斉藤和義「今思うと、あの敗北感は悪くないよね」中学3年間補欠だった野球部時代 #ボクらの時代コラム
様々なジャンルで活躍する著名人の方々によって繰り広げられるトーク番組『ボクらの時代』。あえて司会者を置かない本番組では、ここでしか聞けないトークが盛りだくさん。人生の先輩であるみなさんのお話は、きっと学生のみんなにきっかけやヒントを与えてくれるはずです。
フジテレビ提供
10月10日(日)に放送された『ボクらの時代』では、野性爆弾・くっきー!さん、ミュージシャンの斉藤和義さん、バイきんぐ・小峠英二さんが登場。音楽を通じて親交を深めたという3人が、音楽についてや現在の仕事に就こうと思ったきっかけについて、また音楽制作とネタ作りの共通点やコロナ禍の過ごし方についてなど、幅広いテーマで語り合いました。
中学3年間補欠だった野球部時代「今思うとあの敗北感は悪くない」
フジテレビ提供
現在公開中のアニメーション映画『リクはよわくない』でキャラクターデザインを担当したくっきー!さんと主題歌を担当した斉藤さん。以前から面識があったことから、主題歌『朝焼け』のレコーディングでは、くっきー!さんもギターやコーラスで参加したんだとか。
一方、斉藤さんと小峠さんは共通の友人(元ブランキー・ジェット・シティのドラマー・中村達也さん)を通じて知り合ったそうで、この日は“音楽が共通点”な3人が集まってのトークとなりました。
お笑いの道に入ったきっかけを「バンドをやってたボーカルのやつにお笑いやろうって誘われて。そいつとめちゃめちゃ仲よかったんですよ。1年のうち360日一緒にいるぐらい」と話すくっきー!さん。対して小峠さんは「僕は小学生の頃から芸人やりたくて。中学、高校はバンドやってましたけど、それでいこうっていうのはまったくなかったですね。お笑い以外は考えてなかったです」とキッパリ。
「斉藤さんは?」と聞かれ、「中学生の頃からギタリストになりたいと思ってバンドばっかりやってて。でも高校出たあと、先輩にアコギを持ってブルースハープを吹きながらブルースみたいなことをしている人がいて、『ああいうのがいい』と思って。ブルースハープのホルダーを付けてる姿がカッコよくて、ブルースハープより先にホルダーを買っちゃった(笑)」と答えるおちゃめな斉藤さんに2人とも大ウケでした。
その頃からオリジナル曲を作り始めて、今もその頃の曲を歌うことがあるという斉藤さんに「学生時代、モテたでしょ?」と聞く2人でしたが、意外にも斉藤さんは「いやいや全然。中学校時代は野球部だったけど、ずっと補欠で3年間球拾いで終わったし」と明かします。
フジテレビ提供
すると小峠さんが、「中学3年間野球部で補欠って、僕もまったく一緒です」と、斉藤さんとの意外な共通点を告白します。それを聞いて、「あ、ホントに!?」と驚く斉藤さんでしたが、「でも、今思うとあの敗北感は悪くないよね。そんなことない?」と小峠さんに同意を求めますが、小峠さんは「そうですか!? オレ、あれで野球大嫌いになりましたよ」と、いまだに複雑な思いを抱いている様子。それを聞いて「いや、わかるわかる。すごいわかる」と同意しながら、小峠さんをなだめる斉藤さんでした。
一方、小峠さんから「部活やってないでしょ?」と聞かれ、「やってたよ。バレーボールと陸上と、高校入ってからはテニス」と、いろんな部活経験があることを明かすくっきー!さん。しかしやはりくっきー!さんも部活には苦い経験があるようで、「僕、貧血持ちで。バレーボール部でピンチサーバーやってんけど、試合で緊張しすぎてサーブする瞬間に貧血起こして倒れてしまって。部活やめてん」と当時の苦々しい思い出を振り返っていました。
「(コロナ禍でのライブは)声を出せないからこその繋がりも感じられる」
