巨大な鏡か空の上を歩いているかのようなシベリアン・ハスキー犬。一見、CGのようになこれらの写真は、Fox Gromという名前で活動をしているロシアのフォトグラファーの作品です。

Grom氏が住んでいるのはロシアの最北地のひとつである、ムルマンスク州キロフスクという街。このエリアのほとんどすべてが北極圏であるため、冬になると湖は厚く凍りつきます。そしてその氷がほんの少し解けてくると、表面には薄い水の膜ができ、まるで地面が鏡になったような不思議で幻想的な風景を生み出すのです。Grom氏の屈強なハスキー犬たちにとっては北極圏の風も日常茶飯事。そのため氷の上でも臆することなく歩き回り、時には遊ぶこともあるようです。その自然体の犬の姿と果てしない「鏡の国」の景色が相まって、映画のようなワンシーンは作り出されました。厳しい自然は時として、思いもしないような美しい世界を私たちに見せてくれるようです。

（文／訳 木口マリ）

写真／記事提供：Bored Panda

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