銀メダリスト・太田雄貴が「アーバンスポーツの面白さを拡大するアイディア」を募集!【TOKYO 2020|アプリ開発コンテスト】#大学生の社会見学
アーバンスポーツ×テクノロジー|アプリ開発コンテスト。
東京2020 組織委員会が『アーバンスポーツの観戦体験を“より分かりやすく、より楽しく、より面白く”』をテーマにしたアプリケーションの開発コンテストを実施するらしい。賞品も超豪華、年齢や経歴問わず、誰でも応募可能。しかも学生、大歓迎とのこと。
とはいえ、「テクノロジーに興味はあるけどスポーツにはあんまり興味がない...」という人も多いはず。ということで今回は、本コンテストで特別審査員を務める、フェンシング銀メダリスト・太田雄貴さんに、そもそものスポーツの魅力や、本コンテストの目的についてまで、いろいろ取材してきました!
テクノロジー×スポーツの立役者!
特別審査員 太田雄貴さん(北京オリンピック銀メダリスト)
2008年の北京五輪で日本フェンシング史上初となる銀メダルを獲得した太田雄貴さん。引退後、日本フェンシング協会会長に就任し、現在は日本アーバンスポーツ支援協議会の副会長も務めています。
そもそも、「スポーツ」の魅力って?
――若者の「スポーツ離れ」も話題になってますが、選手としてもスポーツ界を盛り上げてきた太田さんだからこそ思う、他の娯楽にはない“スポーツの魅力”とは一体なんでしょうか?
「瞬発力」ですね。ラグビーワールドカップ2019の日本代表の活躍を見ていただけたら分かると思うんですけど、少し前までラグビーの「ラ」の字もなかったですよね(笑)。
だけど日本勢の活躍を見ていると、ぐわっと血液が沸騰するような興奮する瞬間があると思うんです。見ている人が自然と涙を流してしまうような、そんな引き込ませる“瞬発力”をスポーツは持っています。
もう現代では「モノを買って欲求を満たす」という難易度が上がっているとも感じていて。娯楽がたくさんある中で、モノだけでは満足できない人も増えていると思います。そうすると、今後は「体験」にシフトしていくのではないでしょうか。
スポーツの魅力は“瞬発力”。モノだけでは満たされない欲求を満たすことができる至上の体験ができる。
アーバンスポーツの特徴って?
*アーバンスポーツとは、スケートボード、パルクール、インラインスケート、BMX、ブレイクダンスなど、「都市」でできるスポーツを指します。下記画像は一例です。
ーー太田さんが初めてアーバンスポーツを見たとき、どう感じましたか?
これからの時代に合っていく、とても自然体で素直なスポーツだなと感じました。というのも、僕などオリンピック系の種目を行なっている選手って、めちゃくちゃしんどいんですよね(笑)。練習もキツイし、真剣だから当たり前なのかもしれないですけど…「楽しい」という表現はあまり言ってはいけないような雰囲気もあるんですよね。
しかも、試合に勝ったあとコメントは「皆さんのおかげで勝てました」というお決まりのコメントが多いじゃないですか(笑)。その通りなんですが、もっと個性があってもいいのかなと、現役時代に自分自身に対しても思っていて。
アーバンスポーツをしている選手は、みんなとても楽しそうなんですよね。自然体で、自分の好きなことが世の中の目標になっている。だから失敗しても笑顔ですし、試合に負けてもちゃんと相手に対して拍手を贈る。
アーバンスポーツの魅力は、「勝つこと」だけではなく、スポーツ本来の「楽しさ」を素直に自然体で楽しめること。
競い合うことだけで存在価値を見出すことだけだと、メンタルがどんどんすり減ってしまいます。そして、自分が競争の輪から外れたときに次の目標を見失ってしまいがち。 「そもそも僕って、幸せをどこで感じていたんだろうって」って。
でもアーバンスポーツの場合は、「昨日できなかったことが今日できるようになる!」という感覚を大切にしているんですよね。自分と自転車やスケートボードなど使って、楽しみながら成長できる世界観ってこれからの時代に合っているような気もします。こういったアーバンスポーツの魅力が、スポーツに関心がなかった人達にも伝わって行けばいいなと思います。
テクノロジー×アーバンスポーツにはどんな可能性があるの?
