「取り急ぎ」は、ビジネスメールで使える便利な言葉です。
ビジネスシーンでメールの返信が遅いと、相手に悪印象を与えかねません。そのため、遅くとも24時間以内には返信したほうがよいでしょう。
すぐに答えは出せないけれども、メールが届いていることを相手に伝えたい場合には「取り急ぎ」を使います。
とはいえ、マナー違反の使い方をすると相手に大変失礼な言葉でもあります。
ここでは「取り急ぎ」の意味や失礼にあたらない使い方を例文とともにご紹介します。
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「取り急ぎ」の意味は「とりあえず急いで」というもの。ビジネスメールにおける「取り急ぎ」は、本題で伝えたい要件については「十分な対応や準備ができていない状態だが、急いでわかる範囲で現状を伝えます」「間に合わせの処置として」というニュアンスが含まれます。
「取り急ぎ」の類義語に「とりあえず」がありますが、これは「すぐに、さっそく」や「さしあって、ともかく、まず」という意味です。
後者には、「まだ準備が完璧ではない」というニュアンスが含まれているように受け取れます。
緊急の用事や、何はともあれ急いで伝えたいことがある場合にのみ使いましょう。
「取り急ぎ」という言葉には「急場しのぎ」というニュアンスがある一方で、お祝いやお礼の気持ちを「すぐに伝えたい」というニュアンスが感じとれます。
受け取り手によって、さまざまな感じ方があるので「このシーンで使うのはグレーゾーン」という場面も多いです。
「取り急ぎ」をよく使うフレーズとビジネスシーンにはこのようなものがあります。
具体的な使用例については後述しますが、この3パターンが使いこなせればいいでしょう。
「取り急ぎ」を使う場合は、「追ってご連絡」という言葉がセットになることが大半です。
取り急ぎの連絡は、差し迫った要件のために詳細が未定であったり、本来回答すべき返事ができていなかったりする状況がほとんど。そのため、必ず後から詳細や回答を連絡すべきです。
また、不十分な回答で相手を不安にさせないために、「いまはこんなご案内またはお返事しかできませんが、後からきちんとしたご連絡をします」ということを明記しておくとよいでしょう。
お礼やお祝いなど、できるのであれば会って気持ちを伝えたいけれども、距離や時間の関係ですぐには会えないような場合の結びの文でも『取り急ぎ』を使います。
この場合は、本文でお祝いの言葉を伝えたあとで「聞いてすぐにメールした」ことが伝わる文章で締めくくります。
具体的な返信内容は後日になるけれども、送られたメールを受け取り、内容を見たときにも「取り急ぎ」を使います。
ーーー
いつもお世話になっております。
この度は展示会のご案内をいただき、誠にありがとうございます。
取り急ぎメール拝受のご連絡を申し上げます。
週末には来月のスケジュールが決まりますので、
追ってご連絡させていただきます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
ーーー
イベントなどが中止になった場合で、開催予定の日程が差し迫っている場合も急いで連絡する必要があります。
変更後の日時が決定していなくても、相手が変更前の日時のスケジュールを空けていてくれているのですから、とにかく早く連絡しましょう。
ーーー
お世話になっております。〇〇の田中です。
先日お伝えしておりました4月30日(月)のイベントが、
中止になりましたので取り急ぎご連絡いたします。
日を改めて開催する予定にしておりますので、
決まり次第追ってご報告させていただきます。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
ーーー
お祝いの挨拶など、相手から特別返信を求めず、こちらからの言葉を早く相手に伝えたいような場合のメールでも「取り急ぎ」は使えます。
対応してもらいたい内容や用件などは特になく、ひとまずお祝いの挨拶を送る場合は締めの言葉としても使えるので便利です。
ーーー
平素は身にあまるご高配を賜り、
誠にありがとうございます。
さて、この度は北関東支社長にご就任されましたとのこと、
まことにおめでたく、心からお祝い申し上げます。
佐藤様の長年の実績と信用によるものと改めて感服しております。
今後ますますお忙しくなられることと存じますが
くれぐれもご自愛の上、
いっそうご活躍されることを、心からお祈りいたします。
取り急ぎ、略儀ながらメールにてお祝い申し上げます。
ーーー
「取り急ぎ」は失礼と感じる人も少なからずいます。そんな時に便利なのが、言い換え表現です。
代表的なものに、この4つがあります。
どれも「詳細は後ほどお伝えしますが、この情報だけはお伝えしたいので連絡しました」というニュアンスがあるものです。
メールを送信する相手によって使い分けましょう。
英語で「取り急ぎ」は
のようになります。
どんな口調で伝えるべきなのかは、日本語と同じく相手によって選びましょう。
「取り急ぎ」を使うとき、このような状況のときはマナー違反であり失礼にあたります。
「取り急ぎ」は急な要件を伝えるものです。メールを受け取ってから数日経過しているものに対しての返信には使えません。見落としており、急いで返信する場合は見落としてしまっていたことに対する謝罪文を入れましょう。
お詫びや謝罪のメールに使うのも好ましくありません。社内調整や調査が必要な場合でも、「取り急ぎ」とはしないので注意しましょう。
また、「取り急ぎ」のメールを送った後に詳細な内容を送らないのもマナー違反です。相手に「その後どうなっているのだろうか」と不安を感じさせてしまいます。
それ以外にも、グレーゾーンであるシーンがあるので2つ紹介します。
お礼を伝えるときの「取り急ぎお礼まで」は、相手によっては「失礼だ」と感じる場合があるので注意が必要です。
「会社の取引先から何かをいただいた」といった場合は、先輩や上司に「取り急ぎのお礼メールを送ってもいいか」聞いてみましょう。
「あの取引先は、取り急ぎなしで後日菓子折りを持っていくべき」など指示があるはずです。
「取り急ぎ」には「不十分な準備」や「急場しのぎ」のようなニュアンスが含まれます。そのため、目上の方やクライアントへの使用は避けたほうがよいと考える方も多いです。
しかし、相手からのメールが急ぎの要件であった場合、まずは「見ました」ということだけは伝えておいたほうがよいでしょう。
また、レスポンスの速さを重視する上司などの場合にも、取り急ぎの連絡をしたほうが無難です。
言葉から受ける印象は、人それぞれです。自分では全く気にならない言葉でも、人によっては気になるといったこともあります。
「取り急ぎ」は便利な言葉ですが、使う相手や状況によっては失礼にあたることも。悩んだら上司や先輩に聞いてみてくださいね。
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