家族が笑顔で過ごせる時間を。マクドナルドのハッピーセット®マーケティング担当のお仕事とは? 日本マクドナルド株式会社 【お仕事図鑑】

編集部:ゆう

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大湯緑さん
日本マクドナルド株式会社 ナショナルマーケティング部

日本マクドナルドに入社後、東京スカイツリータウン・ソラマチ店(東京都墨田区)で店長まで経験。採用内定中に妊娠がわかっており、育児と両立しながら時短勤務を活用して勤務。約3年半の店舗勤務後、マーケティング部に異動となる。自らの育児経験も活かしながら「ハッピーセット」の開発や広告宣伝などを担当。「おもちゃリサイクル」プロジェクトも企画段階から担当する。その後、2021年の9月からはブランド価値を向上させるマーケティング活動を担当している。

ハンバーガーとサイドメニューにおもちゃがセットになったマクドナルドの「ハッピーセット」。「子供のころの楽しみはハッピーセットだった」という人も多いのではないでしょうか。

今回は、この「ハッピーセットのおもちゃ」に携わる仕事に迫ります。果たしてどのような面白さや魅力が詰まった仕事なのでしょうか?

お話を伺ったのは、日本マクドナルド株式会社の大湯緑さんです。

ハッピーセットのおもちゃを開発し、世の中に展開する仕事

――まずはどのような仕事を担当しているかなど、自己紹介をお願いします。

日本マクドナルド株式会社、ナショナルマーケティング部の大湯緑です。東京スカイツリータウン・ソラマチ店でアシスタント、店長を務めた後、ナショナルマーケティング部に配属になりました。

ナショナルマーケティング部では「ハッピーセット」の開発と広告宣伝、「おもちゃリサイクル」プロジェクトの発足にも携わりました。

2021年9月からはブランドチームに異動となり、ちょうど移行期ということで今はハッピーセットとブランドの両方の仕事を行っています。

――ハッピーセットのおもちゃを開発する仕事について教えてください。

例えば、ハッピーセットのおもちゃの開発は発売日のだいたい15~18カ月前からスタートします。

そのため、1年以上先に何が流行するのかを考えながらどのようなおもちゃにするのかを考えます。実際におもちゃを作る会社の方や、キャラクターのライセンサーの方とやり取りをしながら、完成に導く仕事です。

おもちゃが完成した後は、できあがったおもちゃの魅力を最大限伝えられるよう、TVCMや広告代理店の方と一緒に考えます。私はこうした商品開発と広告宣伝という2つのフェーズを一気通貫でマネージメントしています。

――ブランドチームではどんな仕事をしているのですか?

ブランドチームでは、食材の品質や持続可能な調達、病気と闘う子どもとその家族を支える滞在施設ドナルド・マクドナルド・ハウスの支援、その他様々なマクドナルドのSDGsの取り組み等の企業努力を対外的に伝えることにより、お客様のブランドに対する信頼を高めていただくための活動を行っております。

また、“伝える”だけではなく、マクドナルドとしてSDGsの更なる取り組みとして何ができるのかを考えるのも重要なタスクです。とはいえ、9月に配属になったので、まだこちらの活動については「これから」という段階です。

――ハッピーセット関連では、具体的に日々の活動としてはどんなことを行っているのでしょうか?

実際にどんなことをしているのかというと、基本的に企画の細かい部分まで自分で考えるのではなく、「こんなのが作りたい」「こんなコンセプトで進めたい」というのを明記した資料を作ります。それを基に、関係各社の方々に提案してもらいながら、完成に向けて進めます。

私の考えが的確に伝わらなかった場合などは、思っていたのとは違う提案になってしまうこともあるので、より良いおもちゃになるよう、話し合い、課題解決をしながら完成に向けて進めます。

これが一連の作業です。この流れは広告宣伝でも同じです。

子供たちの健全な成長につながるおもちゃを提供する

――ハッピーセットの商品を作る上で意識している点はありますか?

「ハッピーセット」のおもちゃ作りは、どんなキャラクターにするか、どのような仕掛けを施すかが売り上げを大きく左右します。とはいえ、売れるのならなんでもいいというものではありません。ブランドに合うキャラクターであることや、キャラクターの良さを体現した商品であることが重要なので、そのバランスは意識しています。

また、「未来を担う子供たちがどのように育つか」は、おもちゃとの関わりが大きく影響すると考えています。おもちゃを作る立ち場として、「子供たちが健全に成長してくれるためにはどんなサポートが必要なのか」「どうすれば能力を伸ばせるような仕掛けにできるのか」も意識しています。そのため、開発には専門家の先生にも入っていただいています。

――「ハッピーセット」を、より多くの人に知ってもらうために実際に行った施策があれば教えてください

直近で行った試みでは、2021年のゴールデンウイークに行ったハッピーセット「トミカ」が成功例にあたります。この時は日産自動車株式会社様とのタイアップの中で日産様と一緒にお披露目の発表会を行い、おもちゃを通じて家族と過ごすかけがえのない時間の提案など、おもちゃに込めた思いを伝えるという初の取り組みにチャレンジするなど、お子さんだけでなくお父さんなど親も意識した内容にしました。

いつもはお子さんが「ハッピーセット食べたい」と親を誘いますが、このキャンペーンでは「ハッピーセット買いに行こうよ」と、親が子供を誘うようにならないかという狙いがありました。結果的に開始数日で品切れが発生するなど、成功したキャンペーンでしたね。

――これまでで一番印象に残っている仕事はありますか?

