「お忙しいところ恐れ入りますが」の正しい使い方。言い換え表現や注意点も解説【例文つき】

更新:2024/07/25

電話・メール

ビジネスシーン、特にビジネスメールでよく使う表現に「お忙しいところ恐れ入りますが」という定型句がありますが、実際に使う上では注意しなければならない点があります。

失礼に当たらないように、「お忙しいところ恐れ入りますが」の適切な使い方を一度考えてみる必要があるでしょう。

この記事では、相手に不快感を与えない「お忙しいところ恐れ入りますが」の正しい使い方を関連表現も含めてご紹介します。

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「お忙しいところ恐れ入りますが」の意味

「お忙しいところ恐れ入りますが」は、「お忙しい中申し訳ないのですが」という意味になります。

「お忙しいところ」の後に続く「恐れ入りますが」には、「申し訳ない」という謝罪の意味があります。「恐れ入りますが」は「恐縮ですが」と言い換えられることもありますが、どちらもほぼ同じ意味なので使い分けに気を付ける必要はありません。

「恐れ入りますが」「恐縮ですが」に入っている「恐れる」は、「あなたには敵わない」という意味があります。つまり、「恐れ入りますが」「恐縮ですが」も相手を敬い、自分をへりくだるという言葉です。

「お忙しいところ」を使う場面と使い方

ビジネスメールでよく用いられる表現「お忙しいところ」は大きく分けて2つの場面で使用されます。

  • ・感謝やねぎらい
  • ・相手に対する依頼

感謝やねぎらいの「お忙しいところ」の使い方

1つ目は、相手に対する感謝やねぎらいの表現として使うものです。忙しい仕事の合間をぬって自分のために時間を費やしてくれたことに感謝する際に使います。

「お忙しいところありがとうございました」

というのが定型句であり、ビジネスの上では頻繁に使用できる表現です。

相手に対する依頼の「お忙しいところ」の使い方

相手に対して依頼をしたいときは、

「お忙しいところ恐縮ですが」

という形でクッション言葉としてまず使用し、それから依頼内容を伝えます。

メールの冒頭にくる表現として「お忙しい中、失礼いたします」と使うこともあります。

「恐れ入りますが」は相手に依頼する場面で多用する

そもそも「恐れ入りますが」「恐縮ですが」は相手に依頼をする場面で使用します。

ただ「~してください」と頼むだけだと相手に不快感を与えてしまう可能性がありますが、「恐れ入りますが」「恐縮ですが」を冒頭に付けることで、丁寧でへりくだった印象になるのです。

「恐れ入りますが」「恐縮ですが」は、例えば以下のように使用します。

「恐れ入りますが、こちらにご記名いただけますでしょうか」

「恐縮ですが、○○様にお取次ぎいただけますでしょうか」

「恐れ入りますが」「恐縮ですが」は相手に気持ちよく対応してもらうためのクッション言葉、というわけですね。

「お忙しいところ恐れ入りますが」は「よろしくお願いいたします」とセットで使う

ビジネスシーンで「お忙しいところ恐れ入りますが」が重要になるのは依頼をするときです。

相手にとっては時間や労力を費やすことになるため、依頼する側としては最大限の配慮をしたメールを送るのが社会人としてのマナー。その際にセットになるのがさまざまな「お願い」の言葉です。

特に、「お忙しいところとは存じますが、どうぞよろしくお願い申し上げます」は依頼内容を伝えた後で文末を締めるのによく使われる表現です。

一般的にお願いする際は「~をしてください」ではなく、少し婉曲的な表現を使うことで丁寧な表現になります。

例えば、相手に検討してもらいたいときは、「検討してください」ではなく、「ご検討いただければ幸いです」「ご一考下されば幸いです」といった表現を使いましょう。

「お忙しいところ恐れ入ります」を使ったメール例文

実際にビジネスメールを送る際は「お忙しいところ恐れ入ります」は以下のように使います。

「お忙しいところ恐れ入ります」を文頭に持ってくるビジネスメールの例文

-------------------------------------

 ○○会社 営業部 ××様

お忙しいところ失礼いたします。

平素は格別のお引き立てを賜り、厚くお礼申しあげます。

△△株式会社の加藤です。

先日はお忙しいところお時間をいただき、誠にありがとうございました。 

お話しいただいた○○について、ぜひお受けしたいと考えております。 

つきましては、詳細とお見積もりをお送りいただけますでしょうか。

何卒よろしくお願いいたします。

 -------------------------------------

文頭に「お忙しいところ〜〜」を持ってくる場合は、「恐れ入ります」ではなく「失礼いたします」とするケースが多いです。

「お忙しいところ恐れ入りますが」を文末に持ってくるビジネスメールの例文 

-------------------------------------

 ○○会社 営業部 ××様

平素は格別のお引き立てを賜り、厚くお礼申しあげます。

△△株式会社の佐藤です。

先日はお忙しいところお時間をいただき、誠にありがとうございました。 

お話しいただいた○○について、ぜひお受けしたいと考えております。 

つきましては、詳細とお見積もりをお送りいただけますでしょうか。

ご多用中恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いいたします。

-------------------------------------

文末に「お忙しいところ恐れ入りますが」を使用する場合は、「ご多用中恐れ入りますが」になるケースがあります。

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「お忙しいところ恐れ入りますが」の言い換え表現

「お忙しいところ恐れ入りますが」はビジネスメールでとても便利な表現ですが、まったく同じように使い過ぎると機械的な印象を持たれかねません。いくつかのパターンを覚えておくとスムーズです。

