「ご期待に沿う」の正しい使い方 沿う・添うの違いは?

2021/09/13

対人マナー

「ご期待に沿う」は、さまざまなビジネスシーンでよく聞かれる言葉です。「ご期待に沿(添)えるように努力する所存です」「ご期待に沿(添)えずに、誠に申し訳ございません」など。ここでは、「ご期待に沿(添)う」の例文を挙げながら、正しい使い方について解説していきます。

「ご期待に沿う」と「ご期待に添う」の違いは?

厳密に言うと、「期待に沿う」と「期待に添う」は意味に若干の違いがあります。しかし、国語辞書によっては「期待に沿う」と「期待に添う」の両方が併記されている場合もあります。メールでも「期待に沿う」を使う場合と「期待に添う」を使う場合がありますが、どちらが正しくてどちらが間違いということがあるのでしょうか。

「沿う」は「基準になるものから離れない状態」、「期待される理想像とひどく違わない状態を保つ」、「流れに従って動くこと」などを指します。

「添う」は「なにかに付け加えること」、「そばを離れずにいる」、「(人と)親密な関係を築くこと」などを指します。

したがって、「ご期待に沿う」の場合は「期待された内容や要求にぴったり従い、はずれないようにする」といったニュアンスになり、「ご期待に添う」の場合は「期待された内容や要求に寄り添う」といったニュアンスになります。

ビジネスにおいては、「沿う」のニュアンスで使用することが圧倒的に多いので、「期待に沿う」と覚えておいて間違いないでしょう。

「ご期待に沿う」の使い方

メールでお礼やお断りをする場合に、「ご期待に沿う」をうまく利用すると丁寧で、失礼のない文面に仕上げることができます。例えば、サービス商材を導入した顧客に対するお礼メールの例文を見てみましょう。

このたびは、たくさんあるサービスの中から当社の○○をお選びいただきまして、誠にありがとうございます。みなさまのご期待に沿えますよう、今後より一層のサービスの拡充に努めてまいります。

また、注文を断ったり、仕事をキャンセルしたりする場合には以下のように使用します。

このたびは、当社のプロジェクトに参加いただきまして誠にありがとうございました。残念ながら○○様のご期待に沿いかねる結果となってしまい、深くお詫び申し上げます。次の機会には、検討させていただく所存ですので、その節は何卒よろしくお願い申し上げます。

「ご期待に沿う」を使ってはならないシーンは?

「ご期待に沿う」はあらたまった場面で使用する言葉です。具体的な仕事の依頼を受けた際に使用する場合は不自然になることがあります

例えば、上司から「今月の君の売り上げ目標は○○円だよ。期待しているからね」と言われた場合、「はい、ご期待に沿えるように努力いたします」という返答では、上司に対して失礼にあたるだけでなく不自然です。この場合は「はい、目標の○○円を達成できるように努力いたします」と、具体的な数字を挙げて返答するのが正しいでしょう。

「○○に沿う」を使った例文

それでは、「○○に沿う」という言葉を使った例文をいくつか取り上げていきましょう。

明らかにお客様側に落ち度がある場合の商品の返品や交換のメール

このたびは、当社の○○をご購入いただきまして、誠にありがとうございます。商品到着後にお客様のミスによって破損されたとのこと、誠に申し訳ございませんが、このケースの場合はお客様都合の返品扱いとさせていただいております。したがいまして、交換というお客様のご要望には沿いかねます。何卒ご了承くださいませ。なお、サポート室の方で修理の対応を承っております。お客様の実費とはなりますが、誠心誠意サポートをさせていただきます。何卒よろしくお願い申し上げます。

お客様から期待しているという声をかけられた場合

・今後も、お客様のご期待に沿えるように精進してまいります。
・みなさまのご期待に沿えるように社員一同努力してまいります。今後とも変わらぬご愛顧をたまわりますよう、お願い申し上げます。

相手の要望に応えられない場合

ご依頼の件につきまして、ご希望に沿えず誠に申し訳ございません。

面接を断る場合

このたびは、当社の面接に参加いただきまして誠にありがとうございました。人事部で慎重に検討を重ねてまいりましたが、残念ながらご希望に沿えない結果となりました。末筆ながら、今後の貴方様のご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。

商談を断る場合

このたびは、ご商談にお時間をいただきまして誠にありがとうございました。社内で検討したところ、喫緊の課題ではないとの結論に至り、今回の導入を見合わせていただくことになりました。ご期待に沿えず誠に申し訳ございません。また機会がございましたらその節はよろしくお願いいたします。


今回は「ご期待に沿う」の正しい使い方について例文を交えながら解説してきました。「ご期待に沿う」という言葉は、相手に言いにくい文章を丁寧で礼儀正しい文面に整えてくれます。上手に使って円滑なメールのやりとりに活用してください。あらたまった言葉なので、対面で使用する場合には注意が必要です。


マイナビ学生の窓口編集部

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