会社員であれば、賞与(ボーナス)が支給されるという方も多いでしょう。企業によっては定例のボーナスの他に「決算賞与」が出ることもあります。今回はこの決算賞与について、定義や通常の賞与(ボーナス)との違いをご紹介します。
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賞与は、定期給与(ほとんどの場合月給)とは別に支給される臨時の給料のことです。「ボーナス」という言い方もありますね。日本では一般的に夏と冬の2回(たいていは6月と12月)、それぞれ「夏季賞与」「冬季賞与」として支給されます。
社員には毎年支給されるのが普通ですが、あくまでも臨時の給料ですので、企業によっては就業規則(あるいは社則)に「賞与が支給されることもある」としか書いていないことや、そもそも「賞与の規定がない」こともあります。
「支給されることがある」としている企業では、定期的に年2回出すのではなく、「今期は業績がいいから出そう」といった支給方法になることがあります。また「賞与の支給規定がない」企業は、まず年収を決め、それを12で割って毎月の給料とする、といった例もあります。最初に決めた年収の中に「通常なら賞与となる分のお金」も含まれている、と考えるわけです。
一方で、賞与は年に1回という企業、また2回ではなく3回支給するという企業もあります。
日本では多くの会社で夏と冬、たいてい6月と12月にボーナスが支給されます。それでは、社会人のみなさんに夏のボーナスはいつ支給されたかアンケートを取ってみました。
第1位 6月下旬 73人(29.6%)
第2位 7月初旬 40人(19.7%)
第3位 7月中旬 31人(15.3%)
第4位 6月中旬 26人(12.8%)
第5位 6月初旬 24人(11.8%)
マイナビ学生の窓口調べ
調査日時:2017年4月
調査人数:社会人男女407人(男性205人、女性202人)
新社会人の場合、最初のボーナスがもらえる6月の時点ではまだ会社への在籍が2ヶ月ほどとなり、査定期間がとても短いですよね。新社会人のみなさんは、最初のボーナスがどれくらいもらえるのかとても気になるのではないでしょうか?
では、実際に社会人1年目のときに何ヶ月ボーナスがもらえていたのか、社会人のみなさんにアンケート調査を行ってみました。
第1位「ボーナスはもらっていない」102人(47.4%)
第2位「1ヶ月分以下」41人(19.1%)
第3位「1ヶ月分」25人(11.6%)
第4位「1ヶ月半分」14人(6.5%)
第5位「2ヶ月分」12人(5.6%)
やはり、1年目の最初のボーナスはもらえない人が多数のようです。1回目のボーナスはあまり期待せず、12月のボーナスを心待ちにしたほうがよさそうですね。
ボーナスの金額はその会社の業績に左右されます。また上記のとおり個人の評価(査定ですね)にも影響されますから、一概にいくらが相場ということはできません。しかし、毎年『一般社団法人 日本経済団体連合会』(経団連)が夏季賞与・冬季賞与の妥結状況についてリポートを発表しています。
2016年の「第1回集計」(2016年11月4日公表)によると、
総平均:92万7,892円
となっています。これは加重平均で、1社当たり単純平均では、
80万1,305円
となります。
データ出典:『一般社団法人 日本経済団体連合会』「2016年年末賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況(加重平均)」
http://www.keidanren.or.jp/policy/2016/098.pdf
ただし、このデータは「東証一部上場、従業員500人以上、主要20業種大手245社」の結果です。つまり日本の大手企業だけのボーナスの金額で、以下の『みずほ総合研究所』『三菱UFJリサーチ&コンサルティング』の調査結果の方がより実際の平均額に近いのではないでしょうか。
●みずほ総合研究所による「冬季ボーナス」見通し 「民間企業の一人当たりボーナス支給額は前年比+0.0%と横ばい」 民間企業 一人当たり賞与額:37万393円
●三菱UFJリサーチ&コンサルティングによる「冬季ボーナス」見通し 「2年ぶりに増加するも、小幅にとどまる」 民間企業 一人当たり平均支給額:37万1,676円