覚えておきたいのは

  • ・「ご多忙」
  • ・「ご多用」
  • ・「お手数ですが」「お手数をおかけしますが」
  • ・「失礼ですが」

の4つの表現です。

「お忙しいところ」は「ご多忙」「ご多用」で言い換え

「ご多忙」「ご多用」は、忙しさを表す敬語表現であり、「お忙しいところ」と置き換えて使うことができます。

典型的な例文として、

  • ・ご多忙のところ恐れ入りますが、どうぞよろしくお願い申し上げます
  • ・ご多用の折、誠に恐縮でございますが、ご検討いただければと存じます
  • ・ご多忙中とは存じますが、ご都合が合いましたらご参加いただければ幸いです

といった表現が可能です。どれも「お忙しいところ」を用いて類似表現をすることは可能ですが、「ご多忙」や「ご多用」を用いるとより敬語表現としては丁寧な印象を与えると知っておくといいでしょう。

ただし、「ご多忙」と「ご多用」の違いを気にかける人がいるのには注意しましょう。忙殺という表現からもわかるように「ご多忙」にマイナスイメージを抱く人もいます。

それに対して用事が多いという程度の意味合いになる「ご多用」を好む人も多いため「ご多用」がより万人受けする無難な敬語です。

「恐れ入りますが」は「お手数ですが」「お手数をおかけしますが」「失礼ですが」で言い換え

「お手数ですが」「お手数をおかけしますが」「失礼ですが」は、「恐れ入りますが」と置き換えて使うことができます。

「お手数ですが」「お手数をおかけしますが」は、相手の手間に対するねぎらいの言葉です。

例文としては、

  • ・お忙しいところお手数をおかけしますが〜〜をしていただけますでしょうか
  • ・お忙しいところお手数ですが〜〜にてよろしくお願いいたします

のように使います。

「失礼ですが」は、相手に対して失礼にあたることをする際に前もって断るときに使います。

例文としては、

  • ・お忙しいところ失礼ですが、ご記入漏れがあるようです。ご記入いただけますでしょうか

のように使います。

「恐れ入りますが」ではなく「申し訳ありませんが」を使うシーンとは

「恐れ入りますが」「恐縮ですが」は自分に非がない場合に使用するため、例えば「恐れ入りますが、もうしばらくお待ちください。」という使用は誤りです。

謝罪の意を表現する場合は「申し訳ありませんが」が適切です。

「お忙しいところ恐れ入りますが」を使う際のマナー違反・NG例

「お忙しいところ恐れ入りますが」と切り出して依頼をする際、気をつけておきたいのは「ビジネスメールでは制限・指図はNG」ということです。

  • ・相手に対して制限をかける
  • ・相手に指図をする

これらはマナー違反なのです。

そのため、「お忙しいところとは存じますが、お早めのご返信をいただければ幸いです」と伝えたり、具体的に返信期日を伝えるのも少々マナー違反です。

自分の都合に合わせるように指図することは望ましくありません。ビジネスメールを書く際にはうっかりこういった表現をしてしまわないように気をつけましょう。

また、以下のように「恐れ入りますが」「恐縮ですが」の前に「お忙しいところ」や「ご多忙中」などを付けると、相手が費やす労力や時間に対する配慮がされた表現になります。

・お忙しいところ恐れ入りますが、折り返しご連絡をいただけますでしょうか。

ビジネスメールは多くの情報をまとめて伝えられる点で会話とは違います。やり取りを簡単に済ませようと詳細な内容を一度に伝えてしまおうと考えることもあるかもしれませんが、詳細を伝えてしまうと相手が断りづらい状況を作ってしまう可能性もあるので注意しましょう。

「お忙しい中恐れ入ります」は言い換え表現も含めてマスターしよう

ビジネスシーンにおける「恐れ入りますが」「恐縮ですが」は相手を敬い、自分をへりくだる気持ちが表れる重要な表現です。

中でも「お忙しいところ恐れ入りますが」は相手を気遣う気持ちが表れる重要な表現です。

適切に使用して、丁寧で好印象な言葉遣いをするように心がけましょう。

(学生の窓口編集部)

学生の窓口編集部

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