが普及することによって、”雇用”という観点においては何かインパクトがあるのでしょうか?

坂本:はい、あると思っています。例えば、モンゴルなど経済発展を目指して新たな産業を求めている地域に拠点を置き、役に立っていきたいと考えています。

また、宮城県内にはLIMEXを生産する工場が2つあり、2020年に竣工した国内第2プラント(多賀城市)は、東日本大震災で被災した地域に建設し、働くメンバーは全員正社員で採用させていただいています。

TBMの社内環境は? 人材育成やジェンダー事情について

三浦:ここでちょっと趣向を変えて、TBMさんの「働き方」などについて伺いたいと思います。

井上:これまで中途採用を中心に行ってきたTBMさんは、これから入ってくる新卒社員に即戦力を求めるのでしょうか?

坂本:いきなり即戦力はハードルが高いと考えていますが、新卒の方にはこの会社を「自分の会社」と思い、組織に対してポジティブな働きかけをしてくれることを期待しています。また、「挑戦」を大切にする会社でもあるため、オーナーシップを持って主体的に動いてくれると嬉しいですね。

とはいえ、しっかりと育成の機会を設けたいとも考えています。3週間程度の期間をかけ、基本的なビジネスマナーやLIMEXという素材の理解に加えて、「TBMらしい人材とは」ということについても学んでいただく予定です。TBMの未来の経営者として事業、組織を引っ張っていく人材になっていって欲しいと思っています。

山本:また、SDGsの目標の一つには「5.ジェンダー平等を実現しよう」というものが含まれていますが、ジェンダーについては、何か取り組まれていますか?

村上:TBMには「D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)」のプロジェクトチームがあり、ジェンダーに限らず様々な「ちがい」を理解し、尊重し合う組織を目指して活動しています。

具体的な取り組みとして、全社でジェンダー平等実現のためのプラットフォーム「HeForShe」への署名を行ったり、CEO が「女性のエンパワーメント原則(WEPs)」の中で女性活躍についてメッセージを発信したりしています。

社内にはこれからライフステージを迎えられる女性メンバーが多いため、彼女らが活躍し続けられる組織にすべく前向きに検討しているところです。

大学生に向けてTBMから一言

左より:東洋大学TIPS 井上さん、山本さん、立教大学池田さん、東洋大学TIPS 三浦さん

村上:今日はありがとうございました。私自身が新卒として入社し、日々圧倒的な成長を感じながら働けていると思います。ベンチャーのため、まだまだ整っていない部分はたくさんありますが、それをチャンスと思い、この会社を引っ張っていってくれるメンバーをお待ちしています。

坂本:サステナビリティの領域は、課題解決のために世界中が試行錯誤しており、そういう意味では、まだ正解がありません。だからこそ、新しいことにチャレンジしたい方には面白い分野だとも言えます。ぜひ興味、関心を持って向き合っていただけると嬉しいです。ありがとうございました。

三浦:深掘りすればするほど面白い話が聞けましたし、まだまだ成長する企業だとすごく感じました。サステナビリティの推進に関してはヨーロッパがリードしている印象がありますが、そんななか日本発世界で挑戦しているという、実にワクワクするお話でした。ありがとうございました!

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編集部:ゆう

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学生に「一歩踏み出す勇気」を持っていただけるような記事を届けたいです。

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