当期純利益とは、会社がその期に儲けた最終的な純利益です。つまり税引前当期純利益から法人税等を差し引いて、当期純利益は計算されます。当期純利益の計算方法を理解し、具体的に金額を算出してみて、企業会計の理解に役立てましょう。
【監修協力:資格の大原(社会人講座)】
当期純利益は最終的な純利益のことです。ここではもう少し詳しく、計算方法や求め方について解説していきます。
税引前当期純利益や法人税等などの具体的な数字が把握できていれば、当期純利益を求めるのは簡単です。当期純利益の出し方を理解し、具体的な金額を算出してみましょう。
以上が基本となる計算式です。実際の数字を使ってシミュレーションしてみると以下のようになります。
経常利益:30万円 特別利益:2万円 特別損失:3万円
税引前当期純利益 30万+2万-3万=29万
法人税+住民税+事業税:12万円
法人税等が12万ですから、計算式に当てはめてみると、17万円が当期純利益になります。
このシミュレーションで当期純利益を改善するには、経常利益または特別利益を増やすことがポイントになります。
ただ、特別利益は例外的な利益であり、平常時の業務には直接関わっていません。したがって、経常利益自体を上げることが必要になってきます。まずは、本業での利益である営業利益に注目してみましょう。
営業利益は、以下のように計算されます。
先ほどのシミュレーションに合わせて数字を仮で入れてみます。
売上高:100万円 売上原価:60万円→売上総利益:40万円
販売費および一般管理費:5万円→営業利益:35万円
経常利益は、営業利益に営業外収益を足し、営業外費用を引いたものです。
営業外収益:5万円 営業外費用:10万円
→経常利益:35万+5万−10万=30万
このような内訳で、営業利益は算出されています。この式からわかる通り、営業利益は売上原価や販売費および一般管理費によって、左右されるわけです。
このように、企業運営では当期純利益の内訳をさらに細かく分け、原因となっている要素を探ります。
具体的には、「売上原価を抑える」「人件費・光熱費・広告費を見直す」「売上を増やす」などの改善方法が考えられるでしょう。マイナスを減らすのか、プラスを増やすのか、どちらもやったほうが良いことではありますが、企業によってどちらを重視するタイミングなのかは、判断が分かれるところです。
事業の収益性を把握するには、経常利益が指標となりますが、企業の損益を把握するには、その期における企業の最終利益を表す当期純利益が重要になってきます。株主が注目するのも当期純利益といわれています。
(学生の窓口編集部)
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