仕事に慣れることを優先するうちに、ついつい後回しになりがちな日々の健康管理。インフルエンザが流行する時期には、いつも以上に意識したいところです。
住友生命保険相互会社とJMDCは、JMDCが保有する約1000万人規模の医療ビッグデータを利用した「インフルエンザ実態調査レポート」2026を発表しました。インフルエンザの診断・重症化だけでなく、健康・生活習慣や前シーズンの感染歴、世帯構成、家庭内での診断状況などを横断的に分析しています。
調査によると、2024年9月から2025年8月までの「2024-2025シーズン」におけるインフルエンザの診断発生率は10.91%。100人中約11人がインフルエンザと診断された計算になります。
また、インフルエンザが重症化するほど平均医療費も増える傾向がみられました。10割負担相当の平均医療費は、診断では約1.8万円、肺炎併発では約4.5万円、入院では約57.4万円、重症入院(ICU等)では約111.9万円でした。なお、これは患者が窓口で実際に支払う自己負担額ではなく、レセプトデータに基づく医療費です。
特に気になるのが、生活習慣との関係です。
調査では、「歩行習慣なし」「睡眠による休養感なし」に該当する人は、そうでない人と比べ、インフルエンザの診断や重症化に関する一部の指標でリスクが高い傾向が確認されました。
また、生活習慣病の既往がある人では重症化に関するリスクが高い傾向もみられ、例えば降圧薬を使用している人は、使用していない人と比べ、入院の発生率が1.76倍、重症入院(ICU等)の発生率が2.88倍となっています。
ただし、本調査は観察研究であり、「運動不足や睡眠不足だからインフルエンザになる」といった直接的な因果関係を示したものではありません。職業や受診行動、家族構成など、十分に調整されていない要因が影響している可能性があるとしています。
家族と暮らしている人が注意したいデータもあります。
インフルエンザと診断された人が1人以上いる世帯のうち、同じシーズンに複数人が診断された世帯の割合は、2人世帯18.5%、3人世帯33.3%、4人世帯43.1%、5人以上世帯51.4%でした。家族人数が増えるほど割合が高くなる傾向がみられます。
なお、ここでいう「家庭内感染率」は、実際に家族間で感染したことを特定した数字ではありません。同じ世帯で同一シーズンに複数人が診断された割合を便宜上「家庭内感染率」としており、それぞれが家庭外で感染したケースなどが含まれる可能性があります。
年齢別にみると、5~14歳の子どもは、世帯内で最も早くインフルエンザと診断された「初発者」になる割合が高い傾向がみられました。
さらに、インフルエンザの診断が確認された世帯では、子どもが最初に診断された割合は、子ども1人世帯で約51~60%、2人世帯では約66~74%、3人世帯では約74~81%。7~12歳の子どもが多い世帯で、その割合が高い傾向も確認されています。
ただし、こちらも実際の感染源を特定したものではありません。「初発者」はレセプト上で最も早く診断された人を意味しており、実際に家庭内で最初に発症した人とは限らない点には注意が必要です。
今回の調査は、睡眠や歩行習慣とインフルエンザの発症との因果関係を示したものではありませんが、日頃の生活習慣を見直すきっかけとなりそうです。手洗いやマスク、換気など基本的な感染対策とあわせて、忙しいときこそ睡眠や適度な運動を意識してみてはいかがでしょうか。
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