ガンプラの第一人者、川口名人に聞いた! ガンプラの歩みとこれから

2014/09/28

社会人ライフ

ガンプラの第一人者、川口名人に聞いた! ガンプラの歩みとこれから

アニメ『機動戦士ガンダム』に登場するモビルスーツなどのプラモデル、通称「ガンプラ」。

ガンプラは1980年に初めて発売され、現在までファンを拡大しながら売れ続けています。そんなガンプラの進化について、株式会社バンダイ ホビー事業部マーケティングチームの川口克己さんにお話を伺いました。川口さんは、業界では「川口名人」として知られている、ガンプラの第一人者です。

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■川口名人も大忙しだったガンプラの黎明期

——ガンプラは1980年に発売されて、『機動戦士ガンダム』の人気と共に大ブームになりました。川口さんはその頃からガンプラに関わっていらっしゃいますね。

川口名人 そうですね。最初はガンプラ制作キットの作例を作っていて、自分の作品が雑誌に紹介されることもありました。

——ガンプラ制作の指南書『HOW TO BUILD GUNDAM』(ホビージャパン社刊)でも川口さんの作品はたくさん紹介されていますね。

川口名人 懐かしいですね(笑)。この本は大ヒットして、続編『HOW TO BUILD GUNDAM 2』も刊行されました。取材をお受けする時は2冊セットになった復刻版を持ち込むことにしています。

——当時はどのような制作環境でしたか?

川口名人 まずキットの種類も少なかったですし、今とはキットの内容も全く違っています。例えば可動部分が少なかったり。ですから、アニメに登場する動き、印象的なシーンをどのように表現するかに苦労していました。ガンダムをリアルに見せるために、スケールモデルからウェザリング(汚し)の技法を持ち込んだり、弾痕の跡を付けたり、いろんな工夫を凝らしていましたね。

——ウェザリングといった言葉をこの本で初めて知った人も多かったのでは。

川口名人 そうかもしれませんね。ガンプラは、それまでのミリタリープラモで育った世代と、もっと若い世代との橋渡しをしたのかもしれません。

■今は、接着剤も色塗りも不要!

——当時と比べてガンプラのキットはずいぶん進化しましたね。

川口名人 はい。昔は接着剤が必要でしたし、またアニメに登場するものを再現したければ自分で色を塗らなければなりませんでした。

今は、

・パーツをランナーから外す
・外したところをきれいにする
・パーツを組む

という三段階の作業を繰り返すことで完成します。これは大きな違いですね。デカール(ロゴなどを転写するためのシール)を貼るのは昔と同じですが、転写するために水にデカールを浮かべる作業が不要のものもありますし。

——昔と比べるとずいぶん楽に組めるようになっています。

川口名人 より簡単に、アニメに登場するモビルスーツを再現できるように進化してきた結果といえるでしょうね。

だからこそ、その先の工夫、さらなる表現は、作り手の腕次第という部分もあるのですが。

■アニメの設定画をそのまま立体にはできない

——アニメに登場するロボットをプラモデルにする難しさはどんな点ですか。

川口名人 まず、アニメの設定画はあくまでもアニメ用のものであって、それがそのままプラモデルに使えるわけではないということです。

例えば、ガンダム一つとっても、参考にできる設定画などの資料は限られています。前面のパースと後面のパース、あとは動きのサンプル画しかなかったりします。

そこから立体物になるよう図面を作るためには、足りない部分は想像、「解釈」で補わないといけないのです。

例えば、関節の位置が絵によってずれているのを修正したり、最もかっこよく、またアニメの動きをうまく再現できるものにしたり、プラモデルにするためにはそういう過程が必要になります。

——メカニカルデザイナーさんによって、プラモデル化の難しさは違いますか。

川口名人 それぞれ違う工夫があります。例えば、最初のガンダムのデザインは大河原邦男先生ですが、大河原先生のデザインには独特のボリューム感があります。それをうまく取り入れて、プラモデル化するにはそれなりの設計をしなければなりません。大河原先生はご自分でも立体造形をされますから、どのようにプラモデル化するかご相談をさしあげることもありますね。

——最近では、アニメでも3DCGモデルが使われてますが、それをプラモデル化に利用するといったことはあるのでしょうか。

川口名人3DCGモデルはあくまでもアニメ用であって、プラモデルにする際にそのまま使えるといったことはありません。やはり、立体物にするのにはそれ用の工夫と設計が必要になります。

■リアルの追求こそガンプラの進化

——これからガンプラはどのように進化していくでしょうか?

川口名人 キーワードの1つは「リアル」ということではないでしょうか。ガンプラはある意味「どのようにリアルにするか、どのようにしてリアルに表現するか」を考えて進化してきたと思います。現在は、お台場に18メートルの実物大のガンダムがあります。

あれがリアルなガンダムの一つの到達点だとすれば、ガンプラはあのガンダムを表現できていなくてはなりません。ガンプラ「RG 1/144 RX-78-2ガンダム」はそのようにして作られました。

これからもその時代、その時代でリアルとは何か、ガンダムをリアルに見せるにはどうすればいいのか、を考えたキットになっていくと思います。

■世代の断絶をなくしたい! そして世界へ!

——来年はガンプラ35周年ですが。

川口名人 そうですね。1980年に発売されてから、ここまで長い歴史があります。現在までに累計で4億3,400万個を出荷しています。たくさんの人に愛されてここまできました。

——ガンプラは世代を超えた趣味になるのではないですか。

川口名人 そうなってほしいと思いますが、ガンプラを製作していない世代も実はいるのです。「ファミコン」の登場によって、ゲームの方に熱中していた世代です。こういったガンプラに触れなかった世代をなくすことで、本当に切れ目なく、どの世代の方もガンプラで遊んだ経験があるようになったら本当にうれしいですね。

また、現在私たちはガンプラ作りの世界大会である『ガンプラビルダーズワールドカップ』を開催しています。海外で日本のアニメに興味を持つ人が増えていますし、その影響でガンプラを作りはじめた人もいます。

きっと海外のモデラーは、日本とは違った解釈でガンプラを作るのではないでしょうか。世界でもガンプラ愛好者をもっと増やしていけたらと思っています。

——ありがとうございました。

ガンプラは現在も進化を続け、バリエーションを増やしています。これからもその歩みが止まることはないでしょう。

(高橋モータース@dcp)

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