陳謝とはどういう意味?ビジネスでの使い方と例文 【もう間違えない! 定番ビジネス敬語集】

2022/08/29

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ニュースや新聞などの見出しに「陳謝」という言葉を見ることがあります。同じような場面でも「謝罪」「深謝」などさまざまなバリエーションがあるため迷ってしまいますよね。実は一つ一つ意味が違うので、意味をしっかり把握していないと恥ずかしい思いをしてしまう可能性も。今回は、迷惑をかけた相手に謝る際に使う「陳謝」について解説します。

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陳謝とは?意味と読み方

陳謝の読み方:ちんしゃ
陳謝の意味:「おわびする」「事情を述べながら謝る」

「陳」の字には「並べる」「申し立てる」という意味があります。そのため「ごめんなさい」と言うだけでなく「こうした理由でこんな状態になってしまい、ごめんなさい」と事情とともに謝ることを「陳謝」と表現することが多いです。

ちなみに陳謝は一見中国語のようにも見えますが、そのまま中国語としては使えませんのでご注意を。中国語に訳すと「道歉」となります。

陳謝はどんなときに使う言葉?

陳謝は会話で使われることはあまりなく、新聞やメディアをはじめとした文章や見出しの中で多く使われている言葉です。つまり、陳謝する当事者ではなく第三者的立場の人が「〇〇が△△に陳謝した」といった具合に表現します。そのほかには、迷惑をかけた相手に書く「お詫び状」のことを「陳謝状」と呼ぶケースも見られます。

陳謝の使い方を例文で確認

陳謝の使い方 例文

具体的に陳謝の使い方を見てみましょう。

「陳謝した」とあれば、どうしてこうなったのか理由もつけて謝罪した、というニュアンスで捉えることができます。

<例文1>
従業員逮捕で社長が陳謝した。

<例文2>
いじめ問題を受け、教育長が「対応不十分」と陳謝

またビジネスの現場で使うなら、

<例文3>
上司「今回のクレームについて早めに陳謝状を出しておきなさい」
部下「はい」

という使い方もOK。陳謝状なので、理由も必要であるという指示になります。

「陳謝いたします」という使い方はあり?

上記の例文に「陳謝状」とありましたが、陳謝状の中で実際に「陳謝いたします」と表現するのは果たして適切なのでしょうか。

冒頭でお伝えしたとおり、陳謝には「おわびする」という意味があります。ですから「陳謝いたします」とおわびするのは意味としては間違いではありません。実際に陳謝を使った例文で「ご迷惑をおかけしましたことを深く陳謝いたします」といった文章も見受けられます。

ですが、実際のビジネスシーンで当事者が「陳謝いたします」と表現しているケースはまれです。具体例をご紹介しましょう。

一部の香料に、無許可の原材料が使われていることが発覚。その香料を食品に使用していた会社が一斉に製品の回収とおわびをするという出来事がありました。

その際、食品大手各社がメディアに掲載したおわび文によれば、

「大変ご迷惑をお掛けし、心よりお詫び申し上げます。」
「大変ご迷惑をおかけし申し訳ございません。」
「心より深くお詫び申し上げます。」

といった表現が並んでおり、陳謝という言葉は見られません。


陳謝しているかどうかは相手が判断することなので、「陳謝致します」などのように、自分から積極的に使うことは控えた方がいいでしょう。「深くお詫びいたします」「謹んでお詫び申し上げます」など、他の言い回しを使うのが適切です。

陳謝の言い換え表現

陳謝の言い換え表現として、意味が似ている類語にはどのようなものがあるでしょうか。

●謝罪
⇒罪やあやまちをわびること。

●深謝
⇒深くわびること。心から感謝すること。

「深謝」の方は「感謝する」という意味も持っているのが、陳謝と異なるポイント。このほかの類語としては「詫びいる」「謝る」「詫び言」「謝辞」「弁明」などが挙げられます。ここではよく使われる「謝罪」という言葉を取り上げ、陳謝との違いを解説します。

「陳謝」と「謝罪」の違い

陳謝も謝罪も、基本的に「おわびすること」という意味がある点では同じ。そのためこの2つは非常によく似た言葉です。ではどこに違いがあるかというと、ずばり「事情を一緒に述べているかどうか」という点です。

陳謝の方には「おわびする」とあわせて「事情を述べながら謝る」という意味もあります。つまり、謝罪会見できちんと理由を述べ、謝罪しているならそれは「陳謝」という表現がベター。ただ泣きながら「ごめんなさい」だけを言っているようなら、それは「謝罪」といった具合に使い分けされることがあるのです。

まとめ

陳謝には「おわびする」「事情を述べながら謝る」といった意味があることが分かりました。ビジネスシーンで相手に迷惑をかけた場合、相手が納得する理由でなければ信頼関係を損ねてしまう可能性があります。

言い訳ばかりというのは問題ですが、やはり事情を相手にきちんと伝えることは大切です。もし詫び状を作るなら、事情も含めて陳謝する内容にするのがビジネスマナー。トラブル発生で慌ててしまい、余計に心象を悪くしてしまわないように気をつけましょう。

文・マイナビ学生の窓口編集部

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