ビジネスでは「俯瞰(ふかん)すること」が大切だと言われます。よく耳にする言葉ですが、「俯瞰」の意味と正しい使い方はご存知でしょうか?今回は、社会人として知っておきたいキーワード「俯瞰」の意味と使い方をご紹介します。
「俯瞰」とは、『広辞苑』の説明ですと以下のようになります。
「高いところから見おろすこと。全体を上から見ること」
(『広辞苑 第七版』より引用)
たとえば、富士山を登っているときに、富士山がどんな形をして、どれだけ大きいのか把握することは難しいでしょう。でも、飛行機に乗って上空から富士山を見下ろせば、そのスケールの大きさや、地形をしっかりと見ることができます。
つまり「俯瞰して見る」とは、物ごとを判断するときに、その一部だけを見るのではなく、対象となる物事や案件から一歩引いて「全体像をしっかりと見る」ということになります。
では、「俯瞰」という言葉をどのように会話で使うのか、例文を使ってご紹介します。
「問題解決のためにプロジェクトを“俯瞰してみよう”」
この場合の「俯瞰」は比喩的に使われています。仕事で問題が発生したときに、最適な解決方法を見つけるため、その問題だけを見るのではなく、プロジェクトの「全体を見てみよう」という意味で使われています。
「物事に熱くなるのは君の長所だけど、近視眼的になりすぎだ。もっと“俯瞰的な視点”を大切にしなさい」
物事に真剣になるあまり、目先のことしか見えなくなるのはよくあること。そうではなく「大局的にものを見る目」も、大切だという意味です。
「SNS用に料理を“俯瞰撮影”してください」
これは、比喩ではなく、物理的な意味で使われています。料理全体が写るように「ある程度距離をとって真上から撮影する」という意味です。
「俯瞰」と似た意味を持つ言葉に「鳥瞰(ちょうかん)」という言葉があります。
「俯瞰」の「俯」には「うつむく」という意味がありますが、「人」がうつむきながらものを見るよりも、「鳥」が空を飛びながらものを見るほうが、視点が高くなり、全体を見渡すことができます。このように「全体を見渡すこと」を強調したい場合は、「鳥瞰」を使うことも可能ですが、日常的には「俯瞰」が使われるケースが多いようです。
また、俯瞰の使い方でよくある間違いが「俯瞰して見る」という言い方です。「俯瞰」には「見る」という意味がすでに含まれているので、「俯瞰して見る」と言うと、「頭痛が痛い」と同じように、「見る」という意味が重複してしまいます。「俯瞰する」が正しい使い方なので、みなさんもこの機会に覚えてみてくださいね。
「俯瞰」は、「高いところから見おろすこと」「全体を上から見ること」という意味です。特にビジネスシーンでは、「ものごとの一部ではなく、全体を見る」という比喩的な意味で使われることが多いようです。冷静に「俯瞰」して物事を判断できるよう、日々の業務をおこたらずに学んでいきましょう!
(文・イマーゴ)
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