子どもの頃に読んだ絵本というのは、大人になった今でも覚えているものですよね。「ぐりとぐら」や、「はらぺこあおむし」、「おおきなかぶ」などなど。動物や食べ物が出てくるお話は特に心踊ったものです。ところが、最近はそんなファンタジー要素から逸脱した、怖い絵本が多く出版され話題を集めています。そこで、表参道にある絵本専門店「クレヨンハウス」の店員さんに、オススメの怖い絵本を聞いてみました!
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「雷」「マンホール」「広い部屋」なぜか子どものころ怖かったもの
●『絵本 地獄』風濤社(宮次男監修/白仁成昭・中村真男構成)
「一番人気なのはやはり『地獄』ですね。少し前に話題になりましたけど、今でも手に取る方が多いです」(クレヨンハウス店員さん・以下同)
怖い絵本代表といえば『地獄』。テレビや雑誌などでも取り上げられ、読んでみたという人も多いのでは? 死んで地獄に落とされかけた五平が生き返り、見てきた地獄を語るというストーリーなのですが、その内容はかなりハード。灼熱に焼かれ続ける焦熱地獄や、拷問を永遠に受け続ける阿鼻地獄などが、克明に描かれます。挿絵に使われているのは、千葉県の延命寺というお寺に保管されている本物の地獄絵図だそうです。古めかしい絵柄が恐怖をいっそう煽ります。子どものしつけに良いと買っていく親御さんが多いそうです。確かにこれ読んだ後は一切の悪さができなくなりそうです......。
●『うぶめ』岩崎書店(京極夏彦著/井上洋介絵)
「こちらの本も人気ですね。大人が読んでも怖いと思います」
小説家であり妖怪研究家の京極夏彦作の絵本。死んでしまった母親が「うぶめ」という妖怪となって家族の前に現れるという物語なのですが......筆者すでにいい年した大人ですが、冒頭からゾッとしてしまいました。間違いなく、子どもの読む絵本の書き出しではないので、ぜひ心して読んでみていただきたいです! また、描き殴ったような挿絵が延々と続き、心が休まりません。
さて、ここからは筆者が独断と偏見で選んだ、『大人が読んでも怖い絵本』をご紹介します!
●「怪談えほん いるのいないの」岩崎書店(京極夏彦作/町田尚子絵)
京極夏彦の絵本デビュー作です。おばあさんの家でしばらく暮らすことになった『ぼく』。そこには誰かいるような気がして......というあらすじ。なぜか猫だらけの不気味な家に、一切表情が見えないおばあさんと、奇妙な世界観に引きこまれます。最後までじっくり読んでみてくださいね。
●「怪談えほん マイマイとナイナイ」岩崎書店(皆川博子作/宇野亜喜良絵)
マイマイという女の子と、小さな弟ナイナイ。クルミの中に入ってしまうほど小さい弟のナイナイは誰にも見えません。幻想的だけど、どこか不安にさせる挿絵が特徴。ネタバレになってしまうので詳しくは言えませんが、目がむず痒くなるというか、背中をかきむしりたくなるような描写があります。苦手な人はとことん苦手な絵本かも......。
子どもの頃に読んだら確実に夜トイレに行けなくなりそうな絵本の数々。少ない文字数が、余計に怖さを増しますよね。大人の皆さんでも、読んだら眠れなくなるかも......?
文●中村未来(清談社)
クレヨンハウス
http://www.crayonhouse.co.jp/s...
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