アナウンサーになるには? 採用試験の内容や仕事について知ろう 2ページ目
アナウンサー採用までのプロセス
アナウンサーになるための採用試験は一般的な採用試験と同じく、エントリーシートから始まり、一次面接に進む流れが一般的です。
さらに、アナウンサー採用のプロセスには「講習会」と呼ばれるセミナーが開催されるのも特徴かもしれません。
講習会では何をするの?タイミングは?
アナウンサーになるまでに避けては通れないのが、実技試験の役割を果たす講習会です。
講習会では、参加者全員でフリートークをするほか、以下の項目でアナウンサーの資質を見ます。
・ニュース原稿を読む
・カメラの前に立って自己紹介や自己PRを行い、カメラの前で話す際にどのように映るかの「カメラテスト」
講習会が行われるタイミングは1次試験前や1次面接実施後など、さまざまです。
実技試験さながらの講習会対策として、事前にアナウンススクールに通う人が多くいます。
アナウンサー志望者が通うアナウンサースクール
アナウンスのスキルは特殊な技術であるため、専門のアナウンススクールに通い技術を学ぶ人がほとんどです。アナウンススクールは専門学校が展開しているもののほか、テレビ局が運営しているものもあります。
大手民放4局の場合、以下のアナウンススクールを運営しています。
・日テレ学院(日本テレビ)
・アナトレ(フジテレビ)
・TBSアナウンススクール(TBS)
・テレビ朝日アスク(テレビ朝日)
スクールによって異なりますが、短期や長期、またアナウンサー採用試験だけに特化したものなど複数のコースがあり、大学生活と並行して通う人がほとんどです。
どのスクールでも、基礎となる発声から原稿読みなど実践的な内容のほか、テレビの仕事やそれに臨む心構えなどを教えています。
試験に向けたコースでは、通常のカリキュラムのほか、身だしなみなど外見についてのアドバイスも行われるようです。
さらに、テレビ局が運営しているスクールの場合、活躍している現役の局アナウンサーが指導・講義を行うことも多いという特徴があります。
アナウンサースクールには通うべき?
特に直営のスクールの場合、その局のアナウンサーになる例も多く見られるため、アナウンサーを目指す場合は通っておいて損はありません。日テレ学院の場合、笹崎里菜アナウンサーや尾崎理紗アナウンサーなどがスクール出身です。
フジテレビのアナトレでは、永島優美アナウンサーや木村拓也アナウンサーがスクールを経てフジテレビにアナウンサー採用されています。
大学の学費以外にも学校に通うお金が別途かかるため、本気でアナウンサーを目指したい場合は、親と相談したうえで通うかどうかを決めると良いでしょう。
アナウンサーの仕事内容
では、見事アナウンサーに採用された場合、どのような仕事が待っているのでしょうか?
アナウンサー1年目
アナウンサーとして採用された場合、1年目は教育・指導を担当する先輩アナウンサーのもと、アナウンスの知識と技術を向上させるため猛勉強しなければなりません。加えて、テレビ局の仕事を1から覚えるという激務が待っているでしょう。
早ければ、数か月後に早朝や深夜帯のニュースを担当したり、番組の1コーナーやリポートを担当したりします。ひと昔前は、新人に1番組のMCを任せる局もありましたが、最近の傾向としてはあまりないようです。
アナウンサー2年目
2年目に入ると、情報番組のコーナー担当が増えたり、ニュース番組のサブMCを担当したりするケースも出てきます。
アナウンサーの実績を積み重ねた多くのアナウンサーたちは、ニュース番組のメインアナウンサーをしたりバラエティー番組で有名MCの補佐をしたりするようになるのです。
アナウンサー3年目以降
3年目以降は、局でアナウンサーとしての経験を積み、アナウンス部の部長や指導・教育係になる場合が多くあるようです。
そのほか、退社してフリーアナウンサーになるという道もあります。まれに、地方局所属の場合はキー局に異動するといった例もあるようです。
気になる!アナウンサーの年収は?
アナウンサーの年収は、テレビ局やラジオ局などにより異なります。残念ながら、公的データによる年収は発表されていませんが、インターネット上では年収の目安としておよそ550~1200万円とされており、幅広です。
一般的な会社員よりも体力が必要であり、不規則な生活スタイルやアナウンスという特殊な技術が必要だからこそ、給料面にも反映されているのかもしれません。また、地方局よりもフジテレビなどキー局のほうが高い傾向にあります。
アナウンサーといえど、基本的には会社員ですので、会社が規定したお給料以上はもらえません。しかし、フリーアナウンサーの場合は事務所規定にもよりますが、頑張った分だけお給料がもらえるでしょう。
より高収入を目指すなら、最終的にフリーになるという選択肢もアリかもしれませんね。
アナウンサーにはどんな人が向いている?
アナウンサーは、テレビやラジオなどを通して多くの人に見られる仕事ですので、世間に好印象を与えられるかどうかが大切だと言えます。
以上を考慮して、向いている人と向いていない人の特徴をまとめました。
向いている人の特徴
身なりや滑舌など世間から好感の持てる人であり、常に努力できる人が向いていると言えるでしょう。また、アナウンサーの仕事は24時間365日であるため、体力も必要です。
・声が聞きとりやすく滑舌が良い人
・日本語力がある人
・一般常識がある人
・知性がある人
・清潔感がある人
・自慢できる特技がある人
・何にでも興味あり、経験することが好きな人
・体力がある人
・常に努力できる人
・不規則な生活の中、自己管理ができる人
・明るく前向きな人
・誰かのために物事を成し遂げられる人
採用試験に落ちてしまった!活躍の場はあるの?
アナウンサーは狭き門です。全力を出したとしても、全員がアナウンサーになれるとは限りません。特に、キー局を目指している人は落ちてしまった時を想像するだけで、ショックが計り知れないことでしょう。
アナウンサーの採用試験に落ちてしまった場合はどのような活躍の場があるのでしょうか。一般的には、以下の方法が考えられます。
アナウンサー採用試験に落ちてしまった場合の進路の一例 |
・一般企業に就職する ・マスコミ関係に就職する ・留年してもう一度アナウンサー採用試験にチャレンジする ・他の媒体でアナウンサーになる ・YouTuberになる ・フリーアナウンサーになる |
最近では、インターネット上の番組も普及しつつあります。インターネット上で活躍するYouTuberやフリーアナウンサーといった個人で活躍する人も増えつつあります。
特にフリーアナウンサーは学歴や資格が不要であるため、チャンスがあるかもしれません。
ただし、YouTuberもフリーアナウンサーも、活躍や仕事が評価されないことにはお給料が発生しませんので努力が必要となるでしょう。
まとめ
アナウンサーは、限られたテレビ局やラジオ局で毎年数人しか採用されないため、必ず全員がなれるとは限りません。
アナウンサーになるには、就職面接までにさまざまな経験をし、スキルや人間力を磨く努力をしたうえで、アナウンススクールに通うなどの特殊な準備も必要です。
本気でアナウンサーを目指す場合は親ともよく話し合い、資金面などどのように工面するかを決めることも大切です。
アナウンサー採用試験に落ちた場合の方向性も考えたうえで、あなたにとって最善のやり方でアナウンサーへの切符をゲットできるよう、準備してみてはいかがでしょうか?
(マイナビ学生の窓口編集部)