いま知りたい「4D映画」の楽しみ方
現在、公開延期が相次ぎ映画ファンのなかには落ち込んでいる人もいるかもしれません。そこで今回は、新作映画の公開が再開された際にぜひ参考にしてほしい「4DX」の楽しみ方をご紹介。
そもそも4DXとはなんなのか? という疑問から解説していきます!
「4DX」「MX4D」はどちらも略して「4D」(4D上映)といわれることが多いですね。実はこの「4D」は非常に楽しい映画体験ができるおすすめの上映方式なのです!
まず「4DX」上映と「MX4D」上映の違いについてご紹介しましょう。実は、どちらも「もっと臨場感のある、新しい映画体験を観客に提供するために開発されたもの」という点では同じです。
簡単にいうと、テーマパークや遊園地にあるアトラクションの「ライド感覚」を映画に取り入れようとするものです。
「4DX」とは?
「4DX」は『CJ 4DPLEX』社が開発した映画館用の環境効果技術です。映画のシーン、展開に合わせて観客の座る「モーション・チェア」を前後・左右・上下に動かし、また空気を吹き付けることで観客に「風」を感じさせるなど、映画鑑賞の臨場感を高める働きをします。
そのため、4DX上映には『CJ 4DPLEX』社の開発した観客用のいす、また各種の環境効果を発生させるためのデバイスなどを備えた特殊な劇場が必要です。
日本で初めて4DX上映を導入したのは『コロナワールド』中川店ですが、現在では『コロナワールド』系列劇場のみならず、『ユナイテッド・シネマ』系列劇場、『109シネマズ』系列劇場、『シネマサンシャイン』系列劇場などでも4DX上映が行えるようになっています。
ちなみに4DXの環境効果は進歩を続けており、開発元の『CJ 4DPLEX』社によればすでに20種類に達しています。
・ROLL(モーション・チェアの左右の揺れ)
・SWAY & TWIST(モーション・チェアの振動とねじれ)
・PITCH(モーション・チェアの前後の揺れ)
・HEAVE(モーション・チェアの上下の揺れ)
・BACK SHAKER(モーション・チェアの背中に揺さぶり)
・BOTTOM SHAKER(モーション・チェアの座面に揺さぶり)
・BACK TICKLER(モーション・チェアの背中にくすぐり・タッチ)
・BOTTOM TICKLER(モーション・チェアの座面にくすぐり・タッチ)
・FACE AIR(顔に空気を吹き付ける)
・AIR SHOTS(空気を吹き付ける)
・WATER(水)
・RAIN(雨)
・SCENTS(香り)
・WARM AIR(熱風)
・WIND(風)
・SNOW(雪)
・LIGHTNING(雷・フラッシュ)
・RAINSTORM(嵐)
・FOG(霧)
・BUBBLES(水滴)
⇒引用元:『CJ 4DPLEX』公式サイト「4DX シグネチャーエフェクト」より
https://www.cj4dx.com/jp/aboutus/aboutus.php
このうち幾つを体験できるのかは、その劇場が採用している「4DXシアターの(システムの)クラス(プライム、デラックス、スタンダード、エコノミーがあります)」などによっても違います。
例えば『ユナイテッド・シネマ』系列の4DX上映では、
・Motion(モーション)
・AIR(エア)
・Water(ミスト)
・Scents(香り)
・Bubbles(バブル)
・Fog(煙)
・Wind(風)
・Lightning(フラッシュ)
・Snow(雪)
・Rainstorm(嵐)
の演出効果を備えていると説明しています。
⇒参考・引用元:『UNITED CINEMAS』「新次元の4Dアトラクションシアター」
http://www.unitedcinemas.jp/4dx/
「MX4D」とは?
「MediaMation MX4D」は、『MediaMation』社が開発した映画館用の環境効果技術システムで、普通「MX4D」という略称で呼ばれます。映画のシーンや展開に合わせて客席のシートを動かし、風や霧など観客の五感に訴える演出を行います。これによって臨場感を高め、映画をあたかもテーマパークの「体感型アトラクション」のようにするのです。
『TOHOシネマズ』では「TOHO 4D PROJECT」を発足させ、全国の系列劇場でMX4D上映のための施設を整備しています。『TOHOシネマズ』の公式サイトによれば、MX4D上映で行われる環境効果は下のようになっています。
・バックポーカー(背中をつつくような効果)
・ネックティクラー(首元に何かが触れるような効果)
・セント(香り)
・フォグ(霧)
・ストロボ(閃光:5色対応)
・ウインド(風)
・ウォーターブラスト(水しぶき)
・レッグティクラー(足元に何かが触れるような効果)
・エアーブラスト(突風が顔に吹き付ける効果)
・シートポッパー(シートが下から突き上げられる効果)
・ランブラー(地響きを感じさせる効果)
MX4D上映は、日本では『TOHOシネマズ』系列の劇場でのみ体験できます。
⇒参考・引用元:『TOHO CINEMAS』「『観る』から『体感する』時代へ」
https://www.tohotheater.jp/service/mx4d/
「4D」上映は本当に楽しい!
上映方式は「4DX」「MX4D」とありますが、どちらもその楽しさはこれまでの映画とは違った新しいものです。「いすが動くなんて子供だましだよ」なんて言う人がいますが、一度経験してみるとその楽しさがわかります。
4D上映は、映画を新しいアトラクションの一つに変えて、大人も子供も楽しめるものにしてくれるのです。考えてもみてください。遊園地に行っても、そのようなアトラクションは長くても十数分で終わりです。ところが4D上映では約2時間たっぷりアトラクションが味わえるのです。
「4D」上映に向いている作品
とはいえ、やはり4D上映に向いている映画とそうでない映画があります。
まず向いているのは、
・アクション映画
空間を大きく移動するシーンがある作品
前後・左右・上下と視点移動の激しい作品
・3D版映画
立体に見えるのでシートの動きと相まって臨場感が高まる
などです。3Dの場合、3Dメガネを装着しなければなりませんが、味わえる臨場感は確実に2D版より上がります。また以下のような作品も4D上映に向いています。
・乗り物のシーンが多い作品
乗り物は3D空間を移動できるものの方がよい
(鉄道・自動車より飛行機・ヘリコプター・潜水艦などの方が4D向き)
・激しい銃撃戦シーンのある作品
弾丸が至近距離を飛ぶ臨場感が味わえる
筆者が観た中では「深海ものは4Dに向いているなあ」と感じさせられました。潜水艇が深海に潜っていくシーンなどでは浮遊感を感じることができるのです。
アクション映画などに対して、しっとりと画面を見せる映画はやはり4D上映には向いていません。恋愛映画などは普通の上映で十分楽しめますからね。
4D上映は映画をライドアトラクションにしてくれる仕掛けと考えるのがよいでしょう。ライドに向く映画と向かない映画があるというわけです。
みなさんが初めて4D上映で映画を見るなら、アクション満載のアトラクション感覚で楽しめる作品が上映されるときにお出掛けください。2時間のアトラクションと考えれば決して値段も高くはないでしょう。
(高橋モータース@dcp)
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