Excelの「参照」とは? 相対参照や絶対参照の意味の違いや使い方を解説

更新:2023/05/29

ITスキル



Excelには「参照」という機能があります。
これは、1つのセルの値を複数の数式で利用したり、指定したセルの値の変更を、数式に自動反映させたりするものです。

今回は、Excelの「参照」について、その意味や使い方を詳しく解説していきます。相対参照や絶対参照の違い、両者を利用した複合参照の手順など丁寧にご紹介いたします。

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Excelの「参照」とは?

Excelの「参照」とは、数式に特定の「セル番地(ワークシート内にあるセルの場所)」を指定することで、その指定されたセルを「見に行く」ことを指します。

「セル番地」は、A列の1行目は「A1」のように、列と行番号を合わせて表示します。

例えば、セルB1に数値「5」が入力されているとしましょう。
隣のセルA1に「=B1」という数式を入力すると、セルA1はセルB1の値を見に行く(参照する)ことになり、結果セルA1も「5」と表示されるわけです。

そして、参照はリアルタイムで有効なので、上記のセルB1が「5」→「6」に変われば、セルA1も瞬時に「6」と変わるしくみです。

このように、Excelの参照は主に数式内において使われ、参照によってその数式に必要なデータを見つけることができるのです。

Excelの「参照」の種類

Excelの参照には大きく分けて「相対参照」と「絶対参照」があり、その両方を組み合わせた「複合参照」というものもあります。

それぞれの違いや、どんな時に使うと便利なのかを解説します。

相対参照

「相対参照」はExcelで基本設定となっており、「数式セルの位置」を基準にして「参照するセル」を認識するものです。

例えば、セルA1に「=B1」と入力されていた場合、絶対的な「B1セル」を見に行くというよりも「右に1つ隣のセル」を見に行くと認識しているのです。

そのため、数式を別の場所にコピーすると、参照先も自動的に変わるというのが大きな特徴。上記の例でいうと、セルA1の数式をA2にコピーすると、A2の「右に1つ隣のセル」を見に行くため自動的に「=B2」となります。

相対参照は、表の行ごとに足し算や掛け算をしたい時などに使うと便利です。

下表のように、A店だけ「=B2+C2」と足し算を入力したら、

エクセル 相対参照1

B店以下は数式をそのままコピーすれば、自動的に各店舗の数を足し算してくれます。

エクセル 相対参照2

絶対参照

「絶対参照」とは、セルをコピーしても参照先が変わらないように固定させたものを指します。

固定させるには「$」マークをセル番地に付記します。$マークを付けることで、絶対的なセル位置だと認識されるので、たとえコピーしても自動的に変わっていくことはありません

絶対参照は、常に同一のセルを数式に含ませたい時に使うと便利です。

下表で店舗別の売上高を計算したい場合、計算式は「単価×販売数」ですが、数量が店舗ごとに変わっていくのに対して単価はB1セルの120円で変わりません。

エクセル 絶対参照

この場合は商品単価の120円を表すB1セルを「$B$1」と入力することで、B店もC店も常にB1セルを見に行ってくれるようになります。

複合参照

「複合参照」とは、絶対参照と相対参照の両方を組み合わせたもの。

先ほど絶対参照で「$B$1」としたところを、複合参照では「$B1」あるいは「B$1」のように入力することで、セル番地の列か行のどちらかだけ固定します。

複合参照は、列と行のいずれかだけを固定したい時に使うと便利です。

下表でもしも4月の計算だけなら、商品単価は「$B$2」と絶対参照でも問題ありません。ですが5月の計算も出てくるとしたら、単価セルは「B2」→「D2」と変わっていきますよね。

エクセル 複合参照

このように、列は変わっていくが行は変えたくない(常に2行目)、そんな時に複合参照「B$2」を使えば、5月の売上高にそのままコピーしても「=D$2*D5」と正しく計算してくれるのです。

参照の種類ごとの設定手順

ここからは、それぞれの参照の種類ごとの設定手順を改めて解説していきます。正しく設定するには「$」マークを正しく使いこなすことがポイントとなります。

相対参照の設定手順

相対参照を利用し、野菜の合計金額を求めます。

(1)セルD2に「=B2*C2」と入力します。

Excel 参照とは? 意味 使い方

(2)セルD4に計算結果が求められました。

(3)オートフィル機能(連続して同じ数値や数式を入力する機能)を使い、セルD5からセルD7までの合計金額を算出(カーソルをセルD4の右下角に合わせ「+」が表示されたら、そのまま同じ数式を入れたい場所までドラッグ)。

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(4)相対参照によって、D列に正しい計算結果が表示されました。

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下の行も選択してみると、正しい数式が入っていることが確認できます。

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絶対参照の設定手順

5店舗の総納品数を、絶対参照を利用して求めていきます。

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(1)セルE4に「=C4*$E$1」と入力します。
・$マークは直接入力以外に、「=C4*E1」の数式にカーソルを合わせ、F4キーを押しても変更できます。

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(2)セルE4に計算結果が表示されました。

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(3)オートフィル機能を使い、セルE5からセルE7までの総納品数を算出。

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(4)絶対参照「$E$1」によって店舗数「5」が固定され、E列に正しい納品数が計算されたことが分かります。

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下の行にも正しい計算式が入っています。

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複合参照の設定手順

セル番地の列、行どちらかに$マークをつけ、列や行のみを固定するのが複合参照です。複合参照を利用して、野菜の合計金額を求めていきます。

(1)セルD4に「=B4*$C4」と入力し、C列のみを固定します。
・$マークは直接入力以外に、「=B4*C4」の数式にカーソルを合わせ、F4キーを押しても変更できます。

Excel 参照とは? 意味 使い方

(2)セルD4に計算結果が表示されました。

Excel 参照とは? 意味 使い方

(3)オートフィル機能を使い、セルD5からセルD7までの商品金額を算出。

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(4)複合参照によってD列に正しく計算結果が反映されたことが分かります。

Excel 参照とは? 意味 使い方

下の行にも正しい計算式が入っていることが確認できます。

Excel 参照とは? 意味 使い方


まとめ

Excelの参照には「相対参照」「絶対参照」「複合参照」と3つのタイプがあります。それぞれを上手く活用することで、面倒な計算でもスムーズに値が求められます。

参照は、数式の作成においては不可欠なので、Excelの中でも非常に重要な機能の1つです。何となく理解していただけたら、すぐに実践!手を動かして自分で表を作ってみると、理解が深まるはずですよ。

(マイナビ学生の窓口編集部)

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