新卒社員が提出すべきアルバイト時代の源泉徴収票について解説

更新:2024/02/08

税金・年金


新社会人になる前にアルバイトをしていた場合、アルバイト時代にもらった源泉徴収票が社会人後に必要になってきます。

新社会人になった年の、1月・2月・3月分の源泉徴収票がいるのですが、保存してありますか?

新入社員の初めての年末調整について詳しく解説します。

▼こちらも合わせてチェック!
【浪費家度診断】あなたは大丈夫? お金遣いの荒さをチェック!

入社前のアルバイト収入も年末調整に出すべき

一般企業では、12月になると年末調整が行われます。年末調整とは、従業員の給与から差し引かれる(天引きされる)税額を、正しいものに調整することです。

年末調整の対象となるのは、その年の1月1日から12月31日までの給与所得です。

新社会人の場合は、学生時代の1月から3月にかけてもらったアルバイト代も該当します。そのため会社が年末調整を行う上では、バイト時代の源泉徴収票も必要になるのです。

アルバイト収入が20万円以下でも源泉徴収票が必要

勘違いしてしまうケースとしてよくあるのが、アルバイト収入が20万円以下の場合に「申告不要」だと判断してしまうこと。

税金を計算する為には、その年にもらった、すべての給与所得を対象に考えます。アルバイト代が20万円未満であっても、会社の給与所得と合わせて一年間の給与所得と考えるのです。

アルバイト時代の収入に対する源泉徴収票は、就職先に提出して年末調整を行うか、自分で確定申告をする必要があるのはそのためです。

一か所から給与を受けている人の場合、「給与所得、退職所得以外の所得が20万円を超える」ときや、2か所以上から給与の支払をうけている人のうち、給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整されなかった給与の収入金額と給与所得およびたい所得以外の所得金額との合計額が20万円を超える人は、確定申告(国民が納めるべき税額を決めるために行う、国への申告制度)が必要となっています。

そのため、会社の給料以外のアルバイト代が20万円を超えていなければ申告はいらないと勘違いしてしまうのです。

年末調整はなぜ必要?

会社勤めをしている従業員の場合、給与から所得税が差し引かれています。本来、個人で算出し納付するべきところを、会社が代わりに徴収(源泉徴収)しているのです。

天引き額は、本来の納付額よりも多い場合があります。そこで年末調整により、一年間の収入や控除される額を計算して、天引きしていた所得税との差額を調整します。

年末調整にアルバイト時代の源泉徴収票を出さなかった場合の対処法

会社によっては、アルバイト時代の源泉徴収票を求めてこないケースもあります。アルバイト分の給与が年末調整されなかった場合は、自分で確定申告を行いましょう。

確定申告には、アルバイト先の源泉徴収票と、年末調整後に会社から渡される源泉徴収票が必要です。会社の源泉徴収票は、1月末までに税務署にも提出するため、12月、あるいは翌年1月分の給与明細とともに同封されていることが多いようです。

確定申告は2月から3月にかけて税務署で行う

確定申告は毎年1月1日から12月31までの1年間に生じた所得について、翌年2月16日から3月15日までの間に税務署で受付けています。また申請用の用紙も、国税庁のホームページから入手でき、パソコン上から入力できるようにもなっています。e-Tax(電子申告)は、1月上旬から24時間利用可能することができるので便利です。

年末調整の時期を過ぎてしまった人は、まず受付期間を確認して、早めに源泉徴収票を揃えておくといいでしょう。

アルバイト先の源泉徴収票がない場合はどうすれば?

もしアルバイト先の源泉徴収票がない場合は、どうすればいいのでしょうか?

所得税法上、源泉徴収票は、従業員が退職してから1カ月以内に本人と税務署へ発行しなければならないという決まりがあります。そのため、気が付いていない内に実は届いていた、ということも考えられます。

アルバイト先は源泉徴収票の再発行に応じる義務がある

どうしても見つからない場合は、アルバイト先に連絡をして、再発行してもらいましょう。所得税法第226条では、労働者が会社に源泉徴収票を請求したときには再発行する義務が定められています。再発行も含め対応してくれるはずです。

再発行してもらえない場合は税務署に「源泉徴収票不交付の届出」を行う

万が一「再発行できない」と言われた場合は、「税務署に相談してみます」と伝えましょう。税務署からの指導が入ることは、企業にとってもあまりいいことではありません。

その後、税務署で「源泉徴収票不交付の届出」を行います。これにより税務署の指導が入るため、会社は源泉徴収票を発行せざるを得なくなります。

年末調整も確定申告もしなかったらどうなる?

年末調整や確定申告を行わない場合、税金を納め過ぎていても、その分が戻ってこないままになってしまいます。また、納付額が足りない場合は過少申告とみなされて、ペナルティーを科されてしまうこともあります。いずれにせよメリットはありません。

年末調整や確定申告では、その年に納める所得税を算出し、あらかじめ天引きされていた税金との差額を精算します。

その結果、納めなければならない金額よりも、多く天引きされていた場合は、その差額が還付金として戻ってくるのです。反対に、納めなければならない金額に、天引きされていた分が足りない場合は、追加で支払わなければなりません。

確定申告は申告期限から5年以内まで可能

還付の場合は、申告期限から5年以内であれば確定申告ができ、過払い納付した分が戻ってきます

逆に、納付金が不足していた場合は、税務署から指摘される前であれば、自分で修正申告が行えます。その場合、加算税や延滞税がかかる場合もあるので注意しましょう。

仮に学生アルバイトの申告を忘れていたのが3年前のことでも、その年の源泉徴収票が用意できれば、税金の可不足を精算することは可能です。きちんと精査をして、手続きを行いましょう。

アルバイト時代の源泉徴収票は捨てずに取っておいて

近年ではマイナンバー制度が進み、確定申告や年末調整に使用する申告書にも、記入が必要になりました。

そのため、納付状況が把握しやすい環境が作られてきています。

学生時代のアルバイト分も正しく申告をしておきましょう。

(マイナビ学生の窓口編集部)


【監修】根本 寛朗(FP Office株式会社)

ファイナンシャルプランナー。大学卒業後、証券会社、外資系生命保険会社を経て2015年FPとして独立。10年以上金融実務経験のあるFPとして子育て世帯を中心に年間300件以上の相談を行う。自身も投資家であり資産形成や資産運用相談を得意とし、ライフプランニングを軸に、住宅・教育資金・老後設計や相続などの相談にも対応している。また、新聞やWEBサイトの記事の執筆や監修を行い、セミナー講師、大企業の社員向け金融教育も行う。最近では、小・中・高校など教育機関での金融教育にも力を入れている。 

【メディア実績】 日経新聞、産経新聞、マイナビウーマンなど

学生の窓口編集部

「3度のご飯よりも学生にとっていいことを考える!」の精神で 大学生に一歩踏み出すきっかけコンテンツをたくさん企画しています。 学生生活に役立つハウツーから、毎日をより楽しくするエンタメ情報まで 幅広く紹介していますので、学窓(がくまど)をチェックしてみてください!

関連キーワード:

関連記事

新着記事

もっと見る

HOT TOPIC話題のコンテンツ

注目キーワード

 ビジネス用語・カタカナ語80選

 キャリアロードマップの一歩目

  • ピックアップ