毎日のニュースでも報告される株価と為替の値動き。株式投資に興味のある人ならば「乖離率(かいりりつ)」は気になるキーワードではないでしょうか?例えば、個別銘柄の「乖離率」をみれば、その株が「買われすぎ」なのか、「売られすぎ」なのかがわかります。ここでは「乖離」のそもそもの言葉の意味や、使い方を解説します。
乖離の「乖」の文字は、中国語で「(子供や一部の動物が)言うことをよくきく、お利口さんである。(子供などが)賢い、すばしこい」をあらわす意味の語句です。
書き言葉では「(情理に)もとる、背く、違う。(人の性質・行為などが)ひねくれている、ねじけている」という意味があり、日本で使っている「乖離」はこの中の「背く(そむく)」という意味になりますね。
乖離は、数値や考え、思いなどが想定していたものに対し不本意にも離れている、遠ざかってしまっているといったネガティブな場面で使用されることが多い言葉です。
「乖離」をよく耳にするのは、やはり株価の値動きに関するニュースです。株価を統計で考えた場合、何日間の(25日を基準で考える人が多い)平均価格より上か下か、どのくらい平均と離れている(乖離している)のかは、今後の値動きを予想するために重要な指数だからです。では、例文をみてみましょう。
・7月24日の終値時点で最も25日移動平均線との乖離幅が拡大している銘柄は、A社会(証券コード)で、乖離率は57.13%となりました。
ビジネスシーンでは「乖離」を以下のように使用します。
「乖離」の類語には「離反」があります。
「離反」には「従っていたものや属していたものから離れ背くことと」いう意味があります。離れそむくという意味では「乖離」と同じですが、「離反」はもともと従属していたものから、そむき離れる場合に使います。
また、「かいり」の同音異義語に「解離」があります。こちらにも「離れる」の文字がありますが、こちらの「解離」は「ときはなれること」、また「といてはなすこと」を意味します。ドラマで話題にもなった「解離性同一性障害」は、こちらの「解離」になりますね。他にも「解離性大動脈瘤」、「椎骨(ついこつ)動脈解離」など、病名で使われることが多い言葉です。
「乖」という文字は、日本ではあまり使う例を見ないことから、馴染みの少ない人も多いとは思いますが、「乖離率」という言葉は、株式取引ではよく目や耳にする言葉です。みなさんも「乖離」と「解離」の違いを覚えて、機会があれば使ってみてくださいね。
・執筆:こにしこにし
編集者・ライター。広告代理店で約10年間営業を経験したのち、クリエイティブに転向。ハウスエージェンシーでのコピーライター、編集プロダクションでの編集・ライター職などを経て2018年2月フリーランスに。京都の観光記事や企業の採用ページのインタビュー記事などを手がける。
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