マーティン・スコセッシが映画監督志望の若者にすすめた日本映画7本

がくまどエンタメ部
2019/10/20
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マーティン・スコセッシが映画監督志望の若者にすすめた日本映画7本

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2012年、巨匠マーティン・スコセッシ監督が、映画監督志望の若者に向けて39本の映画をすすめたことが報じられました。これは、ピクサー・アニメーション・スタジオに所属するクリエーターのコリン・レヴィさんが自らのブログで明かしたもの。
2006年に短編映画のコンテストに入賞した際にスコセッシ監督と出会い、映画制作のアドバイスを求めたところ、後日監督から39本のおすすめの映画リストやDVDや本が送られてきたのだそうです。

リストは全てアメリカ国外の映画で、そのうち7本が日本映画でした。今回は、そこでスコセッシ監督がピックアップした日本映画を紹介します!
映画監督や映像業界に興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。

『東京物語』(1953年)

広島県・尾道に暮らす周吉と妻のとみは、ある日東京に住む子供たちの元を訪れます。しかし子供たちは仕事が忙しく、両親の相手ができません。そんな中、戦死した次男の妻の紀子だけが、周吉ととみを連れて東京を案内することに。二人は紀子に感謝をして尾道に帰りますが、数日後にとみが危篤に陥り……。

小津安二郎監督の代表作の一つで、かつて仲の良かった家族の関係が、年を重ねることで希薄になっていくさまを淡々と描いています。小津作品ならではの固定カメラが多用されていることや、ストーリーのシンプルさに物足りなさを感じる人もいるかもしれませんが、家族のつながりについて考えさせられる作品です。
特に大学進学で地元を離れている人に見てもらいたい一本です。

『生きる』(1952年)

市役所の市民課で毎日代わり映えのしない仕事を淡々とこなす渡辺は、ある日自分が余命幾ばくもないことを知ります。渡辺は自分の仕事や人生にむなしさを感じ、仕事を無断欠勤して夜の街で豪遊することに。
そこで転職する部下に出会った渡辺は、彼女の何気ないひと言で自分のすべきことは何かを考え……というストーリーの作品。

本作は、タイトルにもなっているように「生きるとは何か」がテーマ。情熱も意欲も失って黙々と仕事するだけの毎日を送る渡辺が、大病を患ったこと、毎日を意欲的に送る部下と出会ったことで、生きることの意味や価値を見いだします。
その過程や結末は、これから長い社会人生活を送ることになるみなさんの心に刺さるのではないでしょうか。昨今の日本の現状を踏まえても、今改めて見るべき映画だといえます。

『七人の侍』(1954年)

麦を狙って野武士が村を襲撃してくることを知った百姓の利吉たちは、村を守るために力を貸してくれる侍を探します。利吉は、宿場町で出会った浪人の勘兵衛に依頼することにしますが、勘兵衛は引き受けるにも侍が7人は必要だと告げ……。

上述の『生きる』と同じく黒澤明監督の代表作の一つで、日本だけでなく海外でも高い評価を受けている作品です。斬新な演出やカメラワーク、巧みな編集によって生み出された迫力のアクションが見事で、特に終盤の「豪雨の決戦シーン」は、現在でも国内外の映画関係者から賞賛されています。
フランシス・フォード・コッポラ、ジョージ・ルーカス、スティーヴン・スピルバーグといった巨匠たちも、大きな影響を受けた作品として挙げている傑作です。

『雨月物語』(1953年)

農業の他に焼き物を作って売ることで生計を立てている源十郎は、戦が始まる前に焼き物をたくさん売ろうと考えていました。一方、源十郎の義弟の藤兵衛は農民から侍になることを夢見ています。そんなある日、村に武士たちの軍勢が押し入り、一家は離散してしまい……というお話。

源十郎と藤兵衛が、自分の夢と欲のために大切な存在を失う過程を描いた作品。江戸時代の怪異小説『雨月物語』の中の2編と、モーパッサンの短編『勲章』を元にストーリーが作られています。中盤以降のモノクロながらも幻想的で美しい映像が魅力的で、『第13回ヴェネツィア国際映画祭』で銀獅子賞を受賞するなど、海外でも高い評価を得ています
溝口健二監督は女性が虐げられるさまをリアルに描くことでも知られ、本作でも男の夢のために翻弄される悲しい女性たちの姿が描かれています。

『山椒大夫』(1954年)

安寿と厨子王の幼い姉弟は、父に会いに行く途中で人買いにだまされ、山椒大夫の奴隷にされてしまいます。過酷な毎日を送りながらも成長した二人は、ついに山椒大夫の荘園からの脱走を企てます。厨子王は無事に脱出しますが、弟を逃がすために安寿は一人残ることに……というストーリーの作品。

森鴎外の小説を元にした作品で、安寿と厨子王の幼い姉弟の悲劇を描いています。溝口作品らしく映像の美しさが魅力で、特に一人残った安寿が再び山椒大夫に捕まるのを避けるために沼に身を投げるシーンは必見です。
悲しくはかなく、それでいて安寿の力強い決意が垣間見える名シーンです。

『天国と地獄』(1963年)

ある日、製靴会社の常務・権藤の下に「子供を誘拐した」と電話が入ります。しかし権藤の息子は無事で、実は権藤の運転手・青木の息子が間違って誘拐されたのです。青木は権藤に身代金を払うよう頼みますが権藤は聞きません。実は権藤には身代金を払えない事情があり……。

黒澤明監督による現代劇で、エド・マクベインの小説『キングの身代金』が原作です。映画の前半と後半で物語が大きく変化するのが特徴で、前半は誘拐事件を巡るヒューマンドラマ、後半は事件の真相に迫る推理ドラマとなっています。前半は三船敏郎、後半は仲代達矢と中心人物が変わるのも面白い点。

時間を忘れて見入ってしまう、極上のエンターテインメント作品といえます。

『絞死刑』(1968年)

殺人罪で捕まった死刑囚Rが絞首刑に処せられます。しかし、首つり状態になってもRは死ぬことがなく、処刑は失敗。Rは首つりのショックで記憶喪失になってしまいます。記憶喪失のままでは刑を執行できないため、刑務官たちはRの記憶を取り戻す方法を模索しますが……というストーリー。

大島渚監督の名を世に広めるきっかけになった一作で、死刑制度への疑問がテーマになっています。かなり重いテーマではありますが、全体的にユーモラスに描かれており、そこまで重苦しさは感じません。記憶を取り戻すために街に繰り出して事件現場に行き、コミカルに事件の状況を再現するなど、シュールな場面もしばしば。
死刑制度については長く論争が続いていますが、こうしたアプローチでの問題提起もあるのだなと感嘆する作品です。


マーティン・スコセッシ監督がすすめた7本の日本映画をご紹介しました。いずれも後世に残る名作ばかりです。この機会に見てみてはいかがでしょうか。

(中田ボンベ@dcp)

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