データ出典:
『みずほ総合研究所』「2016年冬季ボーナス見通し」
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/jp161108.pdf
『三菱UFJリサーチ&コンサルティング』「2016年冬のボーナス見通し」
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/jp161108.pdf
また、マイナビ学生の窓口フレッシャーズでは、社会人を対象にアンケートを実施。夏だけのボーナスはどれくらいの額なのか、調査しました。実際のボーナスはどれくらいなのかチェックしてみましょう。
第1位 10万未満 22人(10.5%)
第2位 20万 17人(8.4%)
第3位 30万 16人(7.9%)
第4位 15万 10人(4.9%)
同率4位 25万 10人(4.9%)
第1位は「10万未満」! 夏だけのボーナスで見ると、あまり多くはもらえないようですね。早速、第1位からそれぞれの意見を見ていきましょう。
・仕事の業績がよくて前回のボーナス額よりも上がってうれしかった(男性/40歳以上/その他)
・ボーナスが少なすぎて何も買えない(男性/40歳以上/電機)
・パートで初めて賞与(寸志)もらってうれしかった(女性/40歳以上/運輸・倉庫)
・ボーナスがもらえるだけうれしい(女性/32歳/金融・証券)
・毎回金額が決まっている(女性/31歳/建設・土木)
・毎年あまり反動がない(女性/24歳/医療・福祉)
・ずっと変わらないので上げてほしい(女性/33歳/医療・福祉)
・いつもだいたい月収の倍くらいの金額(女性/27歳/商社・卸)
・大体基本給の2倍くらいなので(女性/40歳以上/医療・福祉)
・だいたい夏はそのくらい(女性/35歳/マスコミ・広告)
・業績がよくならないのでボーナスも上がらない(男性/40歳以上/金属・鉄鋼・化学)
●その他
・50万円。公務員なので決まっている(女性/40歳以上/学校・教育関連)
・100万円。いつも通り(男性/40歳以上/警備・メンテナンス)
・100万円。業績がよく、頑張りも少しは評価された(男性/40歳以上/金属・鉄鋼・化学)
・300万円以上。好決算で多かった(男性/40歳以上/その他)
マイナビ学生の窓口調べ
調査日時:2017年4月
調査人数:社会人男女407人(男性205人、女性202人)
ボーナスとは別に「決算賞与」という言葉も耳にすることが多いと思います。決算賞与は、上記のような定期的に支給される賞与ではありません。企業が決算となり、その期の業績がよかった場合に「社員に利益を還元しよう」という主旨で特別に支給されるものです。ですから、決算賞与が支給されるのは、見込みよりも特に業績がよかった会社です。
また会社からすれば、決算賞与を支給することは節税にもなります。「このまま税金に持っていかれるぐらいなら、社員に支給して喜んでもらったほうがいい」というわけです。
それぞれ半年ごとの業績を反映したもので、一般的には、
●6月支給のボーナス 「10-3月」の業績が反映されます。
●12月支給のボーナス 「4-9月」の業績が反映されます。
となっています。いわゆる査定期間というのが「10-3月」「4-9月」です。ボーナスが支給されるには、この査定期間内に会社で働いていなければなりません。6カ月のうち何カ月在籍したかなどの条件で、ボーナスが支給されるか、何割ほど支給されるかといった点は会社によって異なります。これら細則については、就業規則また人事部に確認しなければなりません。
※ボーナスの支給条件は会社ごとに異なります。正社員にしか支給されなかったり、またそもそもボーナス支給制度がなかったりする会社もあります。
今回は気になるボーナスについて解説しました。年に2回の賞与以外に、本当の臨時収入である決算賞与がもらえると、「この会社で頑張って仕事をしてよかった!」と社員のモチベーションも上がります。税金を多く払うよりも、社員に喜んでもらったほうが、社長はじめ経営陣もうれしいでしょう。同じ「仕事で頑張る」なら、できれば決算賞与の出る会社で頑張りたいものですね。
(高橋モータース@dcp)
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