「割愛」の意味とは?「省略」との使い分けで差をつけよう!

更新:2021/10/20

ビジネス用語


「割愛」とは、「惜しみながら省く」という意味です。

「割愛」は、会議やプレゼンなどのビジネスシーンでよく使われており、「必要だけど、都合によりカットします」というニュアンスが含まれています。

今回の記事では、「割愛」の意味と使う場面、そして間違えやすい「省略」との使い分けについてご紹介します。

「割愛(かつあい)」の意味は不要なものを取り除くこと?

「お時間の関係で、説明は割愛させていただきます」のように使われる「割愛(かつあい)」。

「不必要なものを取り除くこと」の意味で使われていると思っている人が多いようですが、実は、「必要性を感じているが、範囲外にする=惜しみながら省く」という意味で使われます。

文化庁の「連載 「言葉のQ&A」「割愛する」ときの気持ち」にも

問1 「割愛する」とは本来どのような意味なのでしょうか。
答 惜しいと思うものを手放すという意味です。

(引用:文化庁「連載 「言葉のQ&A」「割愛する」ときの気持ち」より)

とあります。

元々「割愛」の「割る」は「決まった範囲の外に出る」、「愛」は「ある物事を好み、必要に・大切に思う気持ち」という意味が由来となっており、この2つの意味が合わさった「割愛」は、「必要性を感じているが、範囲外にする=惜しみながら省く」という意味なのです。

割愛の語源は仏教用語

割愛の語源は、仏教用語です。

出家する際に離れることになる家族や故郷への愛着を断ち切ることの意味で使われており、この意味でも「惜しいと思っているものを手放す」ということになりますね。

「割愛」と「省略」の意味の違いとは

割愛と似た言葉に省略があります。省略の意味は、「簡単にするために一部を取り除くこと」です。

省略では、不要な部分を省く行為のみを指すため、「あってもなくても、どちらでもいいもの」に対しては「省略」を使います。

ビジネスシーンでの「割愛」の使われ方

割愛は、会議・プレゼンなどの、人前で話す機会でよく使います。

その際に時間が足りなくスライドを省く場合に

「次のスライドについては、時間がないため省略します」ではなく、

「次のスライドについては、時間がないため割愛します」のように、

「省略」ではなく「割愛」という言葉を使います。

割愛を使った例文

  • ・説明を割愛します
  • ・紙面の関係上、一部資料を割愛しております
  • ・一部割愛いたします
  • ・次の資料の説明に関しましては割愛いたします

本来なら割愛したくないけれど、時間等のやむをえない事情で飛ばさなければならないというときに使ってください。

割愛と省略の使い分けがきちんとできていないと、相手に失礼になる可能性が起きてしまいます。

たとえば、披露宴や結婚式のアナウンスで

「多数の電報をいただきましたが、時間の都合で割愛いたします」

とすべきところを

「多数の電報を読むのは省略いたします」

にしてしまうと、気持ちのこもった電報が不要なものであるものととらえられてしまいます。

割愛の類語表現にはどんなものがある?

厳密な言い換えにはならないものの、割愛と似た意味で使われる類語表現にはこのようなものがあります。

  • ・省略する:一部を削って短くする
  • ・略す:必要な部分は維持しつつそのほかの部分を削る
  • ・除外する:入ることを防ぐ、取り除く
  • ・端折る:一部に手をつけずに進む
  • ・カットする
  • ・スキップする
  • ・オミットする

場面によって使い分けるといいでしょう。

割愛はシーンによって使い分けて

「割愛」は「省略する」と一緒の意味として使われることが多い言葉です。

間違った意味で覚えている人が多いことから増えている誤用ではありますが、誤用に気づいても指摘するのはやめておきましょう。

自分が話すときに誤用にならないように注意するのは必要ですが、意味が通じているのにわざわざ注意すると注意された側が不快な思いをする可能性があるからです。

省略と似た意味として使われる頻度が多い言葉ですから、不快に思われるリスクを抱えてまで注意する必要はありません。

割愛と省略の使い分けや似ているようで違う言葉などを、この機会にぜひ覚えておいてくださいね。

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