「うるう年」は実は4年に一回じゃない?! メカニズムを天文学の専門家に聞いてみた #もやもや解決ゼミ

編集部:ゆう
2020/02/27
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2020年は「うるう年」! そのため、2月は28日ではなく29日までありますよね。でも、うるう年は何のためにあって、なぜ2月だけが1日だけ多くなるのでしょうか?
また、実はうるう年は必ず4年に1回ではないというウワサも……。

「うるう」年は実は4年に一回じゃない?! メカニズムを天文学の専門家に聞いてみた? #もやもや解決ゼミ

今回は、京都情報大学院大学の作花一志教授に「うるう年」について教えてもらいました。


うるう年はどのように決められている?

うるう年は以下のような定義で決められています。

1.西暦年が400で割り切れる
2.西暦年が4で割り切れるが100で割り切れない

このどちらかの条件を満たす場合にうるう年となり、それ以外は平年です。たとえば、2000年は1の条件を満たし、2020年は2の条件を満たすのでうるう年です。

しかし、1900年は4でも100でも割り切れるためうるう年ではありません。「うるう年は4年に一度」だと思っている人もいますが、実はそれは誤りなのです。

とはいえ、単純に4年に一度にすればわかりやすいですよね。では、なぜこのようなルールになったのでしょうか。

なぜ単純に4年に一度じゃないの?

現在使われている「グレゴリオ暦」は、1582年から使われている太陽暦(地球が太陽の回りを1周するのにかかる時間を基にした暦)です。それ以前は同じく太陽暦の一つである「ユリウス暦」がヨーロッパで使われていました。

ユリウス暦では「西暦年を4で割り切れる年」をうるう年と定め、この年は1日多い366日にしていました。なぜ1日多くするのかというと、「暦と回帰年(地球が太陽の回りを1周するのにかかる日数)とのずれ」を修正するためです。

太陽暦は1年を365日と定めていますが、回帰年は約365.24219……日なので毎年約0.2422日ずつ差が出てしまいます。その差を補正するために、ユリウス暦では4年に一度366日にして、その差を修正しようとしたのです。

しかし、4年に一度366日にすることで1年の平均日数は365+1/4=365.25となり、今度は回帰年よりも長くなってしまったのです。1年だとわずかな差ですが、ユリウス暦は1600年もの長い間使われたため、16世紀には10日もの差が生じていました。

うるう年の秘密

この問題を解決するために、当時のローマ教皇グレゴリウス13世が学者たちに暦の研究を行わせ、ユリウス暦を改良した「グレゴリオ暦」を制定しました。

グレゴリオ暦は、暦と回帰年のずれを最小にするために「400年間で97回うるう年を置く」計算になっています。先ほど挙げた「暦年が400で割り切れる」「西暦年が4で割り切れるが100で割り切れない」というのは、この400年間で97回うるう年を置くための規則なのです。

400年間で97回うるう年を置くと、暦の上での1年は365+97/400=365.2425となり、回帰年の365.2422との差は約27秒とかなり小さくなります。1日は8万6,400秒ですから、1日の差が生まれるまでに約3200年かかる計算です。

ちなみに、グレゴリオ暦よりもっと正確な暦は簡単に作ることができますが、そのルールは非常に複雑で実用には向きません。

なぜ2月を1日多くするの?

うるう年は「2月」を1日多くしますが、これはユリウス暦の時代より前から行われてきたことです。古代ローマでは2月(Februarius)が年末で、3月(Martius)からが新しい年の始まりでした。

そのため、わかりやすいよう年末に1日追加していました。この風習がそのまま引き継がれ、現在も2月を1日多くしているのです。

「うるう秒」って何?

「うるう秒」というものがありますが、これもうるう年と同じく時間の差を調整するために存在します。

時間の長さを決める基準となるのが、地球が1回転するまでにかかる時間です。1回転するまでを1日として、それを基準に1分や1秒の長さを決めていました。これを世界時といいます。

しかし、時間の長さを高い精度で測定する原子時計で正確な時間(以下、原子時)を測ったところ、世界時と原子時とではわずかな差があることがわかりました。

地球が1回転する速度は「常に一定」ではないため、日によって差が生じるのです。

この差が大きくなった場合に、世界時と原子時の差がプラスマイナス0.9秒になるように、うるう秒を挿入して修正します。直近では2017年1月1日に1秒挿入し、調整が行われました。

「西暦年が400で割り切れる年」か「西暦年が4で割り切れるが100で割り切れない年」がうるう年になるとのこと。4年に一度必ず訪れるものではないのですね。

ちなみに、直近で4で割り切れるけどうるう年にならないのは西暦2100年。まだまだ先の話ですが、「うるう年」の話と一緒に覚えておくと、会話のネタになるかもしれませんよ!

イラスト:小駒冬
文:高橋モータース@dcp


教えてくれた先生

作花一志
京都情報大学院大学 教授。
1943年生まれ。京都大学 大学院 理学研究科宇宙物理学専攻博士課程修了。理学博士(宇宙物理学)。京都コンピュータ学院教学部長・鴨川校校長を経て現職。日本応用情報学会理事・元一般社団法人日本天文教育普及研究会編集委員長。

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家族との時間がなにより一番大事!!お酒と音楽とオーディオが大好きな、もうすぐアラフィフおじさん(気分はお兄さん)です。

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