ーーテクノロジーとスポーツが組み合わさったら、どんな楽しみ方が広がると思いますか?
選手の凄さを可視化でき、スポーツに興味関心がない層にリーチできるのではないでしょうか。
本来、テクノロジーは問題解決のためにあるものだと思っていて。たとえばフェンシングだとルールも分かりづらいし、顔も見えないですよね。なので顔が見えるようモニターに映すとか、剣先が見えるようするだとか、テクノロジーを使って問題を解決させることができます。
人は見えなかったものや知らなかった情報を得たときに、新しい発見や面白さを感じると思います。テクノロジーをうまく使えば、よりスポーツの面白さを体感でき、スポーツに興味がない層や離れてしまった層にもアプローチできると期待しています!
テクノロジーをうまく使えば、様々な観点からスポーツの面白さを体感でき、スポーツに興味がない層や離れてしまった層にもアプローチできる。
ーー最後に、今回のコンテストではどんなことを期待されますか?
自由な発想で「おおっ!こうきたか」というようなアイデアを待っています。
年齢を重ねると、過去の経験や自分の生きてきた世界を肯定しながら暮らしてしまいがちなんです。だけど大学生の場合、まだ自分の型みたいなものが固まっていないので、大人がハッとするようなアイデアがたくさんあると思います。
柔軟な大学生の感性に期待。スポーツに対する興味の有無は関係なく、様々な人に応募してほしい。
例えば、スポーツに全く興味関心の無い女子高生2人がテクノロジーを活用してスポーツ実況をしてみる、とかも面白そうじゃないですか。(笑)そういった、固定概念にとらわれない自由な発想を楽しみにしています!
【参加者募集!】
TOKYO 2020 Open Innovation Challenge!
東京2020 組織委員会は、アーバンスポーツの観戦体験を“より分かりやすく、より楽しく、より面白く”拡張するアプリケーションの開発コンテストである「TOKYO 2020 Open Innovation Challenge」への参加者を募集しています。
詳細はこちら
https://tokyo2020.org/jp/get-i...
本コンテストでは、国際オリンピック委員会(IOC)の協力のもと、東京2020組織委員会と、ワールドワイドクラウドサービスパートナーであるAlibaba Cloud、ワールドワイドパートナーであるインテルコーポレーションの共催で、世界中の方とともにイノベーションの創出を目指します。
■実施時期
応 募 期 間 :2019年9月4日(水)~10月27日(日)
一 次 審 査 :2019年10月28日(月)~11月1日(金)
一次審査結果通知:2019年11月2日(土)
トレーニングプログラム実施:2019年11月9日(土)
最 終 審 査:2020年2月22日(土)
■賞品について
・金 賞:Alibaba Cloud APSARA Conferenceご招待およびゲストご登壇
日時:2020年9月末頃
場所:中国杭州
※主催者が渡航費、ホテル代、イベント入場料を負担します。
URL: https://www.alibabacloud.com/a...
・銀 賞:インテル提供 東京2020大会観戦チケット
※競技および日程は未定
・銅 賞:東京2020オフィシャルグッズセット
・特別賞:後日発表予定
金 賞:Alibaba Cloud APSARA Conference イメージ/東京2020組織委員会 公式HPより画像引用
■実施体制
主催:東京2020組織委員会、Alibaba Cloud、インテルコーポレーション
■コンテストテーマ
アーバンスポーツの観戦体験を“より分かりやすく、より楽しく、より面白く”
アプリコンテスト詳細について (TOKYO2020公式ホームページ)
取材協力:公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
文章:田中さやか
編集:ナベ子