ポピュラーな刑罰ってほんと!? 世界のいろいろな島流しを調べてみた

更新:2016/01/28

社会人ライフ

ポピュラーな刑罰ってほんと!? 世界のいろいろな島流しを調べてみた

時代劇でお奉行さまが「遠島申しつける!」なんて判決を述べるシーンがありますが、この「遠島」、つまり「島流し」は世界でも一般的な刑罰なのだそうです。そこで今回は世界の島流しについてご紹介します。



■日本の島流し

一般的には、島流しといわず「流刑」(この場合流されるのが島とは限らない)ですが、流刑は日本では古くからポピュラーな刑罰だったそうです。日本は島しょ国家で、「流す場所」には事欠きませんからね。



記録に残る最初の流刑は「伊予」(現在の愛媛県)に流された「木梨軽皇子」だそうです。伊予と並んで土佐(現在の高知県)も流刑地とされていました。当時四国は、都のある京都から非常に遠い土地だったのです。



時代は下りますが、『平家物語』に登場する「鬼界ヶ島」も有名です。俊寛、平康頼、藤原成経が流され、俊寛以外の二人は恩赦で許されて京都に戻れました。ただし、この「鬼界ヶ島」がどこかについては「硫黄島」「喜界島 」など諸説あります。



平安時代以降は、「佐渡島」「隠岐の島」「伊豆大島」が代表的な流刑地になります。江戸時代には「八丈島」(伊豆七島)「佐渡島」、明治時代には「北海道」が代表的流刑地でした。北海道に流刑になると、強制労働に従事させられました。



ちなみに「流刑」は1908年(明治41年)を最後に廃止され、現在はありません。



■世界各国の島流し

●イギリスの島流し

世界に冠たる大帝国を作り上げたイギリス。世界各地に植民地がありましたので島流しのスケールが大きいです。代表的な流刑地は「アメリカ」「オーストラリア」「タスマニア島」でした。アメリカが独立した後はオーストラリアが主な流刑地でした。



●フランスの島流し

何かとイギリスとライバル関係にあったフランス。こちらも植民地が世界各地にありましたので流刑地は本国から遠いです。代表的な流刑地は「ニューカレドニア島」「デビルズ島」でした。デビルズ島はフランス領ギアナにある島です。



●ロシアの島流し

ロシアなど国土が広いんだからわざわざ島流しになんかしなくても......と思いますが、まさにそのとおりで、流刑というと「シベリア」「カムチャツカ半島」「樺太」が主な流刑地です。このうち間宮海峡で大陸と隔てられている「樺太」だけが島ですね。



●中国の島流し

大陸は広いので、中国の歴代国家も流刑地というのに特に「島」を選ぶということはなかったようです。政治的にやばい人物を、例えば三国志で有名な「蜀」の地に送るといったことはありました(険しい山に囲まれた土地なので逃げにくいし、都へ出てきにくい)。あえて「島流し」の代表的な流刑地を挙げれば、宋代の「沙門島」、また一時期の「海南島」だそうです。



●世界で最も有名な島流し!

西洋で、島流しにされた有名人というと、やはりフランスの英雄、ナポレオン・ボナパルトでしょう。彼は「セントヘレナ島」というアフリカ大陸の西岸から2,800キロメートルも離れた絶海の孤島に幽閉され、その生涯を終えました。



●脱獄不可能な孤島の監獄!

イギリスの巨大な流刑地だったアメリカですが、監獄が島にあって、そこに行くことは事実上の島流しという刑務所がかつてありました。サンフランシスコの「アルカトラズ」です。このアルカトラズ島に建設された監獄は、寒流の影響で海に入れば死亡するというので「脱獄不可能」な「ザ・ロック」といわれました。有名なアル・カポネが収監されたことでも知られています。現在では観光地になっています。



(高橋モータース@dcp)

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