【世界一周バックパッカーの旅ノート】vol.1:旅立つことを迷う大学生の君へ。

更新:2016/01/28

卒業旅行

付き合い・人間関係

国境を越えたグローバル採用、世界規模で展開されるWEBサービスの登場……。ここ数年で、さらに日本の学生に身近になった"海外"では、今一体どんなことが起きているのでしょうか。また、海の向こうでは、どんな経験やチャンスが得られるのでしょうか? 世界一周の旅を続けた旅人「太田英基」さんが、日本の若者に伝えたいと思った"海の先で見つけたもの"を紹介します。


はじめまして。世界一周中の旅人、太田英基です。現在僕は、約2年かけて世界を巡る旅の途中にいます。今回、「フレッシャーズ マイナビスチューデント」で、皆さんに向けてコラムを書かせて頂くことになりました。

今回の新連載にあたり、まず僕が皆さんに伝えたいと思ったのは、「旅のスタイルとテーマ」について。僕も今、独自の旅スタイルを試行錯誤しながら実践中です。それは、一言でいうなれば、"出逢い"を追い求める旅です。(もちろん、皆、人との出逢いが旅の醍醐味ではあるのですが、あえて強調してみました)。世界遺産や各国の伝統・文化、大自然、食事などももちろん楽しんでいますが、それ以上に"出逢い"を大切にしていて、"人"を僕の旅のテーマとしています。

「何故、"人"を追い求めるのか」。
理由はいくつかあるのですが、その大きな理由のひとつが6年前の学生旅行での経験。ちょうど皆さんと同じ大学生(当時は1年生)のときに、インドを旅したときの経験から来ています。

当時19歳だった僕は、大学の春休みに、友人と2人で生まれて初めてのバックパック旅行を楽しみました。英語も全くできなかったのに、北インドを2週間ほど旅行。毎日が、ハプニングの連続でした。本当に面白おかしく、時には怯えながらも、日本では味わえないような充実した時間を過ごしました。当時、僕はそんな自分の"旅のスタイル"に何も疑問を持つことはありませんでした。

しかし、帰国してから、ふと自分の旅のスタイルに疑問を感じました。帰国後、インドに関する話題を目にするとき、内容は経済に関する話題ばかり。ビジネス誌が取り上げている、"IT大国のインド"、"経済新興国のインド"、そんなインドの一面ばかりが目に飛び込んできました。その時ふと、僕自身が旅の中で出逢ったインド人は皆、観光客相手の商売人や、物乞いの人達ばかりだったな、と......そのことが頭をよぎりました。すべてでは無いにせよ、旅行中の大半の時間を、そういう人達と過ごしていたことに気づきました。

インドは経済が急成長している国として注目を浴びていたにも関わらず、僕のインドの旅では経済の"ケ"の字にも触れていなかったことに気づいたんです。非常に偏った側面ばかりを見ていたのではないかと......。

その時に、こう思いました。「今回自分が世界一周するにあたって、観光客が相手の商売以外で働く人達の話を聞いてみたい。当たり前に現地で生きている人達と深く交流したい」と。

それから現在の旅に出る前に、まず最低限の英語力が必要だと悟り、フィリピンにて英語留学を3ヶ月間ほど経験。ギリギリ最低限の英語力を手にして旅立ちました。

そうして実際に旅立ってから2011年9月で1年が過ぎました。30カ国以上を巡ってきました。北米、中米、南米、北アフリカ、東アフリカ、ヨーロッパ......、そして今は中東にいます。インド旅行で学んだことを教訓に、ソーシャルメディア(「 Facebook(フェイスブック)」、「CouchSurfing(カウチサーフィン)」等)を活用して、試行錯誤しながら各国で多くの人々と出逢う旅を続けています。(ソーシャルメディアを使うと、職種、業界、趣味等も判別できるので、話題が合う人を現地で見つけることも可能。オススメです!)

