仕事の失敗を悔やんで眠れないなら、お菓子のことを考えてみてください【菊池良のお悩み相談室】

2018/09/13

社会人ライフ

新社会人からリアルな悩みを募集し、独自の視点からアドバイスをもらうこの「お悩み相談室」。
今回は、「仕事のことを気に病んで眠れない」と悩んでいる人に、面接官に向けた逆採用サイト「世界一即戦力な男」がヒットし、著書に『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』(共著・神田桂一)を持つライターの菊池良さん(@kossetsu)が回答します。

上司が変わって仕事のやり方が合わないイラスト・わかる

こんにちは、菊池良です。

前回の記事でフリーランスになったことを報告しましたが、それから1か月が経ちました。
よく「フリーランス生活には慣れた?」と聞かれるのですが……これがびっくりするほど慣れました。

どのぐらい慣れたかというと、「自分が会社員だったことが嘘みたいに思える」ほどです。
あの会社員生活はひょっとして夢だったんじゃないか……。「会社員になりたいなぁ」と思ったぼくが寝る寸前に見た幻だったのでは……?

そう考えるぐらいになっているんですが、今回の相談は「寝る寸前」のことです。


Q.失敗をくよくよ考えてしまい、不安で眠れない
気に病んでも仕方ないのですが、失敗してしまったことをくよくよ考えてしまいます。こうすればよかった、もっと勉強しておけばよかったなど、寝る前に考えてしまうのでなかなか寝られません。
(23歳、女性)





あなたがもし「お菓子の王国」に転生してしまったら?


この「仕事の悩みを悔やんで眠れない」というお悩み、とても共感します。寝る前はネガティブなことを考えてしまいがちですよね。
ぼくもいろんな考えが頭をめぐってしまい、眠れずに悶々としてしまうことがあります。で、時計を見てみたらけっこう夜中で「やばい、寝なきゃ」と思っても余計に目が冴えてしまったり……。

こういったぐるぐる思考が不毛に思えてしまうのは、起こったことはもう変えられないからです。
過去は変えられません。なので、いくら考えてもしょうがないのです。そこで別のことを考えましょう。

あなたの大好きなお菓子を思い浮かべてください。

さぁ、目を瞑って。何か「これだ」というお菓子は頭に浮かんでいますか?

そのお菓子がたくさん住んでいる王国があります。

そして、あなたはその王国に転生してしまうのです!


「クッキー王国」ではハラハラ・ドキドキの試練がいっぱい


たとえばぼくの好きなお菓子は「クッキー」です。ある日、ぼくは「クッキー王国」に転生してしまいます。

クッキー王国のとなりには「マカロン王国」があります。
「マカロン王国」には巨大IT企業の「マカロンソフト」があり、さまざまな事業で覇権を握っています。
それに比べて「クッキー王国」はかつての大企業が右肩下がりの業績で苦しみ、GDPが下降気味です。

実は最新の経営学を学んでMBAを取得しているぼくは、「クッキー王」に呼び出されて、「どうにかうちの企業を立て直してほしい」と言われます。
僕は「クッキー王国」の企業へと入社し、企業の強みを活かした事業の横展開を試みることになりました。

しかし、実は「マカロン王国」から産業スパイが入ってきており、彼らの妨害作戦も始まるのでした……。

つまり、どういうことか、わかりますか?

ぼくは毎晩、「クッキー王国」の企業再建のために尽力しているわけです。そうなると、「失敗した記憶」を考えている場合じゃありません。「クッキー王国」を再建しなければいけないのですから!

あなたも「もし大好きなお菓子の王国があるとして、そこへ転生したらどうなるんだろう?」と考えてみてください。そうすると夜の時間は楽しくなっていきます。
うっかり小説にすると出版できてしまうかもしれません。

(ちなみにぼくが「MBAを取得している」というのはただの設定で、大学は文学部でしたし最近までMBAは「マックブックエアー」だと思っていました)

どうせなら記憶を塗り替えたっていい!


それでも「どうしてもネガティブなことを考えてしまう」という方には奥義があります。
さきほど「過去は変えられない」と書きましたが、ひょっとしたら「過去は変えられる」かもしれません


なぜなら、記憶は思い出すたびに「上書き」されているという説があるからです。

記憶は「あんなことあったよな……」と思い出すたびに塗り替わっているというのです。
友人や家族との思い出話で、記憶の相違があるのはこのためのようなのです。
つまり、過去の記憶は変えられる可能性があります。

たとえば、ほくは高校中退をしています。その理由は「通学が面倒くさいから」というどうしようもないものでした。
しかし、中退したときのことを思い出すたびに「レールからあえて外れて自己を磨くためにやめたんだよな~」と思っていれば、いつか記憶が塗り替えられるかもしれません。

「おれは面倒くさいから高校をやめたダメ人間……」

「おれはあえてレールから外れて、武者修行に出た」


こんな立派な人間だったということになります。こうすれば「失敗した記憶」は「その後の布石のためにあえてやった記憶」になります。

どうせなら記憶を塗り替えたっていい!


まとめると仕事の不安のせいで眠れない人への解決策は、「お菓子のことを考える」か「記憶を塗り替える」です

どちらか好きなほうを試してみてください。それではまた次回。

文・菊池良
ライター、編集者。学生時代に公開した、面接官に向けた逆採用サイト「世界一即戦力な男」がヒット。著書に『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』(共著・神田桂一)、『世界一即戦力な男』。
Twitter:@kossetsu


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