與真司郎（AAA）の相談窓口vol.1「昨日の自分と比較して今日の自分を褒めてあげる」
與真司郎（AAA）が“学生の君に伝えたい5つのこと”その1「学生のうちから人脈づくりをしておく」
今月からスタートする「與真司郎の相談窓口」連載。読者から届いたリアルなお悩みに、ブランドプロデューサー、本の執筆など多岐にわたって活躍している與真司郎（AAA）さんがアンサー。日本とLAを行き来し活動する中で得た広い視野、そしてメンタルヘルスの重要性を発信している與さんだからこその視点で、悩める読者にアドバイスをいただきました。
お悩み：つらい状況のなか少しでも楽に考えられる方法があれば教えて欲しいです
「今、大学で理学療法士になるために勉強しています。正直高校生の頃思っていた大学生活ではなく、毎週毎週テスト、厳しい実技試験、ギリギリの単位、それに最近初めた居酒屋バイト。当たり前ですがテスト勉強やバイトでほぼ自分の時間が取れずつらいです。自分で決めた道なので最後までやり切りたいとは思うのですが、単位落としたら学校やめてしまうのではと思ってしまいます。何か少しでも楽に考えられる方法があれば教えて欲しいです」
大学１年生・18歳・女性・はるさん
アンサー：ネガティブになったときもそんな自分を受け入れて、あんまり焦らず自分らしく、自分に自信を持つことが一番重要
何かを始めるときってやっぱり忙しくなるし、慣れるまでに時間がかかるから、これがずっと続くと思わないほうがいい気がします。でも人にはいつかどこかのタイミングで頑張らなきゃいけないときがあるし、楽な人生はあんまりないと思うので、今は「頑張ったらその次が見えてくる」と信じ込んでやるしかない。はるさんだけじゃなくて、何か新しく始めたり、新しいことを学ぶときには、みんなある程度はつらいことがあると思うんですよね。それにはお金を稼がないといけないし、だからバイトもしないといけないだろうし、でも寝るのもすごく大事だと思うし。なので、信頼できる友だちに電話するとか、どこかのタイミングでちょっとでもいいから息抜きの時間を作るのを心がけてみるのがいいと思います。あとは体を動かすのもメンタル的にすごく大事だと思うので、ひと駅分歩くとか、15分でもいいから朝ヨガしてみるとか、そういうことからちょっとずつ始めてみたり。僕もAAAとして活動を始めて10年くらいは休みがほぼなかったですが、目標に向かって頑張るしかなかったので、少しの時間でも友だちと遊んだり、友だちと電話をしたり。今ほどメンタルヘルスに気を遣う時代ではなかったので、もっと早くから知っていたらよかったなと思いますね。
――與さんにとっては誰かと話すことが息抜きのひとつだったんですね。
そうですね。でもその方法は人によって本当に違うと思うんですよ。自分は人と話す、人と会うことでストレスが発散できるタイプだったんですけど、ひとりで映画を観る時間や、本を読んでいる時間が好きという人もいれば、音楽を聴いて公園を歩くのが好きな人もいるから、自分のストレスの解消法を見つけるというのが、まず先手。僕はよく「ストレスなんてないでしょ」と言われるんですけど、いろいろあります。だからちょっとイライラするなというときは散歩したり、ジムに行って１時間何も考えない時間を作るとか、ホットヨガに行くとか、自分でバランスを取っているんですよね。そういう自分をオフにする時間やツールを持っておくのはすごく重要ですよね。
――慣れない環境だからこそ、そういう時間を見つけることがより大事になりそうですね。
慣れないときってひとつのことに集中しすぎて、「これがダメだったらもう人生終わりだ」と考えてしまうのもすごく分かるんですよね。僕もいまだに新しいプロジェクトを始めるときに「うまくいかなかったらどうしよう」と思うときがあって。僕もそうですし、世界で活躍している人にも気持ちには波があって、常にハッピーな人なんていないと思うんですよね。それに何かをやり遂げたり、夢を叶えることって簡単ではないんですよね。やりたいことを始めて次の日に叶ったらみんなハッピーだけど、そういうわけにもいかないし、人によって輝くタイミングは違うから。だから不安になったときやネガティブになったときもそんな自分を受け入れて、あんまり焦らず自分らしく、自分に自信を持つことが一番重要なのかなと思います。
お悩み：どうしたら自分に自信持てるようになれますか？
「好きな人がいるけど、自分に自信がなくてアタックできません…お互い受験合格したとしても、告白して振られて気まずくなるよりは、今のまま毎日話せて楽しい友達のままがいいのかなと思うけど、でもやっぱり好きって言う気持ちはあって。どうしたら自信持てるようになれますか？」
高校３年生・18歳・女性・Kanonさん
アンサー：昨日の自分と比較して今日の自分を褒めてあげる
楽しい友だちのままでいいかなと言っても、もう好きという感情が入っちゃっているから、多分楽しい友だちのままではいられないですよね。そうなったら、ずっとモヤモヤしているよりは「好きなんだよね」と言っちゃって、ダメだったらもうそれはしょうがない。恋愛に関しては、しょうがないというところが結構あると思うんですよね。自分に自信を持ったとしても相手がちょっとフィーリングが違うなと思うこともあるし、アタックしてダメでもそれは彼のせいでもKanonさんのせいでもないし、ただ恋愛として合わなかっただけだから。そのあとに時間をおいて連絡を取るようになってうまくいく場合だってあるし、お互いに一回別の恋愛を挟んで再会したときに意外といいかもと思って付き合う可能性だってあるし。恋愛においてはタイミングも大きいから、もうこればっかりはわからない（笑）。めちゃくちゃかわいくて、スタイルも頭も性格もよくても、そういう人が好みではない男子だっているし、それは逆も然りだから自分だけでモヤモヤしているよりは一回話してみるのが一番いいと思います。モヤモヤしているのは、僕はちょっと時間がもったいない気がしてしまうんですよね。
