「トップダウン」は組織や企業のマネージメントスタイルの1つ。経済コラム記事などで目にしたことはあるものの、細かい説明となるとイメージが湧かない人もいるのではないでしょうか。一部では古い経営体質であるとの意見もある「トップダウン」についてご紹介します。
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「トップダウン」は昔から経営用語としてよく使われており、「上意下達」とも呼ばれます。その意味を簡単にいうならば、
組織のトップ層が意思決定をくだし、その指示に基づいて組織全体が一斉に動く
というマネージメントスタイルを指します。
組織の長が意思決定を行ったら、その組織の指示系統に従って、連絡網のように指示が流れていきます。水が上から下へ流れるのと似ていますね。
そして、トップダウンとほぼ反対の意味を表すのが「ボトムアップ」。こちらは「下意上達」とも表されます。その意味は、
現場などの組織メンバーから上げられた意見や提案をもとに、トップ層が最終決定をする
というマネージメントスタイルを指します。こちらも合わせて覚えておくと便利です。
「トップダウン」と「ボトムアップ」の大まかな意味が分かったところで、それぞれの特徴をメリットとデメリットに分けて解説します。
トップダウンは日本国内でなじみが深く、多くの日本企業で取り入れられているスタイル。マニュアルの多い飲食業をはじめ、小売業や医療などでもトップダウン方式が採用されていることが多いです。マニュアル・上司の指示通りに従うことで、迅速なサービス展開ができると期待されています。
また、トップダウンで指示が下りてくると「上司の命令は絶対」なものとして捉えられがち。つまり、そこから異議を唱えたりする余地があまりないという特徴があります。
●トップダウンのメリット
・意思決定がスピーディー
・組織が混乱しづらい
●トップダウンのデメリット
・現場メンバーから反発される恐れがある
・ワンマン経営に陥りやすい
トップダウン方式では意思決定をするものがトップ1人、もしくは直属の部下を含んだ少数でなされるので、意思決定にかかる時間が短く、スピーディな運営を行えるのが最大のメリット。しかし、下位メンバーの意見を聞く機会が少なく、ワンマン経営に陥りやすいというデメリットもはらんでいます。
ボトムアップはトップダウンに比べると新しいスタイル。現場目線での意見が組織トップへと伝わりやすいのが最大の特徴です。新社会人のみなさんにとっては、ボトムアップの方が魅力的に感じるかもしれませんね。
●ボトムアップのメリット
・現場の声が意思決定に反映されやすい
・組織メンバーの成長につながる
●ボトムアップのデメリット
・意思決定のスピード感が落ちる
・メンバーの力量に左右されやすい
ボトムアップ方式では組織メンバーが意見を求められることから、主体性を持って仕事にあたるようになり、1人1人の成長につながるのがメリット。メンバーのモチベーションも上がることでしょう。しかし、さまざまな意見を集めて折り合いをつけていく必要があるため、どうしても決定までのスピード感が落ちてしまいます。
「トップダウン思考は古い?あまり良くないのではないか…?」
このように思われる人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。トップダウンとボトムアップそれぞれにメリットとデメリットがあり、一概にどちらが良く、どちらがダメということではないのです。
ただし、どちらか一方に偏りすぎるとデメリットが目立ってしまい、弊害が生じやすいことは事実でしょう(現場からの反発など)。企業の置かれている状況や課題の重要度に合わせて、両者を上手に取捨選択していけると良さそうですね。
「トップダウン」という言葉は、次のようなイメージで使われます。
<例文1>
トップダウン経営は、スタッフが多くマニュアルが必要な業界には向いている
※実際、マニュアルが徹底されると支店間でのサービス力のブレなどが極力抑えられ、どこの地域でも画一な商品を提供できるなどのメリットがあります。
<例文2>
カリスマ経営者がトップダウンで事業を拡大!
※誰もが一目置くような、カリスマ経営者。強力なリーダーシップで組織をぐいぐい引っ張っていくリーダー像をイメージすることができます。
トップダウンを一言でいうと、トップの意思決定に基づいて組織が一斉に動くこと。リーダーが「○○をやる!」と言ったら、メンバー全員が○○の実現に向けて進む、といったイメージですね。ある意味シンプルなのでスピード感が出るのはメリットですが、ワンマン経営になりやすいということも分かりました。
ところでトップダウンとボトムアップのちょうど中間にあたる分散型というものもあります。意思決定機関はそれぞれの支店などに裁量があるものと、中央から降りてきた意思決定を重視するものとの両方を兼ね備えているので、今後、トップダウン・ボトムアップの二極化だけでなく分散型とのバランスも重要なカギとなるでしょう。それぞれの意味をきちんと理解しておくといいですね。
文・マイナビ学生の窓口編集部
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