「真摯」とは、「まじめで熱心な」という意味をあらわす言葉。「真剣」「誠実」などの言葉に言い換えることができます。
「真摯に受け止め……」というフレーズ自体は聞いたことがあるものの、普段の会話で使う機会は少ないのでは。しかし、ビジネスシーンでは「真摯」という言葉はよく使われています。社会人として、いざという時に正しく使えるよう意味や使い方を知っておきましょう。
▼目次
1.「真摯」の意味
2.「真摯」の使い方
3.「真摯」を使う上での注意点
4.「真摯」を使った例文
5.「真摯」の類義語と対義語
6.まとめ
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「真摯」とは、まじめで熱心なこと、またそのさまを意味する言葉です。
「真」は「嘘・偽りがないこと/本当」を指し、そして「摯」は「つかむ」と「手厚い、まじめ」を表します。この2つの漢字が組み合わさって偽りなくとらえるという意味の言葉になり、「まじめでひたむきなさま」を表す真摯という言葉ができました。
もう少し言い換えるならば、「真正面からとらえる」「偽りない姿勢で受け止める」といったまじめな姿勢を表す言葉なのです。
真摯の使い方として、よく使われるフレーズがありますので順番に見ていきましょう。
「真摯に向き合う」とは「まじめに取り組む」「真正面から向き合って対応する」という意味。
次に紹介する「真摯に取り組む」とほぼ同義ですが、「真摯に向き合う」には何らかのトラブルや困難が目の前にある状況でも「逃げずに取り組む」というニュアンスを感じさせる言葉です。
例えばビジネスでの謝罪のシーンなど、「もう後がないぞ」という正念場とも言えるような状況で、誠意ある姿勢を強くアピールするために使われることも多いです。
「真摯に取り組む」は先ほどの「真摯に向き合う」と意味合いがとてもよく似ています。
「真摯に取り組む」の方はシンプルに「まじめに取り組む」という所信表明のようなもので、「困難から逃げずに」というニュアンスは薄くなります。
「真摯に受け止める」は主に謝罪のシーンで用いられる言葉。その場を謝って終わりにするのではなく「謝るとともに、真剣に事実を受け入れる」という意味です。
至らなかった点を素直に認め「何が問題だったのか?」「今後はどう改善すべきか?」といったことをまじめに考えて対処していきたい、という今後に向けての意思が感じられる言葉です。
「真摯な対応」とは「まじめで誠実な対応」という意味。「真摯に対応させていただきます」といった表現で使われることも多いです。
これから新しい仕事に取り組む際に「真摯に対応させていただきます」と使うこともできますし、問題やトラブルが発生した際に使うこともできます。
また、顧客の側から「真摯な対応で助かったよ」のように、取引先を褒めるような時に使われることもあります。
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「真摯」を使う上での注意点について解説します。
「真摯」は目上の人や上司に対しても使うことができます。自分がまじめに取り組もうという気持ちを「このプロジェクトに、真摯に取り組みたいと思います」といった具合に表現します。
また、取引先やお客様に対しても「真摯に対応させていただきます」のように使えます。誠実な姿勢をアピールできるため、先方に「ちゃんとやってくれそうだな」と安心してもらえるのではないでしょうか。
ただし、目上の人や上司について「真摯ですね」などと表現するのはNG。「〇〇課長、あの時は真摯な対応でしたね」などと言ってしまうと上司のことを評価しているような言い方になってしまうためです。あくまでも自分のことについて述べる時だけ、真摯を使うようにしましょう。
「真摯」とは比較的重みのある言葉です。ビジネスでのこれからの取り組み方や姿勢をあらわす言葉なので、日常的に使いすぎない方が賢明です。ここぞ!という場面で誠実な態度とともに使うべきでしょう。
「真摯」という言葉は、所信表明などポジティブなシーンでも使われるものの、謝罪などのシリアスなシーンで比較的多く登場します。
また、就活でもこれからの意気込みを表すために使うことができます。実際にどのように使うか、ビジネスシーン別に見ていきましょう。
これらの表現をすることで、相手に対して熱心さやまじめさを伝えることができます。自分の行動をポジティブに受け止めてもらいたいときや、誠意を表したいときに使うといいでしょう。
謝罪というネガティブなシーンにおいて、自責の念を伝えたいときにも「真摯」が使われることが多いです。
謝罪するときは、今後どう挽回するのかも相手に伝えることが大切です。
「今回のミスに対して真摯に受け止め、今後は〇〇するように努めて参ります」といったように、具体的にどう改善していくのかを述べることで、相手の信頼回復につなげることができるはずです。
上司との会話の中で「真摯」が登場することも考えられます。
2つ目の例文はやや強めの表現ですね。
例えばあなたがたびたび約束を守らないなどで取引先との関係が悪化してしまったとしましょう。取引先の信頼回復という課題に対して、「真摯に向き合えるのか?」→「今度こそ対応を改められるか?」と上司が問いかけている例です。
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真摯の類義語と対義語を順番にご紹介します。
●真剣
いい加減ではなく本気なことを意味します。本気さを伝えるときに使える言葉です。
●まじめ
嘘や冗談でないこと/誠実であることを意味します。捉え方によっては「融通の利かない人」というニュアンスにもなる言葉です。
●誠実
偽りがなく、まじめで真心が感じられるさまを意味します。たとえ新社会人で経験が浅かったとしても、誠実に対応することで認めてもらえることは多いものです。
●誠心誠意(せいしんせいい)
真心をもって物事を行うことを意味します。「誠心誠意対応させていただきます」など、副詞として用いられます。
そのほかの類語としては、
・篤実(とくじつ)
・至誠(しせい)
などもありますが、若干使用シーンが異なる部分があります。真摯をシンプルに言い換えるなら、先に挙げた4つの類義語を使うと分かりやすいでしょう。
●軽薄(けいはく)
慎重さを欠いて、誠意や真実味が感じられないさまを表します。あるいは相手の機嫌をとるような言動に対して使われることもあります。
●不真面目
字面のとおり、まじめではないことを指します。
●不誠実
「誠実=偽りがなく、まじめで真心が感じられるさま」の反対の意味です。つまり、まじめではなく真心も感じられないさまを意味します。
「熱心でまじめなこと」を意味する「真摯」という言葉。ビジネスはお互いの信頼関係で成り立つものですが、信頼を得るというのはたやすいことではありません。一つ一つのタスクに真摯に取り組み、信頼を積み重ねていきたいものです。
また社会人になると、仕事に関する謝罪をしなければいけない場面も出てきます。役職が上になればなるほど、直接的に自分が悪くなくても組織の代表として謝らなければいけないことも。いざというときに使えるように覚えておきましょう。
(マイナビ学生の窓口編集部)
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