東京スカイツリータウン・ソラマチ店の店長時代に、商品開発をしたことがありました。店舗のある場所の特性上、ソラマチならでは商品を置く店が多くあり、自分たちも同じようにソラマチ店ならではの商品を販売できないかと会社に提案しました。

その結果、「ソフトツイスト」というソフトクリームの「巻き」を通常よりも倍にした「ソフトツイスト(タワーサイズ)」という新しい商品を生み出すことができました。

複雑な追加工程は必要ないのですが、ソラマチ店ならではということで販売したところ、販売時がちょうど隅田川花火大会だったこともあり、「ソフトツイスト(タワーサイズ)」を目当てに多くのお客さまに並んでいただきました。自分が考えた商品を目的に、多くのお客さまが並んでくれた光景は今でも忘れられません。

特別な経験でしたし、マーケティングの仕事がしたいと思ったきっかけでもありました。

90%を超える満足度を記録した「おもちゃリサイクル」の活動

――「おもちゃリサイクル」の活動についても教えてください。

「おもちゃリサイクル」は2018年から行っているものです。お客さまから「家にたまったおもちゃが多くて困っている」という意見があったため、一部の店舗では先にテストとして行っていました。その時点では回収量は多くありませんでしたが、利用されたお客様からは非常にポジティブなお声をいただいていました。

その結果を見て、「おもちゃリサイクル」の取り組みには高いポテンシャルがあると考え、全国展開に向けたプロジェクトが立ち上がりました。

全国展開する上でこだわったのは、「目に見える形で再製品化する」という点です。ただ回収するだけで終わるのではなく、「皆さんの協力のおかげでこんなことができました」というフィードバックが必要です。

そのため、私たちは回収したおもちゃを、店舗で使っているトレーの一部として再製品化しました。難しい課題も多くありましたが、目に見える形にするという工夫もあり、自分の思う形になったと思います。

――お客さまからの反響はどうでしたか?

参加されたお客さまの満足度を調査したところ、90%というなかなか出せない数字を得ることができました。親子でこの取り組みに参加したことで会話が増えたという声もありましたし、「ありがとう」という気持ちで回収ボックスに入れることで、「物を大切にする気持ちを育めた」という感想もいただきました。

私にも9歳の子供がいますが、「ハッピーセット」に携わる上で、子育ては勉強になることばかりでした。ある意味、子供が先生で、「これはどう思う?」と聞くなど、子供ならではの感性を学びました。

身近なブランドであるからこその面白さ

――マクドナルドの仕事に携わることのやりがいや面白さを教えてください。

マクドナルドは身近なブランドです。そのため、日常生活の中でマクドナルドについての会話を聞く機会が多くあります。

例えば、子供の習い事を見学しているときに、近くのお母さんたちがハッピーセットの話をしていたり、私の仕事を知らないママ友が、リサイクル活動について話してくれたりします。「自分の仕事がいろんな人の生活、日常に関わっている」と考えると、すごく面白いですし、楽しいです。

また、マクドナルドはフランチャイズビジネスなので、それぞれの店舗のオーナーさんが、それぞれにこだわりを持って運営をされています。そのため、その店舗ならではの「色」があるのも面白いと感じる点です。

――反対に難しいと感じることは?

先ほど店舗ごとに特色があると話しましたが、そんな中で、私はナショナルマーケティング部としても、各地での地域貢献、コミュニティーについて考えないといけません。

例えば北海道のオーナーさんからの意見を参考にコミュニティー活動を実施しても、それが沖縄のオーナーさんが求めているベストな取り組みとは限らないこともあります。地域性を考えながら、どのような取り組みをするか考えるのは難しいですが、一方でやりがいも感じる仕事です。

また、SDGs関連の活動を考える部に異動するきっかけは、先ほどの「おもちゃリサイクル」でした。SDGsの12番目の目標である「つくる責任、つかう責任」を考えるべきという活動でしたが、そこから私たちにもっとできることがあるのでは、と思い今のチームを希望しました。

これまでの延長ではありますが、今まで以上に視野を広げ、物事を考えないといけないと思っています。

自分なりの流儀を持つ人が活躍する会社

――マクドナルドで活躍している人に、何か共通点はありますか?

