【3min小説】一人暮らしと、初めての風邪と、たまご粥。 #最高の仕送り

編集:ナベ子
2019/10/08
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【3min小説】一人暮らしと、初めての風邪と、たまご粥。


ーー朝起きると頭が重く、節々が痛かった。

昨日のサークルの練習後から寒気を感じていたものの、寝たらすぐに治ると思っていたが、ダメだったらしい。金曜日だからといって、夜遅くまで羽目を外したのがいけなかったのか。

体温計…とカラーボックスに乱雑に突っ込んであるケースを取り出してみたが、そんなものを用意しているタイプじゃないことは自分が一番知っている。フラつく体を引きずりながら、冷蔵庫へと向かう。ほぼ空っぽの冷蔵庫の中に唯一ある水を一気に飲み干した。

薬を買いに行きたいが、どうも着替える気力がおきない。なんとかベッドまで戻り横になるが、全身が熱く、気持ちが悪い。

 

ーー大学入学を機に上京して、半年が過ぎようとしている。

憧れの街、気の合う友達、音楽サークルの練習と、とても充実した大学生活を送っていたが、体調を崩したのは初めてだった。

実家にいたころは、体温計も薬も、なんならすぐに食べられるレトルトのお粥も、スポーツドリンクも全部揃っていた。

お母さんに一言「風邪ひいた」と言えば心配してくれて、「もういいよ、大丈夫だから」とこちらが思わず止めてしまうほど、気にしてくれていたのに。一人暮らしになった途端、全て自分でなんとかしないといけないのはとても辛かった。

「もう18歳なんだから」と言って、一人暮らしに憧れて家を出たのはいいけれど、ちゃんと一人で立派に暮らしているのかと言えば、まだ自信はない。

ベッドに横になりながら、体調が悪くなったときにいつもお母さんが作ってくれたたまご粥を思い出した。和風出汁を使った薄めの味付け、最後にネギを散らした簡単なおかゆ。優しい味付けで、弱った体に染みたっけ。

もう一度食べたいなあ…と思った瞬間、インターホンが鳴った。

「宅配便でーす!」

体力が有り余っているような声がドア越しから伝わってくる。なんでこんなときに…と思ったが、再配達を依頼するほうが面倒なので、ゆっくりと起き上がる。「はい」と返事をして、ドアを開けると、いかにも体育会系な爽やかなお兄さんが立っていた。

「ここにサインを…はい、ありがとうございましたー!」

ーー受け取ったダンボール箱に貼ってある伝票を見ると、お母さんからだった

『美咲へ。元気にしていますか?お盆に帰ってこれなかったみたいだから、気になって荷物を送ります。いつも秋が来る前に美咲は風邪をひいているから、ちゃんと食べて、体調には気をつけるんよ。またこっちに帰ってこれたら連絡ください。母より』

 

ダンボール箱の中身を見ると、風邪薬と冷却ジェルシート、お湯で溶かして飲む粉末タイプのスポーツドリンクが入っている。手早く食べられるゼリー飲料や、缶詰、そしてレトルトのたまご粥。

 

ーーいつも秋が来る前に、美咲は風邪をひいているから

 

お母さんの優しさがぐっと胸に刺さる。…なんだ、全部お見通しなのか。

のど飴、漢方薬、マスク…お米と一緒に大量の風邪対策グッズが入っていて、思わず笑ってしまった。

キッチンに置いてある耐熱容器に、たまご粥を入れる。電子レンジで温めてフウフウと冷まして一口食べた。お母さんの味付けにはもちろん負けるけれど、弱った体にはじんわり染みる。

これを食べたら久しぶりに実家に電話をしようと思った。

(Story:田中さやか、illustration:Minami Kitabayashi



【リアル調査と編集後記】親の想いって、すごい。

編集部のナベコと申します。私も一人暮らしで親のありがたみを痛感する毎日なので、さやかさんの小説にはうるっときました…。(親って子どものことをすごく気にかけてくれてるんだなぁ。)

