「粗相(そそう)」とは? 粗相の意味や使い方を解説

更新:2022/06/28

ビジネス用語

みなさんは「粗相(そそう)」という言葉を耳にしたことありませんか?

「見聞きしたことはあるし、使うこともあるけど、意味を答えろと言われると自信が無い……」

そんな方もいるでしょう。

自分の過ちについて「粗相」を使いがちですが、実はビジネスシーンでは使いどころの難しい言葉なんです!

そこで今回は「粗相」の意味、使い方について例文を交えながらわかりやすくご紹介します。

使い方を誤って恥をかかないよう、この記事を参考に正しく「粗相」を使ってみてください。

「粗相」とはどんな意味の言葉?


「粗相」とは本来、自分のおかした過ちについてへりくだって使う言葉です。

なお『広辞苑』では「粗相」を以下のように説明しています。

ビジネスシーンにおいては(1)(2)(3)の意味で使われることが多くありますので、この機会に覚えておくと便利です。

「粗相」の類語

「粗相」の意味が4種類あることから類語表現は多種多様で、使うシチュエーションによって変化します。

不注意から起こる間違いに対して使う場合

「不注意から起こった間違い」という意味で「粗相」を使う場合は以下の類語表現が該当します。

  • ・見落とし
  • ・目こぼれ
  • ・ケアレスミス
  • ・凡ミス
  • ・粗忽(そこつ)

不成功を表現する際に使う場合

不成功という意味合いにおいて「粗相」を使う際は、以下の類語表現を覚えておくと便利です。

  • ・失態
  • ・ペケ
  • ・間違い
  • ・できそこない
  • ・エラー
  • ・不成功
  • ・過ち
  • ・手違い
  • ・失敗
  • ・挫折
  • ・遣り損じ

不品行や重大な過ちを犯したという意味で使う場合

「粗相」を不品行や重大な過ちを犯した、という意味で使うこともあるでしょう。

その場合は、以下の類語表現があります。

  • ・ドジる
  • ・失策
  • ・しくじる
  • ・失錯

子どものおもらしについて言及する場合

「粗相」は子どものおもらしやペットのおもらしなどについても使います。

その場合の類語表現は以下の通りです。

  • ・おもらし
  • ・失禁
  • ・おねしょ
  • ・寝小便
  • ・垂れ流し

一般的にはどんなことが「粗相」に当たる? 

前述の通り「粗相」は「粗末なこと」「粗略なこと」「そそっかしいこと」「過ち」「ぶしつけなこと」といった意味です。

「粗相」が使われるのは一般的に、「重大ではない過失」や「重大な問題ではないこと」「ちょっとした失敗」に使われます。

ビジネスシーンでの「粗相」は受け取り手次第!

一方で受け取り手が相手の過ちに対してどのように受け取るかによって変化することから、「粗相」という言葉はビジネスシーンでは使いどころが難しい言葉だと言えます。

以下の事例の場合は一般的に「粗相」と表現してもよいでしょう。

  • ・あいさつの際に名刺を切らしていた
  • ・お茶を出すタイミングが遅れてしまった
  • ・どうしても外せない急な用事で、上司が途中退席した

ただし上記の事例も、相手が重く受け止めるのであれば「粗相」とは言えなくなります。

例えば取引先の担当者に

「先のミーティングでは粗相を致しました。誠に申し訳ありません」

と謝られたとしましょう。

もし、相手の言う「粗相」が、あなたの会社に大打撃を与えるような内容であれば、それはもう「粗相」とは呼ぶことができません

「粗相」を使う際には、以上の点にも注意したうえで使うほうが良いでしょう。

「粗相」の使い方を例文付きで解説

それでは実際に「粗相」はどのように使うのが正しいのでしょうか?

例文付きでチェックしましょう!

例文1: 先のミーティングでは粗相を致しました。誠に申し訳ありません。

自分が行った「そそっかしいこと」「軽率な振る舞い」「ぶしつけな行為」、また単なる「過ち」なども「粗相」と表現します。

この例では、先に行われた会議での「自分のそそっかしさや過ち=粗相」について謝っていることになります。

例文2: お客さまに粗相がないよう、気を付けてください

この例文の場合は広辞苑の(1)「お客さんを粗略に扱うことがないように」の意味になりますよね。

したがって「お客様に対して小さな誤りや、失礼なことがないように気を付けてください」という意味です。 

例文3:子どもが粗相をしてしまい、大変失礼いたしました。

お子さまがいれば、日常会話で聞くことがあるでしょう。

こちらは広辞苑の(4)の場合です。

例えば、子どもがおもらしをしてしまった場合や、ジュースや食べ物をこぼした際にも「粗相」という表現で相手へ謝意を表す場合があります。

ビジネスシーンでの「粗相」の例文

ビジネスシーンでは、以下のような使い方で登場しますので、併せてチェックしましょう。

  • ・お客さまに粗相のないよう、接客には十分注意してください。(前述の例文2の応用)
  • ・新規の取引先なのでくれぐれも粗相のないように。 
  • ・会議で粗相がありましたこと、どうかご寛恕(かんじょ)くださいませ。

ビジネスシーンで「粗相」を使う際の注意点

前述でも触れた通り、「粗相」はあくまでも「大事ではないこと」に使われることが一般的です。

取引先に出すメールなどで自分のしたことについて「粗相」と表現すると、受け取り手次第では

「いや、あれは小さなことじゃないだろう! 」

相手側の反発を招くことがあるかもしれません。

相手にあらぬ誤解を与えないためにも「粗相」は自社内に向けた「注意を喚起するための文章・発言」などで使ったほうが無難です。

まとめ

「粗相」は使い方によって様々な意味があります。

ビジネスシーンにおいては主に「粗末なこと」「粗略なこと」「そそっかしいこと」「過ち」「ぶしつけなこと」といった意味で、自分自身の行為をへりくだって表すときに使うことが一般的です。

また、「粗相」は主にビジネスシーンで使う際、一般的に「大事でないこと」「軽微なこと」を指します。

闇雲に「粗相」という言葉を使う前に、本当に「粗相」という言葉が適切なシチュエーションなのかどうかを判断することが大切です。

この記事を参考に相手の気持や立場にも配慮して、ぜひ「粗相」を正しく使ってみてくださいね。

(高橋モータース@dcp)

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