――自分に自信を持つためのヒントはありますか？
やっぱり自分をどれだけ褒められるかじゃないですか。日本人は謙遜するから「私なんて」「僕なんて」という人が多いんですけど、人に言わなくても「自分はこれをやった。すごいな」と思っておけばいいんですよ。昨日は５キロ走って、今日は5.5キロ走れたらそれだけでも自分を褒めてあげるとか、そういう小さい積み重ねが大事。上には上がいるので、人とはできるだけ比べない。まあ比べるのもときどき必要だったりするけど、できるだけいらない比較を減らして、昨日の自分と比較していくのが、僕はいろいろ試した中で一番よかったですかね。
――ちなみに、與さんはこれまで失恋したときはどう立ち直ってきましたか？
そういうときは近くにいてくれる家族や友だちに慰められつつ、また違う出会いを求めに行くとか。恋人がほしかったら自ら動いていかないと何も変わらないので、そっちにフォーカスしていきますね。でも振られて次の日に忘れられる人なんていないと思うので、そこはやっぱり時間がかかるけど、それがあったからこそ次の恋愛に発展するし、強くもなれるから、そこを経て新しい恋愛に向かっていけたらいいんじゃないかなと思いますね。
お悩み：好きな事を仕事にするのか、性格的に合っている事を仕事にするのか
「就活の事で相談です。現在、私は大学3年なのですが未だにどんな職種や業界に行きたいのか分からず、インターンシップにも一度も参加した事がありません。興味がある事、好きな事はありますがもしそれを仕事としてやろうと思ったら性格的に合わずストレスで辞めてしまうかもしれません。しかし、性格上合っているからという理由で興味も好きでもない事を永遠とやるというのも精神的に苦痛に感じてしまい辞めてしまうかもしれません。好きな事を仕事にするのか、性格的に合っている事を仕事にするのか、もし與さんならどういう選択をされますか？」
大学３年生・21歳・女性・めぐさん
アンサー：性格とか考えない！ 好きなことをやる！
性格とか考えない！ 好きなことをやる！僕は過去と未来のことを考えるほど、無駄なことはないと思っているんですよ。ポジティブな未来は考えたほうがいいですけど、「どうしよう」という不安な未来は無駄でしかない。過去も過去で、もう終わったことだからできるだけ考えない。失敗したとしても「あれがあったから同じ失敗をしないように避けられたな」とか「こういう人には気を付けよう」と考えられるようになったり（笑）、それを経験したから今があるなって僕は大人になってからすごく思いますし。めぐさんは将来の不安を仮定しすぎているけど、やってみないと分からないことも人生には多々あるので、やって合わなかったらそのときに考えればいい。昔はね、新卒などで初めて就いた職業を死ぬまで続けなきゃいけないみたいな考えがありましたけど、そんなのもう古い！ 最低限マナーや法律を守って、自分の好きなように生きていくのが大事だなと思います。
――めぐさんは先を考えすぎて、動けなくなっちゃっているのかもしれないですね。
そうですね。でも僕もアメリカに行っていろんな人に話を聞く前はネガティブにすぐに「No」と言いがちで、それで自分にストップをかけていたなと思うことがたくさんあります。けど、今は「なんでもできるじゃん」と思っているし、実際、本当になんでもできるんですよ。恋愛も友だち関係も仕事もすべてにおいて待っているだけじゃ何も起きないから、できることを探しにいっています。どうしようと悩んでいる人って意外と動いてないんですよね。いろんなことをやってみて、興味があるなと思うものが１個あっただけでラッキーくらいに考えておけばいいと思うんですよ。「これは合わなかったな」「この人とは合わなかった」と思ったなら次に行けばいいし、それを繰り返して自分に合うものや合う人に出会えるのが人生だと思うから。僕の周りのポジティブな人たちはそういうものを自ら求めて、学びに行ったり、探しに行ったりしているなと思います。
――これが最後の選択と思わず、動いてみることが大事なんですね。
でも若いときって、そう考えがちですよね。僕も「芸能界で仕事を続けられるかな、大丈夫かな」ともう何回も思っていたし、それが普通だと思うんです。でもこれから大人になるにつれて失敗もあってよかったなと分かるときが絶対にくるし、「焦らずにやりなさい」と大人はいっぱい言ってくると思うけど、本当にそうなんですよ。そして自分の好きなことを待たずに見つけに行くのが大事なことかなと思います。
與真司郎（AAA）さんから学生のみんなへ直筆メッセージ！
PROFILE
與真司郎（AAA）
1988年11月26日生まれ、京都府出身。男女混合パフォーマンスグループ・AAA（トリプル・エー）のメンバーとして2005年9月14日にシングル「BLOOD on FIRE」でデビュー。2021年11日には、 AAA過去最多となる6大ドームツアーを開催し、成功を収める。ソロ活動では、2021年9月、2度目のソロアリーナツアーを実施し、現在は、アーティスト活動を休止し、ライフスタイルを中心にメンタルや自身の考え⽅をWith online等のメディアを通して発信している。現在アメリカ・ロザンゼルスに在住。日本とLAを拠点に活動中。オリジナルライフスタイルブランド『446 ‒DOUBLE FOUR SIX- 』を設立しブランドプロデューサーとしても活動中。
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取材・文：東海林その子
写真：三橋優美子
スタイリング：村井素良
ヘア＆メイク：佐藤真希
編集：学生の窓口編集部
