おすすめ歴史小説8. 『悪道』森村誠一

～伊賀忍者の末裔が暗躍～
徳川綱吉の時代。実権を握ろうとする綱吉の側近柳沢吉保と、伊賀忍者の末裔流英次郎との攻防を描いた歴史小説です。
フィクション本作の肝を担っていますが、歴史のメインストリートに登場しない忍者が活躍する小説として人気を集めています。

電子書籍で読む

おすすめ歴史小説9. 『峠の群像』境屋太一

～忠義を尽くすか、家族を守るか～
赤穂浪士、通称「忠臣蔵」と呼ばれる４７人の義士の葛藤を描いた小説です。主君の討ち入りに萌える義士だけでなく、討ち入りをすることで家族がどうなってしまうのかと悩む義士が登場したり、赤穂藩を維持するために金を工面するにはどうすればいいかなど現実的な問題にも切り込まれていたりして、討ち入りまでの様子をリアルに描いています。

おすすめ歴史小説10. 『栄花物語』 山本周五郎

～悪名と言われた男の真実を描く～
『栄花物語』といえば平安時代に描かれた作品が本家ですが、山本周五郎が書いた本作は徳川中期に活躍した老中、田沼意次に焦点をあてた歴史小説です。
賄賂などで悪名高い彼ですが、天災や飢饉などに見舞われる中いかにして政府を立てなおすか、先進的な方法で解決に奔走します。読後、彼のイメージが覆るでしょう。

電子書籍で読む

おすすめ歴史小説11. 『正妻 慶喜と美智子』林真理子

～1人の男を愛した2人の女性～
徳川家最後の将軍、徳川慶喜の正妻、美智子と愛妾のお芳を中心に描いています。正妻として夫の立場を重んじ、家を背負って接する妻と、愛されているからこそ存在意義がある、と自らの立場を謙虚に捉える愛妾。立場の違う2人の女性が見る幕末とは。
林真理子さんは『白蓮れんれん』『六条御息所』など女性を主役に据えた歴史小説を多数書かれていますので、本作を楽しんだ方はこちらの作品も手に取ってみてください。

おすすめ歴史小説12. 『壬生義士伝』浅田次郎

～新撰組隊士の家族を想う気持ち～
時は幕末。新鮮組が猛威を奮っていた頃、ひとりの武士が新撰組に仲間入りします。彼はなぜ、新撰組に入隊したのか。盛岡から来た武士、吉村貫一郎の思い出を巡る形でこの小説は進みます。『鉄道員（ぽっぽや）『椿山課長の七日間』など、「人を想う心」を丁寧に描き出す浅田次郎さんが書いていることもあり、戦中心ではなく人の心に焦点をあてた作品です。

電子書籍で読む

おすすめ歴史小説13. 『野火』大岡昇平

～極限状態に陥った男の手記～
第二次世界大戦時、フィリピンのレイテ島にて病を患った主人公は病院へ行きますが、入院を拒否されます。部隊へ戻ると足手まといだから来るな、病院へ戻れ、と言われ、部隊と病院の間を彷徨います。死期が迫るなか「死に方を選べる」ことに喜びを見出した主人公は、彷徨いながら自身の精神世界に囚われ、戦とは違う別の景色が見えるようになります。作者の実体験を基に描かれていることもあり、我が身に起こるような臨場感を持った戦争小説です。

電子書籍で読む

おすすめ歴史小説14. 『諸葛孔明』陳舜臣

～諸葛孔明の歩んできた道をたどる～
『三国志』でその名を知られている軍師、諸葛孔明。本作では彼の幼少期からスポットをあて、決して誰もがうらやむ人格者ではなく、喜怒哀楽を持った「ひとりの人間」として描いています。作者の陳舜臣は『三国志』も書いています。「『三国志』は長すぎて挑戦しにくい！」という方はまずはこの『諸葛孔明』からはじめてみて、そのあと同じ作者の『三国志』に挑戦してみてはいかがでしょうか。

電子書籍で読む

おすすめ歴史小説15.『双頭の鷲』 佐藤賢一

舞台は14世紀中期のフランスです。ナポレオンでもなく、ジャンヌ・ダルクでもない、フランス史上最強の将軍といわれたベルトラン・デュ・グクランの生涯を描いた歴史大作です。グクランの活躍がメインとなっていますが、要所要所に決して明るいばかりではないという描写が入り、物語にコントラストをつけています。日本ではあまり語られなかった人物と言うこともあり、先入観なく楽しめる一冊です。