調査会社のマクロミルが大学生の親御さんに実施した「親の想い」アンケートも、心にグッときたので一部を紹介します。

子どもに向けた親の想い アンケート
(マクロミル調べ)

いつも自炊して偉いね。栄養が偏らないように、少しずつ食材を送ります。一人用で余らないように送るので、毎日少しずつ使ってね。無理しないように、疲れたら外食しなさいよ。
(愛知在住の母から、娘へ。)

がんばってやってるか?真面目な性格だから、何でも一生懸命やっていると思うけど、遊びばっかりではなく、たまには勉強もしろよな!あんまりだと仕送り止めるぞ(笑)きちんと食事してるか?ちょっとは栄養を考えてうまくやっていくんだぞ。ラーメンと揚げ物のリピートはやめとけ!うまいけど。しんどい時は連絡してこい。
(大阪府在住の父から、息子へ。)

楽しかったことや大学の勉強の事、また作った料理の話など貴方の話をまるで宝物のように聞いています(笑)言わないけどね…前向きな姿勢で進んでいく姿は母も見習わなくてはとこの頃思います…言わないけどね(笑)
(三重県在住の母から、娘へ。)

…父親から息子へのメッセージとかもう、めちゃめちゃグッときましたわ。親って尊い。

ただ、親からもらった仕送りの中には、「送られきたけど正直ちょっと困ったw」みたいなこともよくある気がします。「昔のじぶんが着ていた衣服」とか「そんなに好きじゃないふりかけ」とか。(笑)

下宿生786人と、下宿生の子を持つ親900人に実施したアンケートでも、こんな結果が出ています。(マクロミル調べ)

親は遠く離れた子どもたちとコミュニケーションを取りたいし、子どもだって仕送りはありがたいもの。でもなぜかすれ違う両者の切なさよ……。

そんな遠く離れて暮らす親子のちょっとしたズレを、調査会社のマクロミルさんが、エモく解決に乗り出したそうです。題して 『最高の仕送り』プロジェクト!!

◆親子のコミュニケーションを仕送りから変えるプロジェクト

調査会社のマクロミルが、調査データを武器に世の中の声をカタチにするプロジェクト「Made in Your Voice」の第2弾として、企画をしたのが『最高の仕送り』。

まず、昨今“仕送り金額”や“1日あたりの生活費”の著しい減少傾向など、苦しい生活実態が伝えられる大学生、とりわけ下宿生に着目し、離れて暮らす親とのコミュニケーションや関係性を徹底調査。調査会社すごい。

そこからたどりついた結論が……

「お金」よりも「モノ」の仕送りを行う親子の方がコミュニケーションの頻度が高く、子が親を想う気持ちも強い!!

この結果をもとに仕送りのコツをまとめた『最高の仕送り』ガイドブックの無償提供。しかもWEBで誰でもみれます。

また仕送りを通じた親子のコミュニケーションがさらに楽しくなる、「最高の仕送り」オリジナルグッズが当たるキャンペーンもTwitterで実施中。(Instagramキャンペーンはこちら。)

いつも仕送りをおくってくれるお母さんやお父さんへの、「仕送り」のおねだりに使うのもよし、実家に帰ったときに一緒に読むのもよし。ほかの下宿生の実態を知るのもよし。

ぜひ、遠くに住む両親へのコミュニケーションのきっかけとして、このガイドブックやキャンペーンを活用してみてください。

お母さんもお父さんも、あなたからの連絡が来るのを、きっと誰よりも楽しみにしているはずですから。

(編集後記 by ナベ子)

編集:ナベ子

生まれは北海道、学生時代は主に研究と剣道に捧げてました。最近は妖怪が好きです。
好奇心で人生をもっと豊かに!をテーマに日常/非日常のアレコレを題材にした記事をメインで担当してます。

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