「お気遣いなく」の意味とは? ビジネスでの使い方と例文

2018/06/19

対人マナー

「お気遣いなく」とは、“気を遣わないでください”あるいは“心配しないでください”という意味で使う言葉です。​「お気遣い」のストレートな解釈は「気を遣うこと」。それに「お」をつけて丁寧な言い方をしています。「なく」は否定の助動詞で「~しないこと」なので、このことから「気を使わないで」ということを丁寧に表現したものが「お気遣いなく」だということがわかります。​今回はビジネスシーンで使う「お気遣いなく」の意味と使い方を紹介します。

「お気遣いなく」の意味

<例文あり>「お気遣いなく」の使い方

「お気遣いなく」は、お祝いやお見舞いなどの金品を相手に送った際に、「お返しなどの心配はなさらないでください。」といった意味で使うことがあります。また自分が接待を受けるシーンで「どうぞ私に気を使わないでください。」という意味でも使える表現です。あるいは、直接対面している場合のフレーズというだけでなく、手紙やメールでも使うことができます。

ただ「お気遣いなく」はきちんと最後まで文章になっていません。そのことから最も気を遣わなければならない相手に対しては、次のようにしましょう。

「お気遣いなさらぬよう、お願いいたします。」
「お気遣いなさらぬよう、お願い申し上げます。」

このほうが、礼にかなった表現です。書面で使う際には特に気を付けてください。

「お気遣いなく」には、自分のことで相手をわずらわせたくないという気持ちが込められています。裏を返せば、そのように言うことで相手を思いやっていることになるわけです。こちらが何かをしてあげたとして、「それに対するお返しは必要ありません。」とやんわり断る使い方。あるいは「私のことはご心配なく」ということを遠回しに伝える、相手に配慮した表現のひとつです。

一緒に食事をする際に「私にはお気遣いなく、先にお召し上がりください。」
訪ねた先でお茶を出してもらって「お気遣いなく。」
贈り物などをした際にお返しなどは不要ですという気持ちを込めて「お気遣いなく。」

など、一般的な使い方としては以上のようなものがあることを覚えておくといいでしょう。

「お気遣いなく」は目上の人に使うと失礼

「お気遣いなく」は動詞が省略されているため、目上の人に使うと失礼に当たるといわれています。目上の相手に使う場合は「お気遣いないようお願いします」や「お気遣いなさらないで下さい」などと完結した文章で使うようにしましょう。また文頭に「どうぞ」などと言葉をつけることによって、より丁寧に表すことができます。

いかがでしたか? 「お気遣いなく」は便利なことである一方、使いすぎると相手の親切心に傷をつけてしまう可能性もあります。ときには相手の親切心に素直に甘えるのもビジネスマンとして必要です。時と場合をわきまえて、必要なときに「お気遣いなく」が使えるようにしましょう。

・執筆:山岸りん
短大卒業後、自動車ディーラーをはじめ金融関係、介護関係、保育、学習塾と幅広い業種での経験があり、現在は学習塾で小学生の学習に携わっています。

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