▲ドイツにて泊めてもらった御宅にて、スキヤキを振舞った時の写真。右からデンマーク人、アイルランド人、アメリカ人です。


▲メキシコ人に誘ってもらって参加したクリスマスパーティでの写真。


また同時に、「 サムライバックパッカープロジェクト(http://samuraibp.com)」という海外で働く日本人のレポート活動も行っています。

今、僕が続けている旅は、19歳の当時の旅とはまったく違ったスタイルとなっています。インドを旅した時に比べると、学べたモノ、気づけたモノが多いです。出逢えた人の数や、できるコミュニケーションの深さも大分異なっているように思えます。

「旅に英語力なんて必要ない」「旅に目的なんて必要ない」、こんなことを言う人もいますが、確かに旅をするのにそれらは「必要不可欠」だとは思いません。しかし、「あったほうが良い」と思います。もし時間に余裕があれば最低限の英語力を身につけてから旅立つことをオススメしますし、何か旅の中で自分なりの目的意識を持つと、もっと充実した時間を過ごせると思います。

例えば、就職先の業界が決まっているのであれば、世界各国の同じ業界で働く同世代に逢いにいってみるのは面白いと思いませんか?インターネットが普及したこの時代だと、そんなことも実現できちゃうんです。想像しただけでワクワクしませんか?

今、世界経済は円高です。円高に多くの日本企業が泣いている中ですが、逆に海外旅行に行くには絶好のチャンスです。この好機をぜひ活かして、社会に出る前にこの広い世界を全身で感じてください。やっぱり、皆さんが自分自身で経験をするのが一番だと思います。

残念なことですが、日本社会では学生時代が終わり、社会人生活が始まるとなかなか長期休暇を取ることはできません。多くの社会人が「学生時代にもっと旅行しておけば良かった......」と嘆いているのを僕は知っています。

最近だと内定者向けの研修なども各企業で盛んに行われているので、学生でも、なかなか長い休暇を取るのが難しいという状況もあるかもしれません。(でも、僕の学生時代の友人は人事に掛け合って研修不参加とし、学生時代の最後に長旅に出ていましたので、やってやれないことは無いのです。)

日本から外に出ると、色々なモノが見えてきます。歴史や民族、住居、ファッション、生活スタイル、宗教、言語、食文化、福祉、労働環境、社会問題、そして日本や他国の良いところ、そうではないところ。多種多様な価値観。日本の中にいたままでは、気づくことの難しいものが多いです。

これから社会の一員として、日本社会を支えていく皆さんだからこそ、一度海外に出て、自分自身で多くのモノを発見し、自ら考える時間を取ってみてはいかがでしょうか?貴重な経験になることは間違いないです。一度しかない人生ですから、後悔なく充実した学生時代を過ごしてください。

旅立ちを迷う人がいれば、このコラムで背中を押せるように、そんなことも書いていけたらと思っています。

最後に、旅に出る前のみなさんに、僕が好きな言葉をひとつ贈ります。
"The World is smaller than you think.(訳:君が思っているより世界はずっと小さい)"

本コラムでは、僕が旅の中で学べたモノや気づいたモノを、皆さんに少しずつ共有していきたいと思っています。未熟者の旅人ですが、これから宜しくお願いします。

太田英基


【バックナンバー】

>>日本人とヨーロッパ人の、「長期休暇」はどれだけ違う?



プロフィール: 太田 英基(Hideki Ota)

大学在学中の2005年11月、広告サービス「タダコピ」を運営する株式会社オーシャナイズを仲間と共に創業。取締役を経て、2010年1月に退社。
2010年9月15日に出国し、世界一周の旅にシュッパス。その一方で、海外で働く日本人("異国のサムライ")100人を探す旅「SAMURAI BACKPACKER PROJECT」を遂行。
他、様々なWEBメディアでもコラムを連載し、好評を得ている。2011年夏、東洋経済新報社より「 1か月10万円留学の衝撃!『フィリピン「超」格安英語留学』を上梓。

SAMURAI BACKPACKER PROJECT: http://samuraibp.com/
Twitter: @mohideki


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