マクドナルドには「血の代わりにケチャップが流れている」と言われるほど、マクドナルド共通の想いが働く人々に浸透しているといわれることがありますが、私は他に2つ挙げられると思います。

一つは「こだわり」です。マクドナルドはマニュアルを徹底しているといわれます。しかし、マニュアルはあくまでもツールであって、大事なのはこのツールを使って何をするかという考えです。マクドナルドで活躍している人は、マニュアルだけでなく、自分の考えや経験から自分なりの流儀を生み出し、それを仕事に生かしている人が多いように感じます。

二つ目は「人を大切にする人」です。マクドナルドは19万人のクルーがいる大規模なビジネスです。ひとつの店舗でも50人、100人働いていることもあり、店長ひとりではお店は経営できません。だからこそ、人を大切にする気持ちは必要不可欠。活躍できている人は、どうすれば楽しく働いてくれるのかなど、人に真摯(しんし)に向き合っています。

――大湯さん自身の仕事へのこだわりを教えてください。

好奇心を大切にしています。何か気になったものがあればとことん調べるなど、自分が少しでも興味を引かれたものには本能的に飛びつくようにしています。

また、「言われ仕事」をしないことも挙げられます。言われたことをそのままではなく、自分で考えて、深掘りし、納得しながら仕事をするようにしています。これも「好奇心を大切にすること」に通じます。

好奇心を大切にしていれば、おのずと自分の「道」が見えてくるはずです。

――ご自身が思う「マクドナルドらしさ」とは?

マクドナルドに来店されているお客さまは年間約13億人、販売されるハンバーガー類は約12億個と非常にスケールの大きな会社です。しかし、マクドナルドは単に「ハンバーガーを売ってるだけの会社」ではありません。快適な食事の時間や、笑顔になっていただくことを大切にしています。

その上で、マクドナルドはお客さまだけでなく従業員やサプライヤーやビジネスパートナーも大切にしています。この考えも「マクドナルドらしさ」なのかなと感じます。

マクドナルドには「3本脚のいす」という考え方があります。フランチャイジー、サプライヤー、従業員の3つが連携してビジネスをするという考えです。この考えが浸透しているからこそ、パートナーとの強い信頼関係が築けています。

――今後チャレンジしてみたいことや、目標はありますか?

繰り返しになりますが、SDGsの観点で会社として何ができるかに挑戦したいと思います。「おもちゃリサイクル」のときには良い出会いもあり、発足時から携わることができましたが、今度はゼロベースで何か新しいことを立ち上げたいですね。気持ちとしては社内起業家です。

「好奇心」が仕事をより面白くする

――マクドナルドに入社した理由を教えてください。

マクドナルドを選んだ理由は3つあります。まずは大学時代にマクドナルドでアルバイトをしていたこと。仕事の内容がすでに分かっていて、入社後に何をしていくのかを理解していたので、自分なりのビジョンが描けました。

大学で国際ビジネスを専攻していて、その中でマクドナルドのグローバルな活動を多く学んだことも理由のひとつです。店舗で働くだけでなく、マクドナルドの社会的な活動を知ることで、グローバルに展開する面白い会社であると考えるようになりました。

また、就活でマクドナルドの人事に会った際、「マクドナルドではリーダーシップ能力を磨く考え方を重視している」「自身を成長させられる会社」だと聞いたのも、入社を後押ししました。

――どんな学生時代を過ごしていましたか?

学生時代はインカレの活動に積極的に参加しました。日中韓の学生でビジネスコンテストを行ったり、日米の学生で社会問題について議論したり、在日コリアンについて考える会に参加したりと、さまざまなインカレで活動しました。

とにかくいろんなことを頑張った学生時代でしたね。自らの可能性を模索していた時期で、自分の興味がどこにあるのか探りながらいろんなことに挑戦しました。

――学生時代の経験で、今の仕事に役立っていることはありますか?

海外に行ったり、外国の学生と交流したりといった活動は役立っています。言語もそうですが、さまざまな「考え方」や「価値観」に触れ、学べたことは大きいです。学生時代に異なる価値観に触れたからこそ、固定観念を捨て、柔軟な考えで物事に取り組めています。

――最後に学生へのメッセージをお願いします。

私のこだわりとして「好奇心」を挙げましたが、学生の皆さんも好奇心を大切にしてほしいです。好奇心を持って仕事に取り組めばより楽しくなりますし、新しい発見もあります。人生も楽しくなるはずです。

また、私は学生結婚をして内定者のときに妊娠しました。内定をもらったのは2012年新卒採用時でしたが、1年待ってもらって2013年に入社することになりました。こうした異質なキャリアを歩んだ身として、女性のキャリアを考えるときなどには、その会社の考えを見ることが大事だと学びました。

私のように、採用時に妊娠していた人が入社するとしても、「それでも働かせてあげるべきだ」と考えている人がいる会社であれば、制度や前例がなくても、受け入れてくれます。入社する会社の制度に注目しがちですが、ぜひ「どのような考えを持っているか」を見るようにしてください。

 ――ありがとうございました! 

※記事内容及び社員の所属は取材当時のものです。

編集後記

マクドナルドの「ハッピーセット」に携わる仕事の面白さや、マクドナルドという会社の魅力などを伺いました。マクドナルドは、社員ひとりひとりが会社の理念を理解し、自分なりのこだわりを持って働いているとのこと。マクドナルドが業界のトップランナーであり続ける理由は、この点にあるのかもしれませんね。

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文:高橋モータース@dcp

編集:学生の窓口編集部

取材協力:日本マクドナルド株式会社
https://www.mcdonalds.co.jp/

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