フジテレビ提供
斉藤さんに「コンビでのネタ作りとピンでのネタ作りは違うの?」と聞かれたくっきー!さんが、「野性爆弾でやるときはいくらブッ飛んでてもツッコミが入って修正してくれるんで自由にやってるけど、ピンネタはやっぱりこう、洗練された計算のもと……」ともっともらしく話していると、すかさず小峠さんから「いや、ムチャクチャですけど」とツッコミが入ります。
さらに、「オチとか決めてるの?」と聞かれ、「決めてないです。終わり方ってどうでもよくないですか(笑)?あんまり意識しないですね。漫才で最後に『なんでやねん!もうええわ!』で終わるのあるじゃないですか。ああいうの、なんかちょっと照れくさいというか」と話すくっきー!さん。さらに、「今はだいぶマシになったけど、一時はトークするのも恥ずかしかったんですよ」と、意外な本音を明かします。
斉藤さんに「ネタ作りに煮詰まることは?」と聞かれた小峠さんは、「よくありますけど、3時間って決めてますね、自分の中で。喫茶店でネタ書くんですけど、考え始めて3時間で出なかったらもうやめよう、って。で、気晴らしに映画観たり本読んだりして、そこからヒントないかな、みたいな感じにしますね。3時間以上考えても、やらなきゃいけないって思ってるだけで、脳はそんなに考えてないというか」と、ネタ作りのコツを明かします。
と、ここで斉藤さんの曲作りが話題に。「最短で1曲どのくらいの時間でできたことがあるんですか?」という質問に、「3〜4時間でできたことはある。稀だけどね」と言い、しかもそういう曲の方が残ると話す斉藤さんに、「やっぱそうですよね!ネタもホントそうですもん。そういうことなんだな〜、歌も笑いも」と、感心したように話す小峠さん。するとくっきー!さんも「こねくり回したらあかんねんな。一発目の発想がいちばんなのよ」と同意していました。
コロナ禍での音楽業界の大変さについて聞かれると、「お客さんも声も出せなくて大変だけど、出せないからこそのつながりも感じられて、それはそれで面白い経験してるなと思う」と斉藤さん。ライブ会場がシーンとしていても“気”のようなものは感じるそうで、「だから意外と(今までより)一体感ないか?みたいな気がしたり。不思議だけど、今しかない経験だなと思って」と、今の状況を楽しむ一面も明かしていました。

フジテレビ提供
するとくっきー!さんが、「コロナでなんもできひんっていう人いっぱいおると思うけど、『できひん』じゃなくてなんかしてみな、って。そしたら絶対なんか変わるから。未来開けるからさ。新しい自分が見つかるし。ほら、楽しい未来が待ってるやん!」と右手の人差し指を高らかに上げてニッコリ笑顔を見せます。
その発言に、小峠さんが「どこまでが本気かわかんないんだよ」とボソッとつぶやくと、「このモード入ったら本気なわけないやろ!」と逆ギレのくっきー!さん。でも、笑いながらも「ホントそうですよね」と、くっきー!さんの冗談とも本気ともつかない言葉に同意する小峠さんでした。
大学生のみなさんも、「なにもできない」と感じたときであっても、とにかく「なにかしてみる」ことで、本当に新しい自分が見つかるかもしれません。また、斉藤さんのように、野球部での辛かった経験を「今思えば悪くない」と思ったり、コロナ禍の厳しい音楽業界の中でも楽しみを見つけたり……と、常にプラス思考でいるようにすると、どんな状況下でも楽しむ気持ちを忘れないでいられるのではないでしょうか。
『ボクらの時代』フジテレビ系(毎週日曜7:00~7:30)
放送日:10月10日(日)
くっきー!×斉藤和義×小峠英二
『ボクらの時代』公式ホームページ
<次回の放送>
10月17日(日)7:00~7:30
鈴木京香×高橋克実×江口のりこ
文:落合由希
編集:学生の窓口編集部